友達にマウントをとられたり、緊張してうまく発言できなかったりしたことはありませんか?
対人関係で悩まないためには、自分の心と向き合い対処する習慣を身につけることが大切です。その方法をメンタルクリニック院長である須田賢太著書の『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』より紹介します。
目次
友だちにマウントをとられたとき
人からムッとするようなことを言われたときの対処法を以下に説明します。
- マウンティングには力比べしない
- 心の声を無限リピートする
マウンティングには力比べしない
マウントをとろうとする人と「力比べ」をしても、いいことはありません。
こちらが不快になるようなことをわざわざ言ってくる人はいます。新しい服を着ていったら「その服、似合ってないね」。いつもと違うメイクにチャレンジしてみたら「濃すぎない?もっと勉強したほうがいいよ」……。
自分のためを思って言ってくれるアドバイスなら聞こうと思えますが、マウントをとるような言いかたをされるとモヤモヤしてしまいます。ついカッとなって言い返すと、何倍も意地悪な言葉が返ってきて余計に傷ついてしまうことも。
人からの攻撃的、批判的な言葉にとっさに反論してしまったり、どうにかして相手を言い負かしたくなったりすることは自然なことです。しかし、マウントをとろうとする人と張りあわないほうが賢明です。
とくに境界性パーソナリティ障害の患者さんは、人からの攻撃や批判すべてに反応しなければいけないと思い込んでいるケースが多いのですが、そんな必要はまったくありません。
感情に任せて行動してしまえば、その場の状況や相手との関係を悪化させる可能性があります。
心の声を無限リピートする
マウントをとられたら「心の声を無限リピート」しましょう。穏やかな口調で自分の主張を何度も繰り返します。
相手の言葉に応じて毎回違うことを言う必要はなく、ただ同じことをシンプルに言い続けていればOK。
「その服、似合ってないね」と攻撃してきたら、「でもお気に入りなんだ」。
「センスなさすぎ。私が選んであげようか?」となおも攻撃してきたら、「これ気に入ってるから大丈夫」と応じます。
ムキにならず、できるだけ穏やかに、柔らかに答えましょう。挑発に乗ってこない人をひたすら挑発し続けることが難しいように、自分の望む反応があなたから返ってこないとわかれば、相手はなにも言わなくなるでしょう。
「心の声を無限リピート」することで、自分が大切にしたいことを守りながら相手との関係性も維持していけます。
「イヤなことを言われたらどうしよう」と不安になる必要はもうありません。いつでも「心の声を無限リピート」を思い出してください。
あなたのことを「なにを言っても動じず、自分の大切にしたいことを大切にする人」だと判断したら、友達はもうあなたをマウントの対象にはしなくなるかもしれません。
緊張してうまく発言できないとき
自分の心にできるだけ忠実に生きてゆくために、自分の意見を伝えるスキルを身につけることは大切です。とはいえ、人前で自分の考えを話すのは緊張するもの。
ここでは、自分の意見を伝えることの重要性と、人前でうまく発言できないときの対処方法をご紹介します。
- 自分の意見を伝えることの大切さ
- 憧れの人を演じる
自分の意見を伝えることの大切さ
自分の意見を伝えられないと、損することもあります。やりたいこと、やりたくないこと、大切にしたいこと、手放したいこと。自分に正直に生きるために、自分の意見をきちんと伝えたいですね。
たとえば、会議や打ち合わせ、プレゼンなど、人前で自分の考えを話す機会は多いもの。緊張して頭が真っ白になったり、途中でなにを言いたいかわからなくなったり、そもそも一言も話せなかった……なんて経験もあるかもしれません。
自分の意見が伝えられないと、思い描いていたものとは異なる方向に話が進み、納得いかない内容になってしまうことがあります。
後悔しないために、自分の考えを伝えることは重要です。
憧れの人を演じる
緊張して人前でうまく話せないときに、まず意識したいのが「自信をもつ」こと。言い換えると「自信をもっているように見せる」ことです。自信にあふれている人のまねをして話しましょう。
「たいしたことは言っていないのに、堂々と話すからなぜかみんな聞き入ってしまう」という人がいます。つまり、自信を持っているように見せるだけで、話を聞いてもらいやすくなるのです。
反対に、自信がなさそうな人の発言は、内容はどうあれ説得力や信憑性に欠けるように感じられ、軽んじられてしまいます。
あなたのまわりに、いつも自信に満ちあふれている人はいませんか?上司でも同僚でも、友だちでも家族でも、会ったことのない芸能人でもかまいません。
「私もこんなふうに話せたらな」と思う人の話しかたや態度を観察してみてください。きっと、相手の目をしっかり見ながら、よく通る落ち着いた声で、自分の考えを堂々と言いきっているでしょう。
その話し方や態度を覚えて、人前で話す機会があったときにまねしてみましょう。「私は〇〇さん、私は〇〇さん」と自分に言い聞かせて臨むのもいいと思います。日頃、友だちと話しているときにも意識してみると、ここぞというときにうまく演じられるようになります。
まとめ
自信があるように振る舞うと、まわりもあなたに対して「デキる人」「この人の考えは尊重しなきゃ」という感覚を抱くようになります。
そしてなにより、あなた自身が「私はデキる人」「私の考えは尊重される」と思うようになれるでしょう。その感覚が積み重なれば、見せかけではなく本当の自信を手に入れることができるのです。
『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』では、マウントをとられたり、自信がなくて落ち込んだりするのではなく、よい対人関係を作ることができるようになる30の行動リストを4コママンガとともにお届けしています。
心を穏やかにして、今をもっと楽しみましょう。