つらい現実を受け入れるには？受け入れられない心理と受け止める方法

つらい現実を目の当たりにして、どう対処すればいいか分からないことはありませんか？または、どのように気持ちを紛らわしたり、落ち着かせたりすればいいか分からないこともあるでしょう。

そのような場合は、自分の心の状態を知ってコントロールする習慣を身につけることが大切です。その方法をメンタルクリニック院長である須田賢太著書の『メンタルヘルス大国アメリカで実証された心がモヤらない練習』より紹介します。

現実を受け入れられないときの心理テクニック

現実に起きた事実は変えられませんが、自分の思考で「考え方」を変えることは可能です。心理学の「コーピング思考」で自分の感情を受け入れましょう。その後、考え方を変え、自分を励まし、現実を受け入れるのです。

「その瞬間を向上させる」ためには、「自分を励ます」ことも重要です。苦しいときには、少しでも前向きになれるよう自分自身で励ましてあげましょう。例えば「私は耐えられる」「私は強い部分もある」「この状況は永遠に続かない」など。

ただし、自分を励ますスキルも「一言で苦しみが消える」わけではありません。一方で、感情も永遠に続かないのです。何かのきっかけで感情も切り替わります。

感情の切り替わる言葉が分かれば、思考は変えられるでしょう。自分を励ます「おまじない」のような言葉で自分を守っていきましょう。

自分の感情を受け入れる行為は、負けでも諦めでもありません。変えられないものは受容し、変えられるものは変えていく。現実を受け入れ、よりいい未来へ進みましょう。

現実がつらいときこそ、笑顔で受け止めることが大事です。

「ハーフスマイル」で心を穏やかに保ってみてはいかがでしょうか。心と体はつながっています。つらい感情が湧き起こっても、穏やかな笑顔をしてみましょう。「ハーフスマイル」とは「ほほえむ」ともいいますが、顔全体の力を抜き、リラックスした状態で笑みを浮かべる方法です。

鏡の前で「ハーフスマイル」の練習をしてみましょう。まず、無表情の顔を作り、額、目、頬、口、顎の順番に筋肉を緩めていきましょう。鏡の中の自分の変化を観ながらリラックスしていきます。

最後に、頬の両端を上げ穏やかな笑みを浮かべましょう。苦悩やストレスを感じない優しい表情になっているでしょう。

つらいときやイライラするときは「ハーフスマイル」を意識してみてください。普段から「ハーフスマイル」を心掛けるのもおすすめです。日常的にハーフスマイルを取り入れれば心穏やかに過ごせるでしょう。

苦しさを引き起こす状況から変えられず、感情を調節出来ないときに役立つ、苦悩耐性スキルを紹介しました。つらい状態から気をそらしたり、自分を落ち着かせたり、その瞬間を向上させるのが苦悩耐性スキルです。これは、今の感情や現実から逃げるわけではありません。

「受け入れること」が基本になっています。調節できないほどつらい感情は、簡単に受け入れられません。しかし、受容すれば、苦痛の強さや持続時間は確実に減るでしょう。現実から逃げ出す、衝動的な行動をした場合、状況が悪くなった経験はないでしょうか。自分の感情を受け入れ、耐えることが前に進む第一歩です。

人生にはさまざまな試練があるでしょう。目の前の苦しさを減らすだけでは解決できない深刻な事態に合う可能性もあります。そんな場合は、長時間の苦悩に耐えるためのトレーニングも参考にしてください。

一瞬で苦悩が消える魔法はありませんが「呼吸」や「ハーフスマイル」を意識して、現実を受け入れましょう。現実を受け入れることは、負けることや諦めること、肯定することとは違います。前向きに未来に向かう道のスタートラインに立つことです。

すぐに乗り越えられないかもしれません。スキルを実践していけば着実に前にすすめるでしょう。

つらい現実は、残念ながら変えることができません。ただし、自分の思考をコントロールして、考え方を変えることは可能です。

考え方を変えるには、自分を励ましたり、「ハーフスマイル」を用いて心を穏やかにしてみてください。「一言で苦しみが消える」というわけではありませんが、負の感情も永遠には続きません。

自分の考え方を変えていくことで、マイナスの感情と向き合っていきましょう。

このように『メンタルヘルス大国アメリカで実証された心がモヤらない練習』では、気持ちが不安定になったり、まわりの人に強い感情をぶつけたりするのではなく、自分の心をコントロールできるようになる30の行動リストを4コママンガとともにお届けしています。

本書を読んで、自分自身を見つめてみませんか。自分のために感情を理解し、今を大切に過ごしましょう。