うつ病は1日中気分が落ち込んでいたり、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、食欲がない、眠れないなど日常生活に支障をきたします。
回復までにかかる時間は人それぞれ。1回かかると生活のあらゆることが困難になり、普通のことができなくなります。この記事は、デラさん著書「うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと」から、うつ病のひとが大切にしたいマインドを紹介します。
「うつの底からちょっと抜けた人」
「うつ病予備軍で今なら逆戻り可能な人」
「現状より少し上を向きたい人」
などは、回復へ向けたヒントが得られるでしょう。うつ当事者のデラさんが実際にやってみてリアルに効果があったことを紹介しているので、参考にしてみてください。
目次
しょぼい人生は楽しい!プライドを捨てて自然体で生きる
うつ病回復を目指すには、幸せレベルを下げて自然体で生きることが大切です。詳しくみていきましょう。
幸せレベルを下げよう
うつ病からの回復を目指すには、幸せを感じられるレベルを低くしてみましょう。方法は簡単。「自分はこうあるべきだ」というプライドや、「こうじゃなきゃ幸せじゃない」という欲をすべて捨てることです。プライドや欲は、人生を生きるうえでお荷物。知らず知らずのうちに自分を縛り、身動きをとれなくします。
幸せのレベルが低くなると、
- 100円のプリンが嬉しい
- 深夜のマクドや吉野家に興奮する
- SNSで反応やコメントをもらえるとほっこりする
など特に何も起きていないのに嬉しくなり、感謝の気持ちを抱きます。人生が少しでも楽にするために、プライドを捨て幸せレベルを下げましょう。
自然体で生きるコツは「自分を操作しない」
自然体で生きるしょぼい人生は楽しいです。そのためには、世間で当たり前とされている価値観に縛られてはいけません。
- 年上には敬語を使う
- 男だから稼がないといけない
- 親孝行はするべきだ
など、気にすることが多いほど頭を使い脳が疲れてしまいます。自然体で生きると、人生は格段に楽で楽しいものになるます。自然体で生きるコツは、自分を操作しないこと。
たとえば、「あの人と関わりたくない」「この仕事を辞めたい」と思っても、「仕事は続けないと」「こんな自分ではダメだ」と頑張ろうと自分を操作します。
大切なのは自分の感情を操作せず、自分がどう思っているのかを大事にすることです。プライドや欲を捨て、自分に素直になりましょう。ささいなことに喜びを感じられるほうがお得です。
うつ病回復へ向けたマインド3つ
うつ病を治すには、
- 人と比べない
- 他人を情報としてストックする
- 前の自分に戻ろうとしない
ことが大切です。それそれ詳しく見ていきましょう。
他人と比べるのはコスパが悪い
SNS全盛の今、嫌でも他人と自分を比べてしまい「自分なんかダメだ」と感じる場面が必然的に多くなっています。そもそも人と人は正確に比較できません。
比べるには基準が必要です。100m走、テストの点数、身長など男性と女性、大人と子どもで比較をしても不十分。何かを比べる時は、あらゆる条件を均等にしないと正しい比較はできません。SNSだけを見て他人と自分を比べても、いいことなんてほとんどないでしょう。
たとえば学生時代によくいた、勉強していない自慢をしながらテストでいい点数をとる人。実はものすごく勉強しているかもしれないし、本当に天才なのかもしれない。
「本当に自分より勉強をしていなかったのか?」という正しい比較をする情報は足りていないので、真相は分かりません。
「正しい比較ができない」、「比較をするための情報の真偽が怪しい」という点から考えると、人と比べる行為はコスパが悪いです。プラスなことはなく、比べたことによって落ち込んでしまっては最悪です。
他人と比べる行為は無駄です。正しい比較ができないのでやめましょう。
他人=情報としてストックしてよう
人と比べて落ち込むという最悪の落とし穴にはまらないために、他人を情報として捉えましょう。イメージとしては、歴史上の人物です。「自分は織田信長や坂本龍馬と比べてダメだから死んでやる」という人はいません。
時代や条件など何もかも違うからです。しかし織田信長の人生から学ぶことはあるので、客観的なデータとして自分のなかにストックしておきましょう。
歴史上の人物に限らず、あらゆる人に対して適用してみてください。
「Aさんが結婚しました」というツイートを見れば、焦ったり、羨ましいという感情が出るかもしれません。そんなときは、
- Aさんと自分は比べられない
- 育った環境や性格、出会った人の数も違う
- Aさんが結婚できた要因はなんだろう
- それを知ることで自分も結婚できる確率が上がるかも
と考えることで消耗する量はグンと減るでしょう。他人の人生からヒントを得るようにデータを集めていきます。
自分にプラスの情報だけを切り取り、マイナスな情報は捨ててOKです。他人を情報としてストックして落ち込む回数を減らしましょう。
前の自分に戻ろうとしない!うつはほぼ老い
著者デラさんは、うつ病はズバリ「老い」に近いものだとつづっています。疲れやすく、頭が回らないので、さまざまなことに時間がかかります。
うつ病になった人は、「前の自分と比べてダメだ、戻れない」と悩みます。うつ病前の自分に戻ろうと無理をして再発を繰り返すのは、とても辛く苦しいことです。老いをゆるやかに受け入れるように、うつ病のことも徐々に受け入れていきましょう。
70代の人が、「10代の頃に戻りたい」と言い続けても、どうしようもありません。うつ病の人は元の職場、元の収入、元の暮らしに戻りたいと最初は考えます。
「前の自分には戻れない」と受け入れ、腹の底から理解することがうつ病回復に繋がります。老いと同じように「うつ病を受け入れる」という考えが自分のなかで浸透したら、今より生きやすくなるでしょう。
まとめ
今回はデラさん著書、「うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと」からうつ病回復へ向けたマインドを紹介しました。幸せに感じられるレベルを下げ、自然体で生きることは、人生が格段に楽で、楽しいものになります。
「前の自分に戻れない」「自分はダメだ」とうつ病で悩んでいる人はぜひ本書を手に取り、生きやすいマインドを見つけてみてください。この本は、うつ当事者のデラさんが実際にやってみてリアルに効果があった方法を集めています。今より少しでも上を向けるよう、参考にしてみてください。