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ネガティブな想像が止まらない方へ。マインドフルネスで心を観察・実況中継する3ステップ

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イヤなことを見てしまうと、ついネガティブな想像をして自分を追い詰めてしまうことはありませんか。

否定的な想像を落ち着かせるために、マインドフルネススキルを使って自分の感情をコントロールすることが大切です。その方法をメンタルクリニック院長である須田賢太著書の『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』より紹介します。

マインドフルネスでネガティブ思考をコントロール

マインドフルネスとは、「今この瞬間」を生きることです。
今に注意を向けることで、感情に振り回されるのではなく、自分で自分の感情をコントロールしやすくなります。

たとえば、恋人が会社の人と親しく話しているシーンを見てしまうと、「ただの同僚」と頭ではわかっていても、恋人が楽しそうにしていればいるほど不快な感情が湧きあがってきます。

そんなときはマインドフルネススキルで心を静めましょう。
強い感情に意識が向いてしまうのは当然のことですが、感情に飲み込まれて冷静さを失うと、自分の考えのかたよりに気づけません。

恋人の様子をきちんと見ていれば、みんなに快く接する人だと気づけるかも。自分との会話がそっけなく感じるのは、あなたには気を使わず、心を開いているからかもしれません。

今起きていることに注意を向けることで、自分の思考や思い込みに疑問をもったりストップをかけたりする機会が増えます。

マインドフルネススキルを使うことで、衝動的に行動することが減り、自分やまわりの人を大切にすることができます。

マインドフルネスで自分の心を把握する3ステップ

マインドフルネススキルを使うことは、感情をコントロールするための土台になるので、ぜひ覚えておいてください。

以下に、自分の心の状態を理解する3ステップを解説します。

  1. 観察する
  2. 描写する
  3. 関与する

1.自分が体験していることを観察する

イヤな気持ちになったら、まずは自分が体験していることをじっくり観察しましょう。はじめはなかなか難しくて、すぐにできるものではありません。だからこそ、強い感情が暴れそうになったら、何度も観察するくせをつけます

たとえば、恋人が同僚と楽しそうに話しているのを見てしまったとき。感情に飲み込まれる前に、今の感情を観察します。二人が話している光景、恋人の笑顔、早くなる自分の心臓、こみあげる不快な気持ち……。
悪い想像をするのはやめて、最低でも20秒、今この瞬間の体験に注意を向けます。

くりかえしますが、今の感情を観察することは、なかなか難しいもの。「20秒観察する」ことを思い出すだけでも、少しは冷静になれるでしょう。

2. 湧きあがる感情を描写する

イヤな気持ちになったら、まずは自分の体験を20秒観察します。これができたら、次のステップは「描写」です。

今なにが起きているか、自分のなかでどんな感情が湧きあがっているのか、自分自身に説明するイメージで実況中継してみましょう。

「〇〇さんと楽しそうに話す△△を見て、腹の底から怒りが湧きあがってきた」
「悲しみがじわじわ広がって涙があふれてきた」
こんな感じで言葉にします。頭に思い浮かべるだけでもかまいません。

この時の注意点は、思い込みを混在させないこと。
「〇〇さんと楽しそうに話す△△を見て、もう私を好きじゃないんだと思った」という実況中継は要注意。

「もう私を好きじゃない」というのはただの思い込みで、事実かどうかわかりません。思い込みを言葉にすると、脳がその言葉を本当のことだと思ってしまい、感情の乱れが増してしまいます。

体験を言葉にして初めて、自分の思い込みに気づけることも。そんなときは、思い込みの部分を省いてもう一度言葉にしてみましょう。

「観察」と「描写」の違いについて説明します。
「観察」は、自分の体験に気づくことと、注意を向けること。ただ感じるだけで、言葉にする必要はありません。

一方「描写」は、観察したことを言葉や思考を用いて表現すること。

この違いを理解すると、よりうまく「観察」「描写」ができるようになります。

3.【 関与する】「観察」「描写」した体験とじっくり向き合う

3ステップ目は「関与」です。わかりやすく言い換えるなら、「観察」「描写」した体験とじっくり向き合うこと。

自分の感情を押しころさず、否定せず、「今、私は怒りを感じていい」「間違っていない」と認めてあげることが大切です。

嫌な気持ちを長く引きずってしまう人はどこかで「私がこんな気持ちになるなんて間違っている」「ほかの人はこんな気持ちにはならないはず」と思い込んでいる可能性があります。

でも感情に正解・不正解はありません。あなたの感情は適切です!自分が感じたことにウソをつかなくていいのです。

この3ステップは、初めは難しいかもしれませんが、繰り返して練習することで心をコントロールしやすくなります。

メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』では、マインドフルネスを用いて自分の心をコントロールできるようになる30の行動リストを、4コママンガとともにわかりやすくお届けしています。

心を整え、今この瞬間を楽しく過ごしましょう。


メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習 著:須田賢太 / マンガ:まるいがんも

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