生きていると、何かしらの悩みは必ず発生します。その悩みが積み重なり、「毎日つらくて生きるのがしんどい…」と感じ始めたときに読んでほしいのが『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』です。メンタル本大賞2021で大賞も受賞しており、SNSも含めた現代の悩みにハッとする気づきを与えてくれます。
この記事では、本書から抜粋した心が軽くなるコツを紹介しています。自らも悩みが多い人間だったという著者の考え方を参考にして、自分を守る方法を見つけてください。
目次
人間関係の悩みで生きることに疲れてしまったら
人間関係の悩みは、家族・友人・恋人だけでなく、SNS上の人に対してまで悩みが及んでいます。これらの人間関係の悩みを減らせる考え方を紹介します。
自分を傷つけた相手はそのことをほぼ覚えていない
心理学でも、自分に対して嫌なことをした相手は何をしたのかさえ覚えていないことが多いと説いています。しかし、わかってはいても、された方は嫌な気持ちをずっと持ち続けてしまい、簡単に切り替えることはできません。
そんなときにつぶやいて欲しい言葉が、「今ごろパフェとか食ってる」です。嫌な相手は自分のことを考えもせずパフェを食べていると思うと、自分だけ悩んでいることがバカらしく思えてきます。
寝ても覚めても嫌な相手のことを考える必要はありません。自分が思うほど、相手は自分のことを気にかけてはいないのです。
自分のためになる言葉だけを聞けばいい
人から言われた嫌な言葉に傷つきやすい人は、気にしないことです。とはいえ、それができないから傷ついてしまうのですよね。その場合は、嫌な言葉を「呪文」だと思いましょう。
ゲームの世界での魔法の呪文は、どんなに強くても当たらなければ効果はありません。嫌な言葉もそれと同じだと考え、逃げたりかわしたりして当たらないようにしてみましょう。嫌な言葉は気にせず、自分のためになる言葉だけを聞いておけばよいのです。
魔法には癒しの呪文もあります。どうせ使うなら、人を癒せるような魔法を使いましょう。
孤独や虚しさは当たり前の感情だと受け入れる
家族や友人がいても、自分を理解してもらえなければ孤独を感じてしまうでしょう。寂しくて、誰かに孤独を埋めてもらいたくなるかもしれません。しかし、誰かに孤独を埋めてもらっても、いつかまた孤独になるでしょう。人はいつ死ぬかわからないからです。
孤独であることは生きるために必要で、消せないものなのかもしれません。孤独があるから大切な人や時間が輝くのだと考えれば受け入れられるのではないでしょうか。
理解してもらえない寂しさは苦しいことですが、自分も他人を理解できているかどうかはわかりません。また、自分が自分のことを理解できていない場合、他人に自分を理解して欲しいと求めても、相手が本当に理解できているのかどうかを判別することすらできません。
孤独や虚しさは消そうと思っても消せるものではないのです。生きるのに必要なのだと思えば、孤独も悪いものではないと思えるようになります。
SNSとは適度な距離を保つ
SNSを楽しく使うには、集中しすぎないことです。SNSで誰かの幸せな姿や成功を見ると、自分と比べて落ち込んでしまいがちです。しかし、SNSで見えているのは氷山の一角であり、見えないところでは大変な苦労をしていることだってあり得ます。
また、SNSではネガティブな言葉も多く流れています。知らない人から攻撃されることもあるでしょう。SNSの中の言葉が、すべて自分に向けた言葉のように感じて不安になってしまっては楽しむことができません。
SNSは距離も時間も関係なく人と繋がれる世界です。悩みを増やすだけのツールにならないように心がけることが大切です。
仕事がつらくてもう無理、つらいと感じたら
仕事をしている時間は生活の大半を占めているのではないでしょうか。必然的に悩みが発生しやすいもの。無理をせず、自分を守る考え方を紹介していきます。
本来の仕事と関係のない我慢はする必要がないもの
仕事では、ある程度の我慢が必要になることもありますが、仕事と関係のない部分に対する我慢は必要とはいえません。雇用条件にはない仕事をさせられたり、不当な扱いを受けたりするのに対する我慢は仕事の我慢とは違います。
また、相手に嫌なことを言いたくないからと我慢するのではなく、嫌なことを言わせる相手が悪いのだという意識を持つようにしましょう。我慢のしすぎで心を病んでしまったら取り返しがつきません。自分を守ることも仕事だと思うべきです。
人と比べて落ち込むのは実力に自信があるから
他人がうまくできていたり褒められたりしていると、それに比べて自分はどうしてできないのかと落ち込んでしまうこともあるでしょう。しかし落ち込んでしまうのは、本当は自分もそのくらいできるはずだと思っているから。人と比べて自分はダメだと思うのは、自己評価が低いように見えて実はかなり高いのだといえます。
絶対的な差を持つ相手なら、すごいと思っても落ち込むことはないでしょう。例えば大谷翔平選手の活躍を見て、自分はあんなふうにうまく野球ができないと落ち込むことはないと思います。
自分にも実力があると思っているから、できないことに対して落ち込んでしまうのです。まずは自分ができる小さな目標を持ち、少しずつ成功体験を増やしながら進んでいくようにしましょう。
仕事のストレスに耐えられそうになければ期限を決める
仕事にストレスを抱えている人は少なくありません。ストレスで耐えられなくなるくらいなら、辞める選択もあります。しかし、すぐに辞めるのが難しい場合は、期限を決めてみてはどうでしょう。つらい状況がこの先もずっと続くと思うとしんどいですが、期限があれば心にも余裕が出ます。
期限を決めると気が楽になって続けられる場合もあります。もちろん無理だと思うなら辞めてもよいのです。ただ、いざというときの逃げ場をつくっておくことが大切です。
ブラック企業であっても絶対にやめられない仕事はない
ブラック企業に入ってしまうと、辞めたくても辞められない状況になってしまうことがあります。それでも、辞められない仕事はありません。ただ、簡単には辞められないということです。
ブラックな会社の中にいると、そこのルールが社会のルールだと思ってしまいがち。しかし法的にみたら怪しい部分があるかもしれません。法的知識がないと、いいように使われてしまいます。
辞められない状況にある会社を辞めるには勇気や気力が必要ですが、本当に危険だと感じたら自分のための選択をするようにしましょう。
不安ばかりで毎日つらいときは
不安や悩みで心が一杯になっていませんか?ここでは、前向きになれるような考え方を紹介していきます。
不安の理由がわかれば切り離して考えるとよい
理由もなく突然不安になってしまったと思ったら、つらいとは思いますが、一度冷静になって理由を考えてみましょう。今見たもの・時間・場所・天気などから、なぜ不安になったのかを過去と照らし合わせてみます。
たとえば、つらいことや嫌なことがあった直後に赤いレンガのビルの前を通っていたとします。そのあと、別の場所で赤レンガのビルをみたときに、つらいという感情を無意識に思い出してしまうのです。
不安になった理由がわかれば、切り離して考えることで不安を回避できます。赤いレンガのビルと嫌なことは関係がないとわかれば、次に赤レンガのビルの前を通っても不安にならずにすみます。
このように理由がわかると、突然不安を感じることを減らしていけるでしょう。
小さな悩みが尽きないなら自然を感じてみる
小さなことで悩んでしまうのは、心が疲れているかもしれません。誰かに相談することで解消できる場合もありますが、相談する相手に対する別の不安が生じてしまうこともあり得ます。
そんなときは、自然に触れて無心になってみるのもよいでしょう。遠くまで行かなくても、空を見上げるだけでも十分です。何も考えずに眺めていると、悩みが逃げていくように感じます。
自然は何も言わず、ただそこにあるだけですが、自然の中では「自然な自分」に戻れます。そうすることで疲れや悩みなどの不自然なものが逃げていってくれるのかもしれません。
つらい過去や将来の不安は「今」を変えることでチャンスを作れる
過去の辛い思い出を引きずったり、先の見えない将来に不安を感じたりしている人もいるのではないでしょうか。もちろん、過去は変えることはできません。未来を変えるための行動はできますが、悪い想像をしてしまうと今が不安でいっぱいになってしまいます。
未来を変えようとするのではなく、すぐに変えられる「今」を変えてみてはどうでしょうか。「今」を不安を感じながら過ごすよりも、笑って楽しく過ごしてみるのです。未来では何が起こるかわからないと割り切って、「今」から「笑って楽しく過ごした過去」をつくりましょう。
過去には戻ることができません。また、未来のことも誰にもわかりません。何かできるとしたら「今」しかないのです。
自分が好きで楽しいことこそ最優先にする
仕事に追われ、やりたいことよりもやるべきことを優先させてはいないでしょうか。あきらめていたり、「いつか」やろうと思っていたりする人が多いかもしれません。
しかし、好きで楽しいと思うことは人生にとって大切なことです。「いつかやろう」の「いつか」はいつまで経っても「いつか」のまま。もしかしたら、明日にはできなくなってしまうかもしれないのです。
明日死ぬとしたら何がしたいのか。そう考えて、自信がなかったり他人から評価されなかったりしても、好きで楽しいことを優先してやってくみてださい。
つらいときにしか見えないものがある!自分のために生きよう
生きるのがしんどいなと感じるときに、少しでも心が軽くなるような考え方をご紹介しました。
生きていると、幸せなことも、しんどいと思うこともあるでしょう。暗闇を歩いているような気持ちになるかもしれませんが、暗いからこそ光がよく見えることもあります。暗闇を知っているから見つけられる幸せもあるはずです。
メンタル本大賞2021で大賞で対象を受賞した『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』には、心のモヤモヤを消してくれるような64の考え方が4コマ漫画とともに紹介されています。この本を読んでちょっとだけ考え方を変えてみれば、嫌なことが少なくなって、気持ちが軽くなるはずです。