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国や政府って何するの?住民の幸せを考えて不完全なルールをふさぐ

東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!
#ライフスタイル

「新しい病気のワクチンが打てるようになった」
「料金の安いスマホがでた」
「働けなくなったけど国の補助金で助かっている」

少なからず私たちが安心して幸せに暮らせているのは、国や政府がシステムを作ってくれているからです。

ところが、実際には国や政府がやってくれていることが、私たちの生活にどこまで影響しているかわからない方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、難しい経済を100人の島に例えて分かりやすく解説した本、『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』から、国や政府のシステムについて紹介します。ぜひ最後までお読みください。

国は国民の幸せを常に考えている

現実の日本では、国がお金や法律などのすべてを管理して、国民が幸せに暮らせる方法を常に考えてくれています。

それは100人の島でも同じです。

100人の島には、すでに100人分の食料・モノ・サービスが揃っています。そのままでも「生きてくこと」はできますが、住民たちは「もっと暮らしやすくするため必要なものは何か」を考えています。

それを決めるのは難しいことですが、100人の島の住民はひとまず「島の文明発展」「島の平和」の2つが大事だと考えました。

島の文明発展とは、次のようなものです。

  • 長距離を速く移動できる
  • 仕事がもっと楽になる
  • もっと素敵な家に住めるようになる
  • おいしいものをもっと食べられる

もう1つの、島の平和とは。

  • 飢え死にしないで済む
  • 地震・津波が来ても安心
  • 誰かに襲われたりする危険が少ない
  • 安心して子育てができる病気が広がらない

こんなことを挙げています。

この2つの目標を達成するために、国は、国のルールを守りながら4つを生み出しました

  1. エン印刷係
  2. 住民のルール
  3. 公務員
  4. 公共施設

公共施設には「発電所」「道路」「橋」などの便利にする施設と「堤防」「消防署」「刑務所」などの安全を守る施設があります。

国は弱い立場の人を助けるシステムも作っている

国は国民が幸せに暮らせるように考えてくれてます。その中には弱い立場の人を助けるのも国の仕事としてやっています。

弱者を助けない国は「平和で安心して暮らせる国」とは遠く離れてしまいます。

例えば、あなたが「弱者を助けない島」に住む一人だと考えてみましょう。
毎日まじめに働きながら、両親と妹の家族4人で暮らしています。

ある日、あなたは家族4人で車で出かけ、交通事故にあってしまいました。残念ながら事故で両親と妹を亡くしてしまい、あなただけが残されました。
しかし、あなたは命こそ助かりましたが、脳に障害ができてしまい仕事ができない体になりました。

会社や世間に助けを求めても、周りからは冷たい言葉を浴びせられてしまいました。

「自己責任だ。仕事ができないのが悪い」
「助けてくれる友人がいないのが悪い」
「障害があってもできる仕事を探さないのが悪い」

こんなことを言われたあなたは「もう死んでやる」と叫びますが、人々はさらに口々に言います。「死ぬなら迷惑をかけずに勝手に死ね」

もしあなたなら、このときどうしますか?次のようなことを考えるかもしれません。

  • 自殺する
  • ムカつくやつを殺して自分も死ぬ
  • ゴミ漁りで生きる
  • 泥棒になる
  • 社会を恨んで無差別テロを起こす
  • 特定の団体や政治家を恨んで殺す

人によって答えはさまざまでしょう。しかし、どの答えも平和的な未来にはつながらないはずです。

このままでは治安が悪くなり社会が壊れてしまいます。弱い立場の人が現れないようにするのは難しいです。どんな分野でも、人が100人いれば、平均以下の50人がいます。そのうちの10人は「平均よりもすごくできない人」になるでしょう。

弱者かどうかは、平均からの数値でしかないため「社会的弱者」は絶対にいなくならないです。

100人の島でも「島の文明発展」「島の平和」が達成できるように、弱者を助ける仕組みがあります。

政府は何をしているの?

政府は国のルールをもとに「国民がどうすれば幸せに暮らせるか」を考え、問題があれば解決していくため政策を練っていきます。さまざまなルールやシステムを作り、ある程度うまくいくと「これでみんな安心して良い暮らしができる」ような気がしてきます。

ところが、世の中は時間が経つにつれて、これまでのルールやシステムでは解決できないような新しい問題が発生するのです。

100人の島でも、国のルール(憲法)をもとにして「住民のルール」「エン(お金)」「公務員」「公共施設」を作りましたが、新しい問題が起きているようです。

例えばお金についてですが、次の3つの問題がでてきています。

  1. 人の役に立っていなくても、ルールの穴をつけば稼げる
  2. 国が決めるルール次第で、特定の住民の給料が変わる
  3. 放っておいたら、重要な仕事のなり手が減る

このように、その住民の貢献度に合わせて、適切な給料がいくように設定するのはとても難しいのです。

「年収200万エンのウサギ」と「年収2000万エンのブタ」と比べて、どちらが「島の文明発展」と「島の平和」に貢献しているか、年収だけではわかりませんよね。

エン(お金)はモノ・サービスの価値を表現できる便利なアイテムですが、価値を正確に表現できる万能アイテムではない、というのが大事なポイントです。「住民のルールとお金」には弱点があるので、そのまま放置しておくと新たな問題が次々に起こり始めます。

そのために政府の仕事は大きく分けて2つあるといえるでしょう。

  1. ルールの修正をすること
  2. ルールとエンをうまく使って、住民たちの問題を解決すること

ルールの穴をつく人が現れたらルールを修正したり、津波が来るかもしれないから危ないとわかれば新しい防波堤を作ったりします。
新しい病気が流行れば「外出禁止」「収入が減る仕事へ助成金を出す」「ワクチンを開発させる」という政策を決めます。

政府はこれらを通じて「島の文明発展」「島の平和」を目指していきます。

まとめ

毎日が平凡に過ぎていく私たちの生活ですが、その裏側には国が管理しているルールやお金が存在しています。

政府はルールとお金をもとに「国民の幸せのために何が必要だろう」と毎年政策を考えて決めています。近年問題だったコロナ禍でも、給付金などで援助があった人たちがほとんどでしょう。

今では生活必需品のスマートフォンを販売している携帯大手3社は、ルールの穴をつく売り方をしていたため、政府から料金値下げや一部のプランに誘導する営業を禁止する強い要請を受けました。
国や政府は国民が生活しやすくなるために、支援やルールの制定を行っています。

東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』では、このような少し難しい経済の話を、わかりやすい例えを用いて解説しています。興味がある方は、ぜひ本書をご覧ください。


東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった! ムギタロー(著)、井上智洋、望月慎(監修)

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