「コミュニケーションが苦手…」「人と話すのが怖い…」
コミュニケーション能力が低いと感じていると、仕事や人間関係でつらい思いをすることが少なくありません。コミュ力があったらもっと違う人生になっていたかもしれないと感じた経験もあるのではないでしょうか。
しかし、コミュニケーション能力は後天的に鍛えることができるスキルです。それでは、どうすればコミュニケーション能力が改善できるのでしょうか?
この記事では、コミュニケーション能力が低い人の特徴や、その原因、そして具体的な改善方法について詳しく解説します。最後まで読めば、コミュニケーションに対する苦手意識が薄れ、自信を持って人と接するための第一歩を踏み出せるはずです。
目次
コミュニケーション能力が低い人の特徴

コミュニケーション能力が低い人にみられる特徴を見ていきましょう。
話をうまく伝えられない
コミュニケーション能力が低いと言われる人の特徴として、まず「話をうまく伝えられない」ことが挙げられます。自分の考えや気持ちを言葉で表現することが苦手なため、相手に誤解されたり、意図が伝わらなかったりするのです。
話したいことが頭の中にあっても、それをどのように言葉にすれば良いのか、どのような順番で話せば相手に伝わるのかが分からず、結果としてコミュニケーションがスムーズにいかなくなってしまうのです。
相手の話を理解できない
コミュニケーション能力が低い人は、相手の言葉の表面的な意味だけでなく、その背景にある意図や感情を読み取ることが苦手です。相手が冗談で言ったことを真に受けてしまったり、遠回しな表現を理解できずに的外れな返答をしてしまったりすることがあります。
また、相手の話を聞いているようで、内容をほとんど理解していないこともあります。相手が伝えたいことを正確に把握することができないため、会話が噛み合わなかったり、誤解が生じたりするのです。
自分の話ばかりしてしまう
コミュニケーション能力が低い人は、相手の状況や気持ちを考えずに、一方的に自分の話をしてしまいます。相手への配慮が不足しているため、会話が一方通行になりがちで、相手に不快感を与えてしまうこともあります。
たとえば、相手が忙しそうにしているのに、自分の趣味の話を延々と続けてしまったり、相手が興味のない話題を一方的に話してしまったりすることも。また、相手が話し始めた途端に、自分の話にすり替えてしまうなど、独りよがりなコミュニケーションになってしまうのです。
コミュニケーション能力が低くなってしまう5つの原因

コミュニケーション能力が低くなってしまう主な原因を解説していきます。
- 内向的な性格
- 自己肯定感が低い
- 語彙力や傾聴力が不足している
- コミュニケーションの経験不足
- 病気の可能性
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.内向的な性格
内向的な人は、一人で過ごす時間を好み、大勢の人との交流を苦手とする傾向があります。自分の内面の世界に意識が向きやすく、他人とのコミュニケーションにおいて、積極的に話すことや、自分の意見を表現することに抵抗を感じることがあります。
また、人との関わりの中で、必要以上に緊張してしまったり、疲れてしまったりすることもあります。
しかし、内向的な性格が必ずしもコミュニケーション能力が低いということではありません。内向的な人は、深く考えることや、相手の話をじっくり聞くことが得意な場合もあり、適切な方法を身につければ、コミュニケーション能力を高めることは十分に可能です。
2.自己肯定感が低い
自己肯定感が低いと、「どうせ自分なんて…」と、自分に自信が持てず、他人とのコミュニケーションを避けてしまうことがあります。相手の反応を過度に気にしたり、批判されることを恐れたりするあまり、自分の意見を言えなかったり、相手に合わせすぎてしまいます。
このため、苦手意識が芽生えるとコミュニケーションを避けるようになり、能力が育たなくなってしまうのです。自己肯定感を高めるためには、小さな成功体験を積み重ねたり、自分の良いところを認めたりすることが大切です。
3.語彙力や傾聴力が不足している
語彙力や傾聴力の不足も、コミュニケーション能力を低下させる原因となります。語彙力とは言葉の意味や使い方を理解し、適切に使いこなす能力のこと。傾聴力とは相手の話を注意深く聞き、理解しようとする能力のことです。
語彙力が不足していると、自分の考えや気持ちをうまく表現できなかったり、相手の言っていることを正確に理解できなかったりします。
また、傾聴力が不足していると、相手の話を上の空で聞いていたり、途中で遮ってしまったりして、相手に不快感を与えてしまうことも。このような状態では、うまくコミュニケーションを取れないのです。
4.コミュニケーションの経験不足
コミュニケーションは実践を通して上達していくものです。幼少期から他人との関わりが少なかったり、学校や職場などでコミュニケーションの機会が限られていたりすると、経験不足からコミュニケーション能力が十分に育たないことがあります。
幼少期の家庭環境や、親や周囲の大人との関わり方、友人関係なども影響する可能性が高くなります。叱られたり否定されたりすることが多かったり、兄弟姉妹の有無なども影響するのです。
5.病気の可能性
病気が原因でコミュニケーション能力が低くなる場合もあります。たとえば、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの発達障害、社会不安障害などの精神疾患が、コミュニケーションに影響を与えることがあります。
相手の気持ちを理解することが苦手だったり、場の空気を読むことが難しかったり、自分の興味のあることばかり話してしまったりするのです。他人とのコミュニケーションの困難さが日常生活に支障をきたすほどであれば、専門機関への相談を検討してもよいかもしれません。
コミュニケーション能力を改善する方法5選

コミュニケーション能力は意識して改善する5つの方法を紹介します。
- 笑顔を作る
- 相手の目を見て話すようにする
- 挨拶から練習する
- 語彙力を増やす
- 言い方を変えてみる
次から一つずつ説明していきます。
1.笑顔をつくる
コミュニケーション能力を改善するためには、まず笑顔をつくることを意識しましょう。笑顔は相手に安心感や親しみやすさを与え、コミュニケーションを円滑にする効果があります。
笑顔で接することで相手も心を開きやすくなり、会話が弾みやすくなります。とくに初対面の人と話すときや、緊張する場面では、意識して笑顔を作るように心がけましょう。
口角を少し上げるだけでも表情が柔らかくなり、印象が良くなります。鏡の前で笑顔の練習をしてみるのも効果的です。
2.相手の目を見て話すようにする
相手の目を見て話すことも、コミュニケーション能力を向上させるために重要です。目を合わせることで、相手は自分の話を聞いてくれていると感じられ、信頼関係を築きやすくなるのです。
ただし、じっと見つめすぎると相手に威圧感を与えてしまう可能性があるので注意しましょう。ときどき視線を外したり、相手の顔全体を見るようにしたりすると自然なアイコンタクトになります。
また、相手が話しているときは、目を見ながら相槌を打つことで、より真剣に聞いている姿勢を示すことができます。
3.挨拶から練習する
いきなり会話をするのが難しいと感じるなら、挨拶から練習するとよいでしょう。挨拶は、コミュニケーションの基本であり、人間関係を築くための第一歩だからです。
最初は恥ずかしいかもしれませんが、続けることで自然とできるようになります。「おはようございます」「こんにちは」「ありがとうございます」など、基本的な挨拶を、明るくハキハキと言うことを心がけましょう。
慣れてきたら、「今日もいい天気ですね」など、簡単な一言を付け加えてみましょう。続けていくと、少しずつ会話が広がるようになります。
4.語彙力を増やす
語彙力が豊富であれば自分の考えや気持ちをより正確に表現することができ、相手の話も深く理解できるようになります。語彙力を増やすためには読書が最も効果的です。小説・新聞・雑誌など、さまざまなジャンルの本を読むことで、新しい言葉や表現に触れることができます。
また、ラジオを聴くのもおすすめ。言葉だけで情報を伝えるプロの話し方や言葉の繋ぎ方は参考になるはずです。
5.言い方を変えてみる
コミュニケーション能力を高めるには言い方を変えてみることも有効です。同じ内容を伝える場合でも、言い方一つで相手に与える印象は大きく変わります。
相手に何かを伝える際には、「でも」「だって」などの否定的な言葉を避け、「そうですね」「なるほど」など、肯定的な言葉を使うように意識しましょう。
うまく話そうとするよりも、何を感じているかを話そうとする方がコミュニケーションがうまくいく場合もあります。
コミュニケーションでは自分が感じていることを伝えてみよう

コミュニケーションでは、うまく話そうとしなくても、自分が感じていることを素直に伝えることで相互理解が深まる場合があります。ここでは、そのような言い方をシーン別で紹介していきます。
挨拶をするとき
コミュニケーションが苦手な人にとって、初対面の人への自己紹介は非常に緊張します。ビジネスや恋愛では自分のことを知ってもらいたいのに、何を話したらいいのかわからないという人も多いでしょう。
このようなときにおすすめなのは、「自分が伝えたいことを質問する」という方法です。自分の商品をアピールしたいとき、「私は〇〇を扱っているのですが、あなたは何を扱っていらっしゃいますか?」などと、会話の中に自分の伝えたいことをこっそり忍ばせます。
相手も質問に答える形となり、コミュニケーションがスムーズになるでしょう。
断るとき
コミュニケーションが苦手な人にとって、「断る」というのはハードルが高いのではないでしょうか。イベントや飲み会などに誘われても、事情によって断らなければならないこともあります。
つい、相手に不愉快に思われないように断る理由を並べてしまいがちですが、それよりも「行けなくて残念な気持ち」を伝えるとよいでしょう。「行けなくて残念」「次があったら絶対誘ってください」などと言うようにすると、感じよく伝わるのです。
謝罪するとき
話をしていて、自分の言葉が失言だったと後から気付くことがあります。あわててフォローしても、気まずい雰囲気が消えなくなってしまうことも少なくありません。「しまった!」とうろたえていると、さらに「しまった!」という現実を選んでしまいます。
このようなときは、失言したという事実を受け入れるようにしましょう。無理に弁解しようとせず、そのまま明るく、爽やかな気持ちで次の話題を始めると、相手に嫌な印象を残さずに済みます。
コミュニケーション能力を磨くには言葉の選び方が大切

コミュニケーション能力はすぐに向上するものではありません。しかし、少しずつ経験を積むことによって磨かれていきます。うまく話さなくても、コミュニケーションを円滑にすることは可能です。気負わず、簡単な挨拶から始めていきましょう。
山﨑拓巳著『なぜか感じがいい人のかわいい言い方』では、話しやすい空気を作る「かわいい言い方」がシチュエーション別に紹介されています。この本を読んでおけば、実際に似たような場面に遭遇したときに必ず役立つはずです。