「人間関係をうまく続けられない」「人付き合いにストレスを感じてしまう」など、人間関係での悩みは必ずと言っていいほど付きまといます。
人との距離感を上手くとれないことで悩んでしまう場合も少なくありません。近すぎて負担になったり、遠すぎて寂しさを感じたりしていませんか?
人間関係がうまくいっている人は、相手との距離感を保つのが上手い人でもあります。近すぎず、遠すぎない、ちょうどよい距離感を保つのはにはどうしたらいいのでしょうか?
この記事では、人との距離感が上手い人の特徴と、距離を上手く保って良好な関係を築く方法をご紹介しています。適切な距離感を保てるようになれば、人間関係での悩みが軽減するはず。ぜひ最後まで読んで、余分な悩みを解決するヒントをみつけてください。
目次
人との距離感が上手い人の特徴7選
人との距離感が上手い人の特徴を7つご紹介します。これらの特徴を知ることで、自分自身のコミュニケーションスキルを向上させるヒントが見つかるはずです。
1.相手の反応をよく見ている
人との距離感が上手い人は、相手の反応をよくみています。これは、相手の気持ちを理解するために重要なことです。相手の表情や姿勢などに注目し、言葉以外の情報を読み取ります。相手が不快に感じていそうならば、話題を変えたり距離を置いたりして柔軟に対応します。
また、相手の反応によって、自分の言動が適切かどうかを判断し、必要に応じて修正することが可能です。相手の反応をよく見ることは、良好な人間関係を築く上で非常に重要なポイントとなります。
2.コミュニケーションスキルが高い
人との距離感が上手い人は、コミュニケーションスキルも高いことが多いです。これは、話すのが上手だということだけではありません。相手の話をしっかりと聞く「傾聴」の能力も高めです。相手の言葉を遮らず、適切なタイミングで相づちを打つなどして、相手が話しやすい雰囲気を作れます。
また、感情的になりすぎずに自分の意見を伝えることができ、状況に応じて適切な言葉づかいや態度を選択する能力もあります。これらのスキルを総合的に活用して、相手との適切な距離感を保っているのです。
3.自分の価値観が明確
自分の価値観が明確であれば、何を大切にしているか、何を許容できないかがはっきりしています。そのため、相手との関係性において、どこまで踏み込むべきか、どこで線を引くべきかの判断がしやすくなります。
自分の価値観が明確な人は、他人の価値観も尊重する傾向があります。自分の考えや生き方が確立しているからこそ、他人の異なる価値観を受け入れる余裕が生まれるのです。これにより、多様な人々と良好な関係を築くことができます。
4.親しくなっても礼儀を忘れない
親しくなると、つい気を抜いてしまい、相手への配慮が欠けてしまうことがあります。しかし、人との距離感が上手い人は、どんなに親しくなっても基本的な礼儀をきちんと守ります。約束の時間を守る、感謝の言葉を忘れない、相手の話を最後まで聞くなど、基本的なマナーは常に意識しているのが特徴です。
また、親しい関係であっても、相手のプライバシーや個人的な境界線は尊重しています。親しさと礼儀のバランスを保つことで、相手との適切な距離感を維持することができるのです。
5.心地よさを重視する
ここでいう心地よさとは、相手との関係性において、お互いにストレスを感じることなく自然体でいられる状態を目指すことです。会話の中で相手が不快に感じるような話題を避けたり、相手の好みや性格に合わせてコミュニケーションの方法を調整したりします。
ストレスを感じてしまう関係の人に対しては、適切な距離を置いたり、コミュニケーションの方法を見直したりして、それを改善する努力を欠かしません。お互いに心地よい状態を保つことで、適切な距離感を保つことにつながります。
6.状況に応じて柔軟に対応する
人との距離感が上手い人は、状況を素早く判断し、それに合わせて自分の態度や行動を調整することができます。仕事の場面では礼儀正しい態度を保ち、プライベートでは親密な関係性を築くというように、TPOに応じて適切な振る舞いをします。
非常に親密な関係であっても、ときには適度な距離を置くことで、お互いを尊重できるのです。状況に応じて柔軟に対応する能力は、豊かで長続きする人間関係を築くことにもつながります。
7.相手を変えようとしない
人との距離感が上手な人は、相手の個性や価値観を尊重し、相手を変えようとしません。相手の意見や生活習慣が自分と異なっていても、それを否定したり批判したりせずに尊重します。相手の成長や変化も強制しないので、自然な距離感を保つことが可能です。
また、同時に相手はありのままを受け入れてもらえるという安心感や信頼感を感じます。これは相手との関係性を強固にするので、良好な関係を継続できるのです。
人との距離を縮めるために効果的なこと
人との距離感が上手い人は、距離を縮めることも上手いことが多いです。ここでは、相手との心理的な距離感を縮めるために効果的な方法を説明していきます。
自分から先に好意を示す
相手に対して自分から先に好意的な態度を示すことで、相手も同じように好意的な反応を返してくれる可能性が高くなります。これは、心理学で「返報性の原理」と呼ばれる現象です。具体的には、相手の話に興味を持って聞く、笑顔で接する、相手の趣味について質問するなどがあります。
ただし、過度に好意を示すと相手に押し付けがましさを感じさせてしまいます。相手の反応を見ながら、適度な距離感を保つことが大切です。自然な形で好意を示すことで、相手との関係性を徐々に深めていくことができるでしょう。
相手の言ったことを繰り返して共感を示す
相手の言葉を繰り返すことは、相手の気持ちを理解し、共感を示すことにつながります。これは、「オウム返し」や「リフレクティブリスニング」と呼ばれ、カウンセリングなどでも用いられています。
たとえば、相手が「最近仕事が忙しくて大変なんです」と言ったら、「仕事が忙しくて大変な状況なんですね」と返します。これにより、相手は自分の気持ちが理解されていると感じ、より心を開いてくれるようになるのです。
いいところを見つけて褒める
相手のいいところを見つけて褒めることは、非常に効果的です。誰しも褒められるのは嬉しいもの。相手の長所や努力を認め、具体的に褒めることで、相手は自分が認められていると感じ、好意的な感情を抱いてくれます。
ただし、お世辞や過剰な褒め言葉は逆効果になる可能性があるため、心からの誠実な褒め言葉を使うことが大切です。相手のいいところを見つける習慣をつけることで、自然と人との距離を縮められるようになります。
適切な距離を上手く保つ方法
ここからは、人との適切な距離をうまく保つ方法をご紹介します。
自分と相手との境界線を明確にする
境界線とは、自分の価値観や考え方、感情などを守るための心理的な線のことです。これを明確にすると、相手との関係性において自分の立ち位置がはっきりし、過度に相手に依存したり、反対に相手に踏み込まれすぎたりするのを防げます。
具体的には、以下のようなことがあります。
- 自分の意見や感情を率直に伝えること
- 相手の要求に対して必要であれば「ノー」が言えること
- 自分の時間や空間を大切にすること
自分の距離感を明確にすると、相手との適切な距離感を保てるようになります。
同じ人と長時間過ごさない
どんなに親しい人であっても、つねに一緒にいることでお互いのストレスが蓄積されたり、相手の欠点が目につきやすくなったりします。仕事や学校以外の時間は別々の趣味を楽しむ、週末は一人の時間を作るなど、意識的に離れる時間をつくることも大切です。
また、SNSの使用も適度に控え、オンライン上での過度な接触も避けることを心がけましょう。別々の時間を過ごすことが、適度な距離を保つことにつながります。
自分のすべてを見せない
自分のすべてを見せることは、親密な関係のように思えますが、実際には相手に負担をかけたり、自分の弱みを必要以上に露呈させてしまう期間性があります。適度に自分の内面を守ることで、相手との関係性をより健全に保つことができます。
たとえば、自分の悩みや不安をすべて相手に打ち明けるのではなく、状況に応じて適切に共有すること、プライベートな情報は話しすぎないこと、SNSでの過度な自己開示を避けることなどです。人との適切な距離感を保つ上では、自分のすべてを見せないことが重要です。
活動の拠点を分散する
ひとつの場所や集団に活動が集中すると、特定の人々との関係が密接になりすぎることがあります。活動の拠点を分散させることで、多様な人々と適度な距離感を保ちながら付き合うことができます。
仕事以外の趣味や活動を持つこと、異なる友人グループと交流すること、オンラインとオフラインのコミュニティをバランスよく活用することなどがあります。複数の活動拠点があれば、ひとつの関係に依存しすぎることを避けられます。
また、関係において何か問題が生じた際にも、別の拠点に切り替えることで心の安定を保つことができるという利点もあります。
人との距離感が上手い人はコミュニケーション上手!言い方も工夫してみよう
人との程よい距離を保ちながらも良好な関係を保つための方法をご紹介しました。人との距離感が上手い人は、やはりコミュニケーションが上手な印象があります。しかし、コミュニケーションが苦手だという人も少なくないでしょう。それなら、言い方を少し工夫するという方法もあります。
山﨑拓巳著『なぜか感じがいい人のかわいい言い方』では、話しやすい空気になる感じいい言い方を、場面別で実例とともに詳しく解説しています。この本を読んで、いつもの言葉をちょっと言い換えてみれば、相手の心を開くことができるようになるはずです。