この世界、何かがおかしい

神社参拝が開運につながる理由

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#この世界、何かがおかしい

長い間占いをしていて気付いたことがあります。それは、神社参拝の習慣がある人は運が良いということです。そして、運気が低迷している時期の悪影響をほとんど受けていないことも特徴的です。

この世界に四季があり、それぞれの季節に合った過ごし方があるのと同じように、人の運気にもバイオリズムがあります。人間が本来生まれ持っているはずの運気の流れの影響が、神社参拝を習慣にしている人は例外的に当てはまらないのです。

シェルドレイクの形態形成場仮説

それはなぜか。私の仮説ですが、この現象はイギリスの生化学者ルパート・シェルドレイクが唱えている形態形成場仮説で説明ができると思っています。

ルパート・シェルドレイクはケンブリッジ大学で自然科学を修めた後、ハーバード大学で哲学と科学史を専攻。再度ケンブリッジ大学に戻り、生化学で博士号を取得した学者です。彼が専攻していた生化学とはざっくりいうと「遺伝がなぜ起こるのか」を研究する学問です。

彼のいう形態形成場仮説は、同じ”型”(意識・動作)が何度も繰り返されると、その”型”が起きやすくなる通り道、セーブデータのようなものができ、あとから来る人は自然とそのセーブデータと同じ現象に引っ張られる、という考え方です。簡単に言えば、2度あることは3度あるみたいな感じです。

ネズミの迷路実験

シェルドレイクの仮説を確かめようとしたユニークな実験があります。ネズミを水が入った迷路に入れ、間違った道に進むと電気ショックを与えるというもの。これを実験室で繁殖させたネズミについて何世代にもわたって行い、17年間にわたる学習能力の変化を調べました。

初代のネズミは迷路から脱出できるまで平均165回の電気ショックを受けましたが、世代を追うごとにその回数は減り、44世代目になるとなんと平均9回で脱出できるようになったのです。

これはねずみの家系の中でセーブデータのようなものが作られたという、シェルドレイクの仮説を裏付けるような結果になりました。

パズル絵のテレビ実験

シェルドレイクの仮説については、人体実験も行われています。
1980年代のイギリス。あるテレビ番組で、不思議な公開実験が行われました。題材に選ばれたのは「パズル絵」と呼ばれるもの。ぱっと見ただけではごちゃごちゃした白黒のモザイクに見えるのに、じっと見ていると中から「人物」や「動物」の形が浮かび上がってくる、あのタイプの絵です。

まず、番組でパズル絵を放送し「何が隠れているか」を答えてもらいました。ここでの正答率は当然ながら低く、ほとんどの人は分からなかったといいます。これは「ベースライン」、つまり基準となる数字です。

その番組内では「この絵の中には○○が隠れています」と答えを明かしました。放送を通じて、何百万人もの視聴者が「正しい解答」を一斉に共有することになったわけです。

ここからが面白いところです。放送を見ていない人たちに再び同じ隠し絵を出題しました。すると、放送時と比べて正答率が170%も上昇したのです。

これは、TV番組を通じて大勢の人がパズル絵の答えを知ったために、情報の場が形成され、人類は無意識下でそこにアクセスできるようになったため正答率が上がったと考えられます。

これをヒントに考えると、神社参拝がなぜ人に良い影響を与えるかも少し説明できる気がするのです。