「怒りの感情を出すのが苦手…」「嫌なことを言われたときに怒れなくて、後悔することがある」などと悩んでいませんか?
怒りの感情がない=感情のコントロールがうまいと言えますが、一方で言いたいことを言えずにストレスを感じてしまうこともあります。
感情的にならないのはひとつの魅力ではありますが、しっかり怒る場面では怒れるようになりたいですよね。
そこでこの記事では、怒りの感情がない人の特徴や、感情を出すメリット、具体的な方法について解説します。ぜひ最後までお読みください。
目次
怒りの感情がない人の5つの特徴

怒りの感情がない人の特徴は、次の5つです。
- 物事への関心が少ない
- 感情のコントロールが得意
- 視野を広く持っている
- 怒ることを面倒だと感じている
- 他人との境界線がハッキリしている
それぞれ詳しく解説していきます。
1.物事への関心が少ない
怒りの感情がない人は、物事や他人への関心が少ない傾向にあります。
相手に関心がないため、相手の言動や行動に対して、興味を持てません。
そのため、なにか相手から嫌なことを言われた際にも、深く考えずに「なにか言っているな」と、受け流すケースが多いです。
物事への関心の薄さが、結果的に怒りの感情を小さくしているといえます。
2.感情のコントロールが得意
感情のコントロールが得意な人は、衝動的に怒りを爆発させることがほとんどありません。自分の感情を客観的に見つめる能力があり、冷静に判断する力を持っています。
たとえば仕事で想定外のトラブルが起きても感情的にならず、冷静に原因と最適な対応策を考えたうえで、落ち着いて行動することが可能です。
常に冷静に動くことを考えているため、感情的に怒らない性格になっています。
3.視野を広く持っている
視野が広い人ほど、腹が立つような状況でも余裕を持って対処しやすいです。
物事を多角的に捉えられるので、ひとつの面からの見方にとらわれずに、状況を判断できるからだといえます。
たとえば、誰かから失礼な言い方をされた際にも、相手の置かれた立場や背景を想像して、「何か事情があるのかもしれない」と考えて、むやみに怒りをぶつけないケースが見られます。
相手の言動を多方面から見ようと考える姿勢が、怒りの感情を少なくしているのです。
4.怒ることを面倒だと感じている
怒ること自体を面倒だと感じる人は、そもそも怒りのスイッチが入りにくい傾向にあります。怒りの感情を出すことで、エネルギーを無駄に消費したくないと考えている傾向が強いです。
仮に意見が対立した際に、真っ向からぶつかるのではなく、話題を変えたり別の場所へ移動したりして、いち早くその状況から離れようとします。
5.他人との境界線がハッキリしている
怒りの感情がない人は、自分と他人の間に明確な境界を設けています。「自分は自分、他者は他者」という割り切った考え方を持っており、他人を無理に変えようとはしません。
そのため、他人の行動が気になりすぎて、つい口出しをしてしまう…という状況がなく、常に程よい距離を保つのです。
ある種ドライとも言える視点が、怒りをコントロールする助けとなっています。
怒りの感情がないことで感じるデメリット

怒りの感情がない人は、感情のコントロールがうまいというメリットがありますが、一方でマイナスな面も存在します。以下に3つのデメリットを紹介します。
- 嫌なことを吐き出せない
- ストレスが溜まっている
- 周囲に間違った印象を与えてしまう
1.嫌なことを吐き出せない
怒りを表に出さないことで、日常の不満を言葉にしづらくなる可能性があります。怒りという強い感情は「本当に嫌だ」という意思表示として使え、相手に不快な点をはっきりと伝える手段になるからです。
たとえば、職場で理不尽な要求を受けたときには、本来なら怒りの感情を用いて「それは困る」と伝えられます。ところが、怒りをまったく感じない人は、不快感を抱えたまま何も言えず、我慢を続けてしまいやすいのです。
このように、怒りを発散できないと自分の感情を抑え込みがちになり、結果的に嫌な思いを吐き出せず、苦しむことにつながります。
2.ストレスが溜まっている
表向きには穏やかに見えていても、実は大きなストレスを抱えている場合があります。怒りの感情を出すのは、ある種「気持ちの発散」とも言える行動です。ところが怒りを感じない人だと、この気持ちの発散を行う機会を失ってしまいます。
その場では怒りの感情が沸かなくても、あとから嫌な気分だけが残って「あのときちゃんと言えばよかった」とモヤモヤすることもあるでしょう。
気持ちを発散できない状況が続くと、気づかないうちにストレスが蓄積し、心身への負担が大きくなってしまう可能性があります。
3.周囲に間違った印象を与えてしまう
怒りを出さない姿勢は、一見すると「人当たりが良い」と見える反面、周囲に誤解を与えるリスクもあります。「この人は怒らないから、何を言っても問題ない」と思われてしまうなど、生活で不利益を被ることも珍しくありません。
また、「自分の考えがなく流されやすい」と誤解を与えてしまうなど、意思決定の場においてマイナスな印象を与えてしまうこともあるでしょう。
怒らないことで人間関係が円滑になる面もある反面、自分の本心が伝わらず、周囲からの評価を誤解されてしまう恐れがあります。
怒りの感情を出すメリット

怒りの感情を出すことで、さまざまなメリットが得られます。
- 「嫌だ」と伝えることで自分を守れる
- 不愉快に感じる相手と距離を取れる
- 都合の良い存在になることを避けられる
- 物事への本気度をアピールできる
1.「嫌だ」と伝えることで自分を守れる
怒りの感情をしっかり出すことで、相手にはっきりと「自分が嫌な点」を伝えられます。その結果、相手から嫌な言葉を言われたり、やりたくない仕事を押し付けられたりすることが減り、自分のメンタルを穏やかに保てるでしょう。
すべてのことに感情的にになると「ヒステリー」と思われてしまいますが、本当に耐えられないことについては怒りの感情を出したほうが、長期的に見てコミュニケーションがスムーズに進みます。
自分を守れるというのは、感情を前に出す大きなメリットです。
2.不愉快に感じる相手と距離を取れる
怒りを表すことで、自分にとって不快な相手との距離を保ちやすくなります。怒りという明確なサインを見せることで「それ以上踏み込んでほしくない」という意思表示ができるからです。
たとえば、職場の同僚が繰り返し無礼な態度を取ってきた場合、怒りの感情を示すことで「自分はそれを容認しない」という立場をはっきり伝えられます。そうすれば相手も距離感を考え直すきっかけを得るでしょう。
怒りを出すことがきっかけになり、不快な人間関係から自然と離れることができるのはメリットです。
3.都合の良い存在になることを避けられる
怒るべきときに怒りを示すと、周囲から都合良く扱われるリスクが減ります。
怒りの感情をまったく出さない人は「何でも受け入れてくれる」と思われがちです。そのため、相手が好き勝手に頼みごとをしてきたり、無理を押しつけてきたりしやすくなります。
自分が嫌だと感じた物事に対して、しっかり意思表示することで、相手の要求を必要以上に呑まなくて済むでしょう。
4.物事への本気度をアピールできる
怒りの感情をうまく利用することで、物事に真剣に取り組んでいる姿勢を相手に伝えられます。
怒りという感情は「自分が大切に思っているものが侵害されている」というサインです。つまり、大事にしているからこそ怒るといえます。
たとえば、チームで目標を達成しようとしている際に、誰かがいい加減な行動を取っている場合、怒りの感情を出すことで「自分はこのプロジェクトを本気で成功させたい」という強い意思を伝えられます。周囲もその熱意を理解し、態度を改めるきっかけになるかもしれません。
怒りの感情は、自分がどれほど真剣に取り組んでいるかを、相手に知ってもらうチャンスとしても活用できます。
怒りの感情を出すための行動とは

怒りの感情がない人が日常で怒りを表現するためには、以下の手順を踏むと良いでしょう。
- 相手から受けた言葉や言動が不快であることを自覚する
- どこに怒りを覚えたのかを冷静に見極めて、客観的に伝える
- 相手に自分の要望を伝える
怒り=感情的になるというわけではありません。冷静に淡々と伝えるだけでも、怒りの感情をアピールできます。むしろ感情的になって、自分が怒りを覚えたポイントを正しく伝えられないと、また嫌なことをされてしまう可能性もあるので、あくまでも冷静に対処するようにしましょう。
一時の怒りの感情に身を任せるのではなく、長期的に問題が解決できるように行動することが大切です。
怒りの感情を出して 自己肯定感を高めよう

怒りの感情は、一見ネガティブに思われがちですが、自己肯定感を高める大切な手段です。
怒りの感情がない状態だと、あとからモヤモヤが残ったり、「言いたいことが言えなかった…」と、気分が落ち込んでいまいます。「自分が何を大事にしているか」を強く示すサインとして、うまく感情を出していくように行動することが大切です。
なお、今回は怒りの感情について解説しましたが、他人との円滑なコミュニケーションのためには、感じのいい伝え方を身につけるのも重要です。
山﨑拓巳著『なぜか感じがいい人のかわいい言い方』では、好かれるコミュニケーションの方法を紹介しています。ぜひこの本を読んで、コミュニケーションに自信をつけてみてください。