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相手の意見を覆す!意見が異なったときのアプローチ法

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相手の意見を覆すには、自分の意見を曲げない強さを持つこと。たとえ少数派であっても、周りの考え方が変わる確率が高まります。

この記事では、自分の意見を通すアプローチ法を、対人関係の全技術を凝縮した「頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術」よりご紹介します。多数派の意見を覆さなければならないときもあるはずです。ぜひ最後まで読んで、その方法を身につけておきましょう。

一貫した態度で多数派の意見を切り崩す

相手と意見が異なっている場合に効果的なアプローチ法を説明していきます。

あえて反対意見をぶつけること

相手と意見が大きく異なってしまったら、あなたはどうアプローチしますか? こういうときは、波風立てないように遠慮気味でアプローチをしても状況はあまり変わりません。

意外かもしれませんが、相手の意見を変えたいなら、意見の食い違いがはっきりわかるように反対意見をぶつけるのが効果的

人は自分とは反対の立場を主張されると、相手やその支持者たちと異質な人間とは思われたくないというモチベーションが働くからです。

反対意見を伝えるときのポイントは、自分の専門性・実績・意見や主張の根拠となるエビデンスなどの信憑性を示すこと。信憑性が高ければ、相手の意見を変えやすくなります。

ただ、信憑性がさほどないという場合もあるでしょう。それでも相手に反対意見を押し通したいのであれば、かたくなに反対意見を言い続けることです。最後まで決して自分の意見は曲げないこと。そうすることで、周囲の人の考え方が少しずつあなたの意見に引き寄せられる可能性が高まります。

モスコビッチの方略を使いこなすコツとは

自分の意見や主張をかたくなに繰り返して一貫した態度を取り続けることにより、多数派の意見を切り崩すことが可能になるという手法は、「モスコビッチの方略」と呼ばれています。

モスコビッチの方略を使いこなすコツは、同調圧力に負けないこと。エビデンスを集めるなど、信憑性を高める努力も重要です。しかし、たとえ信憑性がなかったとしても、直感的に多数派に反対するべき場面はあるでしょう。「空気が読めないヤツ」などと思われることを恐れてはいけません。

人生を切り開くうえで、自分がおかしいと感じたことを口にすることは非常に重要だと筆者は考えています。

反対したことで人間関係にトラブルが生じるかもしれませんが、そのトラブルを解消する交渉の技は、本書(「頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術」)にいくつも紹介されています。

勇気を出してメンタルブロック(心の障壁)を外してみましょう

同調圧力を受けやすいかどうかをチェックする

モスコビッチの方略を用いる前に、自分が同調圧力を受けやすいタイプかどうかを、以下のポイントでチェックしてみましょう。

  • 自信を持っておらず、自己評価が低い
  • 人付き合いに苦手意識を持っている
  • 自責の念が強い
  • 柔軟性がない
  • 権威主義(権威者の言いなりになりやすい)
  • 承認欲求が強い
  • 知的な表現力が乏しい

3つ以上当てはまるようなら、反対意見を出すのに勇気がいったり、周囲の否定的な反応に負けてしまったりするかもしれません。

しかし、どうしても意見を押し通したいときだけは、自己評価を高くし、自信を持って主張してほしいと思います。

いつまでも意見がまとまらないときは

ここでは、お互いに意見を曲げずに平行線になってしまったときに話を進める方法を紹介します。

ヘーゲルの弁証法で膠着状態から脱却する

相手もかたくなに反対意見を言い続けていたら、いつまでたっても意見はまとまりません。その場合、話を先に進める最良の方法としては、「ヘーゲルの弁証法」があげられます。

自分の意見は「テーゼ(正)」、相手の反対意見は「アンチテーゼ(反)」といい、「第三の解」のことを「ジンテーゼ(合)」といいます。ジンテーゼは2つの矛盾点を解決して統合したもの。ヘーゲルの弁証法では、自分の提案(正)でも相手の提案(反)でもない、ワンランク上の新たな提案(ジンテーゼ)をつくり出し、相手に提示することで、相手と意見がぶつかったときの膠着状態から脱却できます。

第3の解(ジンテーゼ)を伝えるときに注意すること

つくりだした第3の解(ジンテーゼ)を相手に伝えるときは、新たな反対意見だと思われないようにすることが大切です。

反対意見だと受け取られてしまうと、相手にメンタルブロック(心の障壁)ができてしまい、聞く耳を持ってくれなくなる可能性があるからです。

相手とぶつからず、かつ、腹落ちしてくれるように伝えるには、次の2つのステップを行うとよいでしょう。

  1. 相手の意見をリピートする
  2. 自分の意見を要約し、再度、相手に確認する

まず、相手の意見や提案を疑問形で確認します。このとき、「要は」「つまり」などで相手の意見や提案を要約しないようにすること。これにより、相手の感情を逆撫でせずに交渉を進められます。

つぎに自分の意見や提案を要約し、改めて相手に確認しましょう。狙いは、自分の意見(テーゼ)と相手の意見(アンチテーゼ)がそれぞれ異なっていることをお互いに把握すること。大概の意見に対するそれぞれの認識にズレがあると第3の解(ジンテーゼ)の説得力が弱まってしまうからです。

まとめ

相手と意見が異なってしまっても、かたくなに言い続けることで相手の意見を覆すことが可能になります。ただし、いつまでたっても意見がまとまらずに平行線になってしまうなら、ヘーゲルの弁証法を用いて第3の解(ジンテーゼ)をつくりだすとよいでしょう。

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