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資本主義で格差社会が広がる?本当に目指すのは持続可能な経済システム

東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!
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資本主義は「お金持ちになって生きること=正しい人生の生きかた」のように思っている人が多いです。果たして本当にお金を稼ぐことだけが人生の正しい道なのでしょうか。

とはいえ、お金がないと生きていけないのも確かです。世界中の人たちは何を大切に生きていけば幸せになれるのか。

この記事では、未来に向けてどんな社会、経済を作ったほうがいいのか、経済の仕組みが超シンプルに理解できる「東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった! 」よりご紹介します。ぜひ最後まで読んで、お金以外に大切なモノが何かを考えてみましょう。

今の資本主義が100%のシステムじゃない

ここでは、失敗しながら、資本主義と社会主義を繰り返している社会についてみていきましょう。

決してどちらの国家システムが正解というわけではありません。

競争をさせて経済を発展させる「資本主義」

いま、世界のほとんどが資本主義のシステムです。18世紀のイギリスで起きた産業革命がきっかけに成立しました。

資本主義とは、自分でお金儲けをして稼いだ分だけ、自分のお金になり、国のルールに従い税金を払えば逮捕されないシステムのことです。
個人や団体の自由な競争が利益を追求していく。その延長線上に社会全体の利益が生まれるという考えのもとで成り立っています。

次のようなシステムにすることで住民同士が競い合い、自然と経済を発展させる狙いがあります。

  • 個人が自由に資産を(土地・資金・施設・設備)持てる
  • 資産を使って人を雇うことができる

しかし、働いても信用されなかったり、モノが売れなかったりすれば手元に資産を作れません。自由な競争の結末には、格差社会が生まれるリスクもあるということです。

なかには、法律の穴をくぐり抜け人をだましたり、弱者を利用したりしてお金儲けをするような人もでてきます。
自由な分、稼ぐ人はどんどん稼ぎ、稼げない人は貧乏から抜け出せなくなっていきます。

このように資本主義には、裏の部分もあるわけです。この裏の部分を作らないようにしようとする経済制度が社会主義にあたります。

社会主義は格差社会を生まず経済発展が遅れる

一方で、社会主義は個人で資産が持てず、すべての管理は国がおこなうシステム。誰もが平等であり、働いた成果や苦労に関係なく給料が同じです。

資本主義のように競争をさせることで、争いや貧富の差がでてしまうなら、国がすべて管理したほうがいいよね。と主張をしているのです。

とはいえ、社会主義のシステムは、資本主義のような格差社会は生まれないが、競争も自由も許されません。
みんなに役立つような技術の発明や稼ぐ方法を知っていても、誰も挑戦ができないのです

すると、国全体で何が起こるでしょうか。

いくら人より成果を出しても、見えないところでさぼっても給料が一緒なので、当然のようにだんだんやる気がなくなり、怠ける人も出てきます。

みんなでがんばれば経済がよくなるかもしれませんが、さぼる人がいれば経済の発展がしにくくなるという欠点があります。だんだんと、個人が自由に働けて、努力した成果でお金がもらえる資本主義の国に、技術面で大きな差をつけられてしまいました。

このように、人間はいろいろなパターンの「国のシステム」を試してきたのです。

しかし、これだけは言えます。
世界各国の国家システムは「いままでの中で、一番安定している完璧なシステム」ではないということです。

お金は「本当に大切なモノ」を見失わせる

ここでは、生きるために本当に大切なモノは何なのかについて解説します。

経済発展にはお金も大切

お金を稼ぐ、お金を生み出すことは生きていくためにも、経済発展においても大切なことです。経済が盛り上がれば、国民の生活もよくなります。
そのために、同僚と競い合いながら、仕事で成果を出して「出世したい」「昇格したい」という強い思いを持ちはじめます。

お金を生み出すことは、そもそも資本がないと生み出せない。みんなが何にお金を使うかを考えてみればわかると思いますが、自分にとって価値があるものにお金を使います。

  • この本は自分が知りたいことが書いてあるから買う価値がある
  • 周りからかわいいと思われるなら二重手術をする価値がある
  • 旅行は毎日のストレスを発散できるから価値がある

要するに、みんなにとっての価値を生みだせばお金を稼ぐことができますそれは同時に「価値を買うにはお金が必要=お金に価値がある」ということを意味します。

競争社会では、それぞれが価値を生み出そうと必死に働いています。生まれた時からお金という価値あるアイテムが側にあるせいで「お金は命よりも重い」とすら考えてしまう人もいます。

しかし、当たり前ですが、本当に大切なモノは他にたくさんあるのです。

みんなにとって大切なモノ

生きていくのに大切なお金ですが、数千年前まで、人はお金がない状態で暮らしていました。
極論をいうと「お金がなくても生きていける」のです。

お金は人が効率よく、自分を強くするための便利なアイテムとして作っただけのモノです。ただの便利な道具にすぎません。

借金があっても、それはただの数字です。本当にやばくなったら、自己破産という手続きで、0に書き換えればいいのです。

お金で悩み苦しみ、命を絶つ必要はありません。

命があればいくらでもやり直すチャンスがありますし、人生にはお金で買うことができないモノがたくさんあります。

あなたが80歳になった時、いくらお金があっても次に挙げるものは絶対に買えないものです。

  • 若いころに世界を旅した思い出
  • 長年続けてきた趣味の腕前
  • 腐れ縁の友達
  • 心から信頼できるパートナー
  • 親と行った温泉旅館の思い出
  • 子供が書いてくれた下手くそな似顔絵
  • あなたの大切な人

お金で買えない大切なモノはまだあります。

人生を振り返ったときに脳裏に浮かぶものは「山のようなお金の束でも」「貯金残高の数字」じゃなく、お金で買えないものばかりでしょう。
あなたにとって、大切な人物や景色が頭のなかをグルグルと駆けめぐるはずです。

一度きりの人生です。

お金も大事ですが、技術・経験・友人・心・愛・家族を大切にして生きてください。

まとめ

これまでの国家システムで、資本主義と社会主義のどちらかが正しいということはありません。国家システムが目指してきた形が違うというだけです。

今の国家システムは完璧ではないからこそ、格差社会が広がりつづけるようなことが起きてしまうのです。大富豪一族がずっと金持ちでいられるのは、格差是正制度が穴だらけで機能していないからです。

ただし、どんな国家システムにした方がいいのかは、誰にもわかりません。これからも人間が作っていく以上は、どこかで欠陥がでるでしょう。

そのたびに、適切な社会の仕組みを作り直していくしかありません。格差が広がりすぎない、持続可能な状態を達成できる仕組みを考える必要があります。

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東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった! ムギタロー(著)、井上智洋、望月慎(監修)

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