自分に似合うファッションがわからずモヤモヤしている方。イメージチェンジしたいけどなかなか変われない方。なりたい自分になるための近道は、ファッションの勉強の前に、まずは「マインド」を整えること! Instagramフォロワー4万人のマインド&ビジュアルプロデューサーが、どん底のメンタルから自分らしさを取り戻した実体験を語ります。
目次
誰でもなりたい自分になれる!
私が変われたんだから、絶対に変われる
私が今日お伝えしたいのは「誰でもなりたい自分になれる」ということ。ファッションセンスを磨いたりハウツーを教わったりする前に必要な「心」の部分を整えれば、誰でも輝くことができます。
なぜそう断言できるのかというと、私自身、マインドが整ったことで本当に変われたと実感しているから。「誰でも変われる」と言われても、そう思えない人は多いと思います。私も以前はそうでした。でも、小さなきっかけや勇気や決断でマインドが変わった瞬間、状況がどんどん好転していく感覚を味わってからは、「自分次第で絶対に変われる」「私が変われたんだから」と心から思うようになりました。だから、「変わりたい」と思っている人の背中を押したいという気持ちがいつも私の根底にあります。
前半では、私がどん底のメンタルだったところから、自分の軸で物事をチョイスして生きられるようになるまでに経験したことをお話ししたいと思います。
人生の舵取りは、自分でしないと酔ってしまう
私は、高校生の息子と中学生の娘がいる52歳。もともと建築の仕事をしていましたが、友人に誘われて始めたアパレル販売で、自分の接客で売上が顕著に伸びた経験をしてから、そこで得られる達成感に夢中に。それ以来、販売やインポーターなどファッションの仕事をずっとしていました。そんな中、14年の結婚生活の末に離婚し、子ども二人を育てながら母の介護。そのころの毎日は、想像をはるかに超えた大変さでした。
元夫はエネルギーがものすごく強い人で、自分と同じ方向を向いているときはいいのですが、それが私に向き始めてからは精神的に苦しくなりました。妻、母、ひとりの大人、ビジネスパーソンとしての私を否定され続ける、いわゆるモラハラ環境に7年間もいました。でも、元々離婚は選択肢になかったのと、子供たちにとって片親は絶対に良くないという思いがあったので、離婚しようとは思い至らず、どう乗り越えるかを考えてばかり。いま思えば、「自分がどうしたいか」ではなく「どうしたら不満に思われないか」「どれが正解か」をいつも気にして生きていたんだと思います。
ようやく自分の危機を自覚したのは、問い詰められるような会話や大声に動悸がしたり、激痩せし、髪がたくさん抜けて、顔の半分が触ると痛いなどの状態になってから。ある成功者が言っていた「船は自分で操舵すれば酔わない。人生の舵取りも同じで、自分で舵を取らないと酔ってしまう」という言葉が頭に残り、「私はこのまま自分らしく生きることなく、自分の価値を確かめることなく、人生を終えるんだ」と思えてとても苦しかったです。
そのとき子どもふたりはまだ小さく、家も建ててしまったあと。「私は稼げない人」とインプットされていたので、子どもたちを連れて家を出る勇気はなかなか出ませんでした。でも、いよいよメンタルが崖っぷちに立たされ、元夫の今後の望みを知ったとき、「これは離婚ってことなんだな」と思えた瞬間があり、そこで覚悟が決まり、とにかく行動に移しました。
小さな決断がマインドを変える
子どもたちを連れて実家に帰ったあと、離婚調停を進めると同時に、要介護4の母の自宅介護生活が始まりました。外へ仕事に行くこともできず、財産分与したお金と、定年まで勤めあげた母の年金を切り崩しながらの生活。最初のころは全部自分で抱え込んで疲弊していましたが、ケアマネージャーさんをはじめ、色々な人のサポートやサービスを利用することで、負担をなるべく減らしていきました。
Instagramでの活動を始めたのは、介護の合間をぬってできそうだと思ったから。もともとは息子のお弁当を毎日作るのにモチベーションを保つ手段として写真をアップしていたのですが、知人が個人コンサルの機会をくれたことをきっかけに、今後仕事になることを目指して大好きなファッションを発信し始めました。
最初は「誰かのために」と思って発信していたわけではないのですが、自分が好きなことを意思表示することで、認めてくれたり共感してくれたりする人が出てきます。ずっと自分の軸を見失ったまま生きてきた私は、そういう人たちとつながれることが大きな自信になっていくことを初めて知りました。2018年からInstagramを始めて、メンタルブロック解除セラピストやマヤ暦鑑定士の知識を交えながら「マインドもビジュアルもなりたい自分になる」お手伝いをするようになり、いまでは4.1万人のフォロワーさんがいます。Instagramは私にとって、「自信をつける」「チャンスを引き寄せる」「人と繋がる」大切なツールです。
とにかく家を出る、母の介護は人の手を借りる、Instagramを始める……。まずは小さな決断でいいのです。そのときは精一杯で気づきませんでしたが、小さな決断が私のマインドを徐々に変え、自信やチャンスをもたらしてくれたように思います。
ファッションセンスを磨くよりも大切なこと
ファッションは「自分の心」を表現する手段
「レイコさんは昔からセンスがよかったんですか?」とよく聞かれます。昔からファッションは好きでしたが、決してセンスがいいとは言えない、どこか垢抜けないファッションをしていました。
私にはとてもおしゃれな友だちがいて、高校卒業後にその子の幼なじみと私がお付き合いするようになったのですが、その彼が友だちに私のことを相談したらしいんです。「あいつにもお前みたいなファッションをしてほしいから、アドバイスをしてやってくれないか」と。それを友だちから聞いたときはショックだったし、そんなことをわざわざ私に言ってくる友だちにもカチンときましたが(笑)、その子は本当にカッコよくて憧れていたので、プライドは捨てファッションをとことん真似することにしました。同じコーディネートをしてパターンを学んだり、服や靴のブランドを聞いたり、彼女のお買い物について行ったり。
タレントのRIKACOさんも大好きだったので、RIKACOさんのファッションもたくさん真似しました。自分では選ばないようなちょっと派手な服も、「これRIKACOのチョイスだから!」と思って着ると自信が湧いてくるんです(笑)。そのうちに真似がだんだん自分のものになっていき、センスが磨かれていきました。自分が「こうなりたい」と思う人のファッションを真似する、という方法は、自信をつけるためにとっても簡単で効果的です。
お洋服は嗜好品。正解や不正解はなく、好きな服を好きなように着ていい。ファッションは「自分の心」を表現するひとつの手段であり、自分がどういう気持ちで着るかが大事なので、自分のことが好きで、好きな服を堂々と着ていれば、どんなファッションでも似合います。渡辺直美さんは、ボリュームのあるボディでハイブランドや派手なお洋服を着こなしていて、とてもカッコいいですよね。みんながそう思うのは、彼女の心の軸がしっかり存在しているからです。
本当に「変わろう」と思えてる?
似合うファッションをアドバイスさせてもらっても、「この色は着たことがない、私には似合わないから……」「いつもパンツだからスカートはちょっと……」と受け入れていただけないケースがあります。それは、「変わりたい」と言いつつも心の奥で「変わろう」と思えていない、「どんな自分になりたいのか決まっていない」ということ。
たとえば「痩せている=素敵」という思い込みがあったり、まわりに褒めてくれる人がいなかったりすると、「こんな私はなにを着てもダメ」という意識にとらわれるあまり、好きじゃないのにいつも同じような服を着て安心する……という状態に陥ってしまいます。骨格診断やカラー診断も大切だとは思いますが、真面目な人ほど診断結果を守ろうとして、ファッションを楽しむ幅を狭めているケースも多いです。
私が主催する撮影会では、参加者のみなさんにヘアメイク、似合うファッションをスタイリングし、フォトグラファーによる本格的な撮影でいつもと違う自分、既に変化した自分を先取りで味わってもらっています。撮影しているとみなさんの魅力がどんどん見えてきて、自然に「その横顔が素敵!」とか「かわいい!」とか褒め言葉が湧き出てくるのですが、そのうちにみなさんの表情がどんどん明るくなり、自信があふれ出てくるんです。わずか2時間で人がここまで変わることを毎回実感させられます。