うつ病とは気分障害のひとつです。「ずっと横になっていた記憶しかない」「眠れない、またはひたすら寝る」などの症状があり、日常生活に大きな支障が生じます。「うつ病かな?」と思ったらひとりで悩まず、病院やクリニック、精神福祉センターなど専門家に相談し、しっかり休養をとりましょう。
今回は、デラさん著書「うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと」から、うつ病回復までの3つの過程を紹介します。うつの底からちょっと抜けた人、うつ病予備軍で今なら逆戻り可能な人に読んでもらえると、うつ回復のヒントが得られるかと思います。うつ病を治したい方、現状から少しでも上を向きたい方は参考にしてみてください。
目次
うつ病回復までの3つの過程
うつ病になった多くのひとが、「うつ病って治るのかな?」と不安を抱きます。ゴールの見えない暗闇をずっと歩いているようで、とても不安ですよね。そんな不安を払拭するには、次の3つのうち自分が今どこにいるのかを認識することから始めましょう。
- レスト期間
- リハビリ期間
- 思考のトライ&エラー期間
自分が今どの期間にいるのか確認してから、治療やリハビリを開始しましょう。
1.レスト期間
レスト期間とは、体の疲労感がオーバーヒート寸前の状態を指します。
レスト期間では、とにかく休むことを最優先しましょう。休んだ分だけ体は確実に回復します。焦って無理をすると、うつ病が重症化したり再発するので、行動するタイミングではありません。次の項目に当てはまる人は、レスト期間の可能性があります。
- ずっと寝ていられる感覚
- 重力に勝てない
- 前日の行動による反動でダウン
- ネガティブな感情に襲われる
- 手足の震えなど目に見える症状がある
- 感情がなく意欲が湧かない
ドラクエで例えるとHPは赤色。車だとガソリンメーター残り1状態です。上記に当てはまる人は、まずはひたすら休みましょう。
2.リハビリ期間
リハビリ期間中は週3日くらいは元気な状態で、レスト期間で休ませた体を少しずつ現実世界に慣らしていく期間です。
リハビリ期間の特徴は、
- 外出をしたら翌日ダウンする
- 天気がいい日は調子が悪くない
- 食べたいものがパッと言える
- 遊ぶことに楽しさを感じられる
レスト期間中ずっと家で寝ている生活をしているので、体力は大幅に低下。急に外出をしたら、疲れてダウンするのは当たり前です。いきなり活動量を増やさず、慎重すぎるくらいで負荷を増やしていきましょう。
家で調子がいいなら、5分の散歩に挑戦してみてください。早朝でも深夜でも思い立ったタイミングで大丈夫。翌日ダウンしても調子が上がれば再チャレンジし、少しずつ時間と距離を増やしていきます。地道な作業ですが、働き続けるために必要な体力作りです。自分の許容量を把握して、再発する可能性を減らしましょう。
3.思考のトライ&エラー期間
トライ&エラー期間は「生きやすい考え方」について模索するタイミングです。マインドと思考を整えることが、うつ病を治すのにとても大切なことです。
- 外出してもダウンしない日が続く
- 感情がフラットで安定している
- 再発を防ぐための手段を模索している
- 本を読んで理解できる
- 感情や自分の言葉が理解できる
うつ病回復を目指すには、「生きやすい考え方」を自分にインストールしましょう。具体的には、「まずは自分が楽しく生きよう」「自分の欲求に正直になろう」と考えてみてください。うつ病を治すには、生き方レベルから変えるよう意識するのが大切です。
レスト期間、リハビリ期間、思考のトライ&エラー期間で、今自分はどこにいるのか見極めてみてください。体力をつけ、考え方を矯正する。焦る気持ちもあるでしょうし、時間もかかりますが3つの過程からなる「回復への地図」を手に少しずつ前に進んでいきましょう。
うつ病前の自分に戻るより、新しい自分を作りあげる
うつ病を治し再発を防ぐには、うつ病前の自分に戻ろうとしないことが大切です。重要なのは、「前の自分に戻る」ことではなく、「新しい自分を作りあげていくこと」です。
「治ったぞ、ここから再出発だ」とようやく前を向いても、「やっぱりダメだ……」と再びシャットダウンするのは、とてもつらいことでしょう。著者デラさんは、うつ病発症後「うつ病になる前の自分に戻りたい」と思い、回復後にいきなり週5日働くなどをして、うつ病を5回再発。作戦ミスだったと綴っています。
うつ病前ガッツリ働いていたひとは、前の自分に戻れない悔しさがあり、理想と現実のギャップに悩みます。しかし働きかたや、生活リズムを前の自分に戻す必要はありません。常識やプライド、責任感に縛られていては、再発に繋がり気持ちがポッキリ折れてしまいます。うつ病回復のカギは、余計なものに縛られず、すべてから解き放たれることです。
まとめ
この記事では、うつ病回復までの3つの過程と、回復への具体的ステップを紹介しました。「うつ病って治るの?」と不安なひとは、自分が今どんな状態なのか認識することから始めましょう。
「レスト期間」「リハビリ期間」「思考のトライ&エラー期間」の3つの過程で治療方法は異なります。自分が置かれている状態を見極めて、溜まった疲れを癒しましょう。うつ病回復への土台になります。
うつ当事者のデラさん著書「うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと」では、デラさんが実際にやってみてリアルに効果があったことが集められています。回復への具体的なステップ、体験談が紹介されているので、現状より少し上を向きたい、少しずつ社会復帰したいというひとは参考にしてみてください。