「都会から離れてのんびり過ごしたい」
「自然に囲まれた生活をしてみたい」
「人が少ない安全な地域で暮らしたい」
このように、田舎での生活に憧れを持つ人は多いのではないでしょうか。近年働き方が多様化し、田舎にいても今まで通り仕事ができるような人も増えてきました。移住先の支援も手厚く、思い切って移住してみたものの「思っていた田舎暮らしではなかった」「近所の人とうまく馴染めない」など想像していた田舎暮らしと違って、失敗したと感じるケースも多々あります。
今回は書籍『都会を出て田舎で0円生活はじめました』から、田舎暮らしが失敗したと感じる理由と、田舎暮らしに向いている人の特徴を紹介します。後先考えずに田舎へ移住して失敗しないために、移住前にやるべきことも解説しているので、田舎暮らしを考えている人や、少しでも興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
目次
田舎暮らしが人気の理由
田舎暮らしが人気の理由は主に4つ。
- ストレスが軽減される
- 土地が安く生活費が安く済む
- 自然が多く癒される
- 移住者への支援が手厚い
それぞれ見ていきましょう。
ストレスが軽減される
田舎暮らしは、満員電車や人ごみのストレスから解放されます。周囲の視線を気にして、ぎゅうぎゅうの満員電車に揺られながら仕事や学校に向かうのは、それだけで疲れてしまいます。田舎はほとんど人が歩いていないので、人目を気にする必要がありません。
ほかにも参加したくない会社の飲み会、マンションの騒音、出世争いなどさまざまなストレスが軽減されるはずです。都会での生活が苦痛に感じている方は、田舎に移住することでストレスから解放されるでしょう。
土地が安く生活費があまりかからない
田舎暮らしは、家賃と食費を抑えることができます。
都会に比べて土地代は安く、住宅購入のハードルも下がります。若くしてマイホームを持つこともできるでしょう。広い庭付きの平屋も夢ではありません。また、畑や田んぼを持ち野菜やお米を自給自足する人も多いです。近所付き合いがあれば、必要なものをもらったり、あげたりする機会も増えます。買い物の機会が減り食費を抑えることができるでしょう。
田舎での生活は家賃や食費など、生活費を抑えることができるのも魅力のひとつです。
自然が多く癒される
田舎暮らしは大自然と共に生活ができます。山々に囲まれて、海や川が近くにあり開放感あふれる場所でのんびりと過ごせるでしょう。
都会暮らしだと趣味の家庭菜園を小さなべランダでしたり、子どもの遊びはゲームやテレビばかり。田舎では畑を持ち自給自足の生活ができ、子どもは自然が遊び場になるでしょう。
自然とふれながら、のびのびできる生活が田舎暮らし。季節ごとに違う表情を見せる自然を楽しめるのも、田舎暮らしの魅力です。
移住者への支援が手厚い
国や地方自治体が行っている、移住支援制度も田舎暮らしが人気の理由です。いざ「移住がしたい!」と思ってもお金や仕事の心配があります。
移住支援制度は地方での生活や起業、就業を支援する制度。条件に当てはまれば、「移住支援金」や「起業支援金」を受け取れます。ほかにも、住宅関連の金利が一定期間引き下がる制度や、移住先の採用活動に関する経費を助成する制度があります。
手厚い支援を受けて憧れの田舎暮らしを始められるので、移住を考える人は多くなっています。
田舎暮らしが失敗したと感じる理由
憧れから始めた田舎暮らしですが、どのようなときに失敗したと感じるのでしょうか。田舎暮らしに失敗しないためにも、どんな理由で失敗したと感じるのか事前に把握しておきましょう。
- 思っていたより不便だった
- 地元の人にうまく馴染めない
- 仕事が少なく給料が減った
- 虫や野生の動物が苦手
それぞれ詳しくみていきましょう。
想像していたよりも不便だった
田舎暮らしはのんびりとした生活が送れる反面、利便性は損なわれます。基本マイカー生活で、電車やバスは1~2時間に1本程度。公共交通機関は都会に比べて乏しいのが現実です。
商業施設は少なく、仕事帰りにふらっとショッピングに行くことも難しいでしょう。スーパーやコンビニも車がないと難しいことも。車を持っていないと、生活範囲はかなり狭くなるでしょう。飲食店や娯楽も少ないので、思っていたよりも不便で失敗したと感じることがあります。
地元の人にうまく馴染めない
田舎暮らしに失敗したと感じる理由に、地元の人にうまく馴染めず友達作りに苦戦したという人もいるようです。
田舎では地域や人との結びつきが強いので、人付き合いが苦手な方はうまく馴染めず人間関係に悩んでしまうこともあるでしょう。その土地ならではの文化や風習を知らずに反感を買ってしまい、よくない噂が立ってしまうことも。田舎暮らしにおいて、地域の人々との交流は必要不可欠です。事前に赴き、地域の人と交流してみましょう。
田舎の人はおっとり優しい人たちだと思っていたけど、実際は違ったと感じることもあるようです。
仕事が少なく給料が減った
田舎は都会に比べて仕事が少なく、基本給も下がります。そもそも選べる仕事が少ないので、業種や職種を選択していたら、自分の希望する仕事が見つからないことも。田舎に移住して、仕事探しに苦労する人は多いようです。
給料面でも、都会で働いていた頃に比べると減ってしまう人が多いでしょう。金銭面でゆとりのある生活をしたいと思っていたのに、実際はぎりぎりの生活で失敗したと感じる人もいます。
虫や野生の動物が苦手
豊かな自然が魅力の田舎ですが、虫や野生の動物は都会に比べて多くなります。家の周りにカエルやヘビが出たり、野生のサル・シカ・イノシシなどが現れて畑を荒らすことも珍しくありません。
虫を自分で対処できない人は、田舎での暮らしは苦痛に感じるでしょう。
田舎暮らしが向いている人の3つの特徴
田舎暮らしに失敗しないためにも、向いている人の特徴を知っておきましょう。
- 人付き合いが得意な帆と
- 自然が好きな人
- 積極的に行動できる人
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.人付き合いが得意な人
人とコミュニケーションをとるのが好きで、地域でのイベントごとやご近所付き合いが好きな人は田舎暮らしに向いています。
田舎では、地域の人との交流は切っても切り離せない存在です。地域ならではの文化や風習を柔軟に受け入れて対応できる人は、田舎の人にうまく馴染むことができるでしょう。人との付き合いが苦痛に感じない方は田舎暮らしに向いています。
2.自然が好きな人
買い物や映画よりも、山登りや川遊びなどアウトドアが好きな人は田舎暮らしがおすすめです。とにかく自然が好きで、川の流れる音や虫の声を聞いて癒される人、空や海を見ると心が落ち着く人は田舎暮らしに向いているでしょう。
車の運転も苦にならず、多少の不便さも気にしない人は田舎での生活に適しています。
3.積極的に行動できる人
田舎へ移住する目的をしっかり決めて、積極的に行動できる人は田舎での生活もうまくやっていけるでしょう。田舎は仕事や人が少ないので、自分からアクションを起こして環境を変えることが大切です。
受け身の人は仕事を探したり、友達作りに苦労します。自分から積極的に行動できて、田舎ならではの楽しみ方を見つけたり、人間関係を自分から作れる人が田舎暮らしに向いているでしょう。
田舎暮らしに失敗しないためにやるべきこと4選
田舎暮らしに失敗しないためにも次の4つのポイントを押さえておきましょう。
- 移住する目的を明確にする
- お試し移住してみる
- 二段階移住を検討する
- 徹底的に情報を集める
田舎への移住に失敗しないためにも参考にしてみてください。
1.移住する目的に明確にする
田舎で生活を検討している方は、移住する目的を明確にしましょう。移住はあくまでも手段。「移住する目的は何か?」「田舎で生活をして実現したいことは?」を明確にしておくことで、辛いことがあったり、困難に直面したりしたとき乗り越えることができます。
田舎暮らしの目的を決めて家族で共有しておくことも大切です。家族で助け合うことで絆が深まり、田舎暮らしが素晴らしいものになるでしょう。
2.お試し移住してみる
田舎暮らしに限らず、地域のことは実際に体験しないと分からないこともあります。最近は移住のお試し体験、農業体験などを提供している自治体が増えてきています。
移住先の自治体に問い合わせて、お試し体験ができないか確認してみるのもいいでしょう。地域の人と実際に交流することで、自分が田舎暮らしに向いているか、向いていないかわかることもあります。田舎暮らしを検討している方は、まずはお試し移住がおすすめです。
3.二段階移住を検討する
二段階移住とは、いきなり都会から田舎に引っ越すのではなく、移住先の都道府県のなかでも比較的都会の地域で最初は生活をして、慣れてきたらいよいよ希望する地域に移住する手段です。二段階で移り住むことで、都会と田舎の暮らしのギャップを解消することが目的です。
二段階移住のメリットは、都市部に移り住んだ段階でその都道府県が合わないと思ったら移住先を変更できたり、地域の情報を集めることができます。都市部で友達を見つけることもできるので、いきなり田舎に引っ越すよりも人間関係は築きやすくなるでしょう。
4.徹底的に情報を集める
田舎暮らしを始めるには、事前の情報収集は欠かせません。
インターネットや自治体の話しで大半の情報は手に入りますが、気候や現地の雰囲気は実際に地域に足を運んで体感しておくのがおすすめです。引っ越してから「想像と違った……」とならないためにも、移住前は入念に情報収集を行いましょう。
まとめ
今回は田舎暮らしが失敗したと感じる理由と、失敗しないためにできることなどを紹介しました。都会の生活に疲れて、田舎暮らしに憧れている人は最近増えてきています。勢いで田舎暮らしを始めたはいいものの、思っていたのと違ったと感じるケースも多々。失敗しないために徹底的に情報収集をして、お試し移住をするなど、地域の人と触れ合い実際の生活を体験してみるのが大切です。
『都会を出て田舎で0円生活はじめました』では、青森県某所で自給自足で暮らす家族の生活が綴られています。0円生活といっても、節約やお金のことなど堅苦しさは一切ありません。生き生きと生活する家族の様子が描かれており、日常がはっと変わるような気づきと勇気が貰える1冊になっています。田舎暮らしに少しでも興味がある方、田舎暮らしを始める勇気が持てない方は、ぜひ参考にしてみてください。