人に頼みごとができなかったり、察してもらえなかったりして疲れてしまうことはありませんか?
対人関係をよくするには、自分の心と向き合い対処する習慣を身につけることが大切です。その方法をメンタルクリニック院長である須田賢太著書の『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』より紹介します。
目次
頼む・断る・伝えることがコミュニケーションの基本
いい対人関係を築くためのコツは、相手の希望を尊重しながら、自分の望みを主張することです。そのバランスを取れる人こそが、自分の希望をうまく聞いてもらいつつ相手との関係もキープできる、真の頼み上手と言えるでしょう。
人にものを頼んだり、断ったりすることが苦手な人は、「自分なんかが頼んではいけない」「断ったら嫌われてしまう」という思い込みのあることが多いです。
また、相手が親しい関係であればあるほど「察してちゃん」は顔を出します。でも、他人の心を読み取ることは誰にもできません。
相手にしてほしいことは、素直に伝えましょう。それが相手と長くいい関係を築くための秘訣です。
人に頼みごとができず抱え込んでしまうときには
ここでは、人に頼みごとができずモヤってしまうときの対処法をご紹介します。
- 応援メッセージを自分に贈る
- 店員さんに商品を探してもらう
応援メッセージを自分に贈る
頼みごとが苦手な人は、心のどこかで「自分なんかが人にお願いをしてはいけない」「こんなことをお願いしたら嫌われてしまう」と思い込んでいるケースがあります。そんなときには自分に応援メッセージを贈りましょう。
- 「人に頼みごとをするのは普通のこと」
- 「頼みごとをしてもしなくても、私はいい人」
- 「もし断られても、相手に嫌われているわけじゃない」
と自分に言ってあげましょう。自分を肯定するメッセージを、きちんと言葉にして自分自身に贈ることで、脳はその言葉を本当にそうだと思ってくれます。
店員さんに商品を探してもらう
頼み上手になるための練習方法としておすすめなのは、スーパーやドラッグストアで店員さんに商品を探してもらうことです。
忙しそうだから申し訳ないと思ってしまう気持ちをグッとこらえて、
「〇〇を探しているんですが、どこにありますか?」と聞いてみましょう。
店員さんはきっと快く教えてくれます。ときにはそっけない返答もあるかもしれませんが、商品がある場所まで連れていってくれたり、丁寧な笑顔を向けてくれたり、こちらの想像以上の対応をしてくれることもあるでしょう。
そういう「自分の頼みごとを聞いてもらった」という小さな成功体験を積んでいくことで、人に頼みごとをするときの心のハードルを少しずつ下げていくのです。
誘いを断れず自分の時間がとれないときは
人からの誘いを断れず、疲れもストレスもたまってしまうときの対処法を説明します。
- 応援メッセージで修正する
- 友だちの会話を遮る
自分への応援メッセージで修正する
「断ってはいけない」という思い込みがある場合は、自分への応援メッセージで修正していきましょう。
- 「人からの誘いやお願いは断ってもいい」
- 「もし断っても、相手は私を嫌いにならない」
- 「もし断っても、私が身勝手な人になるわけじゃない」
と自分に言ってあげます。
また、もし誘いを断ったことに対して文句を言ってきたり、まわりに陰口を言ったりするような友達だったら、その友人関係はあなたにとって本当に必要なのかどうか、考え直してもよさそうです。
友だちの会話を遮る
うまく断れるようになるための練習をしましょう。
カフェで友だちとおしゃべりしているとき、友だちの話をいったん遮って「飲みものおかわりする?」と聞いてみる。これだけでも断るトレーニングになります。
最初はちょっと勇気がいるかもしれませんが、相手もとくに気にせず、イヤな顔をしたり怒ったりすることもないと思います。
ほかには、友だちからおかわりをすすめられたら断る、店員さんにおすすめのメニューを聞いたうえで別のものを注文する、などもいい練習に。こうした経験を積み重ね、「断っても大丈夫」「断っても嫌われない」ということを身をもって体験していきましょう。
自分の気持ちをわかってもらえずモヤモヤするとき
どんなに仲のいい人でも、他人の心を読みとることはできません。
ここでは、自分の気持ちをわかってもらえずイヤな気持ちになるときの対処法を解説します。
- 「どうしてわかってくれないの?」
- 「私」を主語にして望みを伝える
「どうしてわかってくれないの?」
自分の気持ちを言葉にしなくても、あの人は察してくれるはず。そう考えて相手に過度の期待をしてしまうことがあります。いつからか「察してちゃん」という呼び名も一般的になりました。
恋人や親友、家族など、相手が近い関係であればあるほど「察してちゃん」は顔を出します。繰り返しますが、他人の心を読み取ることは不可能です。そのことを忘れて、察してくれることをつい期待してしまうと、相手が自分の望みどおりの言動をしてくれなかったときに「どうして私の気持ちをわかってくれないの」とモヤモヤするのです。
「私」を主語にして望みを伝える
「どうしてわかってくれないの」と思っている自分に気づいたら、 一度落ち着いて、自分に問いかけてみましょう。
- 「私は相手になにをしてほしいの?」
- 「それをきちんと言葉にして伝えた?」
言葉にして伝えていない、もしくは伝え方が不十分で相手が理解していないようなら、以下の3点を簡潔に伝えます。
- 自分の気持ち
- してほしいこと
- その理由
たとえば「仕事がうまくいかなくて落ち込んでいるから、5分間だけ電話してほしい。あなたに話を聞いてもらえたら元気が出ると思う」と言ってみてください。
すると「自分の気持ち」「してほしいこと」「その理由」が伝わり、相手は自分がなにをすればいいのかすぐに理解できます。
今どんな気持ちで、何を求めているのか、自分の感情にマインドフルになって感じ取りましょう。
まとめ
マインドフルネスは、対人関係のなかで自分の望みを叶えていく際にも役立つスキルです。
頼む・断る・伝えることがコミュニケーションの基本なので、うまく実践できるように、マインドフルネスを身に着けていってみてください。
『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』では、頼めなかったり、察してもらえなかったりしてモヤモヤするのではなく、自分の心をコントロールできるようになる30の行動リストを4コママンガとともにお届けしています。
よい対人関係を築いて、毎日をもっと楽しく過ごすためにも、ぜひ本書を手に取ってみてください。