心が弱い人は「努力が足りない」「甘えている」などと思われてしまいがちです。心が弱い人は努力をしない人なのでしょうか?
心の強さは人によってまったく違います。生まれ持ったものや、育ってきた環境・経験にも左右されるものであり、すべての人に該当する基準はありません。ですから、同じストレスに直面しても耐えられる人と耐えられない人がいるのは当然なのです。
この記事では、心が弱い人の特徴と、心の弱い人の努力について説明しています。心を強くする方法も紹介しているので、自分は心が弱いと感じている人はぜひ参考にしてください。周りに心が弱い人がいるという人も、関係性を良好に保つヒントが見つかるかもしれません。
目次
心が弱い人の特徴
心が弱い人にはどのような特徴があるのかを見ていきましょう。
- 自分に自信がない
- ネガティブな思考になっている
- 些細なことでも過剰に反応してしまう
- 感情のコントロールが苦手
- 変化に適応できない
それぞれ詳しく説明していきます。
自分に自信がない
心が弱い人は、自分に自信を持てないことが多いです。他人の評価を気にする傾向にあるため、少しの批判や否定的なコメントでも大きなダメージを受けてしまいます。些細なミスを指摘されただけで深く落ち込みます。
他人からの評価が低いと感じると、「自分には価値がない」と思い込んでしまい、メンタルが不安定になるのです。
自信のなさは、自己評価の低さからくることが多く、これが原因で新しいことに挑戦する勇気を持てません。失敗を恐れて行動を起こせず、結果的に自己成長の機会を逃してしまいます。
ネガティブな思考になっている
心が弱い人は、物事をネガティブにとらえがちです。何か問題があると、それを自分のせいだと考えたり、最悪の事態を想像してしまうことがあります。小さなミスをしただけでも「自分は無能だ」と思い込んでしまうのです。
これによりストレスや不安が膨らみ、心に大きなダメージを負ってしまいます。他の人にとってはたいしたことない出来事でも、心の弱い人にとっては大きな問題になっています。
些細なことでも過剰に反応してしまう
小さなトラブルや批判に対して敏感に反応し、必要以上に落ち込んでしまう傾向があります。友人からの軽い冗談でも真に受けて傷ついてしまうことも。他人からの評価で自分の価値が決まると思い込んでいることが多いからです。
小さなことでも大きなストレスにつながり、ストレスは溜まる一方です。心が休まる時間が少なくなってしまいます。
感情のコントロールが苦手
感情のコントロールが苦手な人が多く、悲しい出来事があるとなかなか気持ちを切り替えることができません。嫌な出来事をいつまでも引きずってしまいます。何度も思い返し、「自分はダメな人間だ」と思い込んでしまうのです。
仕事でひとつの失敗をすると、落ち込んだ気持ちが長引いて次の仕事にも影響してしまいます。解決するための対応を考えたりなど、前向きな考えをする必要があると分かってはいても、嫌な感情が離れないのです。
変化に適応できない
心が弱い人は、変化に対して対応するのが難しいと感じるところがあります。新しい環境や状況に直面すると、不安や恐怖を感じ、変化を避けようとする傾向があります。慣れていない状況では失敗する可能性を感じてしまうからです。
新しいプロジェクトに参加するなどして状況が変わると、不安が強くなり、ストレスが増大します。これにより、心身ともに大きなダメージを受けてしまうのです。心が弱い人にとって、挑戦は「失敗したらどうしよう」という不安と恐怖の入り口なのです。
心が弱い人は努力をしない人?
心が弱い人は他の人からみると努力をしていないように見えるかもしれません。しかし、実際にはそうとは言い切れません。その理由を見ていきましょう。
努力しているけれど見えないだけ
心が弱い人も努力はしています。限界ギリギリまで努力をし、限界を超えたところで力尽きてしまうのです。その限界値が心が強い人に比べると低いので、周りから見ると努力をしていないように見えてしまうのです。
心が弱い人は、限界を超える前に対処することが苦手です。自分を認め、キャパシティを受け入れることが大切。適切な対処ができたとき、再び努力ができるようになります。
努力するためのエネルギーがない
心が弱い人は、些細なことでも大きなダメージを受けてしまいます。つねに大きなストレスを感じている状態なので、努力をするエネルギーが枯渇しているのです。心のエネエルギー不足になってしまうと、やる気や意欲が低下してしまいます。
心の弱い人が努力をしない人に見えるのはエネルギー不足であることが考えられます。休養をしたり、ストレスを軽減したりする必要があるのです。
心を守るための手段
心が弱い人はストレスを溜め込みがちです。しかし、それを見せないようにしようと必死に努力している人が少なくありません。いつの間にか限界に達してしまい、これ以上は無理だと感じたときに努力から離れるのです。
そのまま努力をし続けてしまうと、心が壊れてしまいます。努力するのをやめることも、心が弱い人にとっては心を守るための「努力」なのかもしれません。
心が弱い人のための心を強くする方法5選
ここからは、心が弱い人が心を強くするための方法を5つ紹介します。
- 自己肯定感を高める
- ポジティブな考え方を身につける
- 効果的にストレス発散する方法を知っておく
- 健康的な生活習慣を取り入れる
- 小さな目標を立てて成功体験を積み重ねる
詳しく見ていきましょう。
1.自己肯定感を高める
自己肯定感とは、自分自身を肯定し、受け入れることです。心が弱いと感じる人は、自己否定的な思考に陥りがち。これは自己肯定感を高めることで克服できるはずです。自分の不安や自信のなさをノートに書き出すことで、客観的に自分を見つめられるようになります。
また、自分を許すことも大切です。「〜すべき」ではなく、「〜してもいい」という言葉を使って、自分を解放してあげるようにしましょう。自己肯定感が高まると心の強さが増し、困難に直面しても前向きに対処できるようになります。
2.ポジティブな考え方を身につける
ポジティブな考え方を意識することで、心の安定を図ることができます。心が弱いと感じる人は、ネガティブな思考になってしまっていることが多いので、今からポジティブになりましょうと言われても難しいかもしれません。
無理にポジティブになろうとするのではなく、まずは日常の中で感謝できることを見つける習慣をつけてみましょう。今の状況や周りの人に感謝することで、幸せを感じられるようになり、ポジティブ思考に近づいていきます。
3.効果的にストレスを発散する方法を知っておく
ストレスは心の弱さを引き起こす大きな要因となるため、自分に合ったストレス発散方法を見つけておきましょう。
好きなスポーツを楽しんだり、趣味に没頭する時間を持つのも効果的。カラオケなどで大きな声を出したり、自然の中で過ごすことでもストレスの発散につながります。しっかりと睡眠を取ったり、ゆっくりお風呂に入ったり、散歩に出かけたりなど、毎日の生活の中で取り入れやすいものを習慣にするのもおすすめです。
無理なく楽しめる自分なりのストレス発散方法を知っておけば、少しストレスにやられているなと感じたときにすぐ対処できるので、ストレスを抱えすぎて限界になってしまうことを防げます。
4.健康的な生活習慣を取り入れる
心を強くするためには、健康的な生活習慣を取り入れることも大切です。 心と体は密接に関係しており、健康的な生活習慣は心の強さを支える基盤となるからです。
健康的な生活習慣のために意識したいのが、質の良い睡眠・適度な運動・バランスの取れた食事です。睡眠は毎日7〜8時間眠るのが理想です。リラックスをして質の良い睡眠を心がけましょう。
食事は栄養バランスを意識し、朝食もきちんと食べるようにします。運動は週に5回、30分程度のストレッチやウォーキングが良いとされています。週に2回程度の筋力トレーニングも加えるとなお良いです。健康的な生活習慣を維持できれば、心が安定し、ストレスの軽減につながるでしょう。
5.小さな目標を立てて成功体験を積み重ねる
小さな目標を立てて毎日行動に移すことも効果的です。小さな目標は達成しやすく、成功体験を積み重ねることができます。たとえば、毎日10分の読書をする・毎日日記を書く・毎朝自分から挨拶をするなど。小さくても意味のある目標がおすすめです。
定期的に振り返り、達成できていたら自分を褒めてあげましょう。自分で決めたことを守れていると認めることが自信につながり、自己肯定感もあげてくれます。
小さくても成功体験を積み重ねることは達成感や満足感を得られます。そして、自分にもできるという気持ちが湧いてきます。困難にも対処できる力が身についていくのです。これがポジティブな思考へとつながり、心を強くする助けとなります。
心が弱い人は心を楽にする方法を知っておこう
心が弱い人は努力をしていないわけではありません。しかし、多くのストレスを抱え込んでしまうこと、そもそもストレスを受け止められる限界値が低い傾向があります。このため、心が強いと言われる人にとっては限界値の半分くらいあっても、心が弱いと感じる人にとっては容量オーバーだったりすることもあるのです。
心が弱いのも個性です。とはいえ社会生活をしていく中では、弱さが自分を苦しめることもあります。そんなときは、考え方を変えてみると気持ちが楽になるかもしれません。
Jam氏の著書『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』では、嫌な気持ちを引きずらないための考え方のコツが漫画とともにわかりやすく紹介されています。心が弱いと感じる人にとっては、共感できることも多いはず。ぜひ本書を手に取って、楽になる考え方を取り入れてみてください。