自分に価値が感じられなかったり、悩みごとを相談できなくて落ち込むことはありませんか?
自分のことを好きでいられる人間関係を築くためには、自分の心と向き合いコントロールする習慣を身につけることが大切です。その方法をメンタルクリニック院長である須田賢太著書の『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』より紹介します。
目次
自分を卑下してしまうときには
必要以上に自分を低くしてしまうときの心のもちかたや対処法を以下に説明します。
- あなたは価値のある存在
- 小さな成功体験を書き出す
- 応援メッセージで自尊心を高める
あなたは価値のある存在
人はみんな同じだけ尊く、価値のある存在。社会的地位や外見、性格にかかわらず、誰もが本来の人としての価値をもっています。そして豊かな人生を生きるためには、自分を価値がある存在だと感じる「自尊心」が必要です。
とはいえ、誰かに褒められたとき素直に受け入れられなかったり、優秀な人と比べられるのが怖くて、自分からピエロを演じてしまうことはありませんか?
自分を必要以上に卑下し続けると、自尊心が低くなっていきます。そんなときは、短所を受け入れ、必要以上に卑下せず、失敗しても自分を許しながら、長所にもきちんと目を向けて大切にしていきましょう。
褒められたことを受け入れるのは、傲慢ではありません。また、捉えかたや状況によっても短所は長所になります。短所だと思っていたところを褒められたら、それは実は短所ではないのかも。
わざと自分を下げる必要はありません。まわりの人たちはあなたの価値を知っています。
小さな成功体験を書き出す
どうしても自分に価値を感じられない人は、自尊心を高めるワークをしましょう。
おすすめは、これまでの小さな成功体験について以下のポイントを書き出すこと。
- どんな目標
- どんな壁
- どう乗り越えてきたか
たとえば、海外旅行が好きで、現地の人と英語で話したいと思っている場合。
- 英会話のレッスンを受けてみて、全然話せなかったけどとても楽しかった。
- 次はもう少し話せるように、たまに英会話のYouTubeを観ている。
- 海外の人に道を尋ねられたとき、YouTubeで知った英語を使ってなんとか説明できた。
小さな成功体験から、好きなことや目標を再認識できます。そこに向けて少しずつがんばっていること、ときには失敗しながらも前に進んでいることがわかります。
目標を達成できたときの自分を想像してみることも大切です。自信に満ち、生き生きしている未来の自分。今の自分は、そんな理想の自分に近づいている途中、そう思えたら応援してあげたい気持ちになりませんか。
小さな成功を繰り返して、少しずつ前に進んでいる自分を褒めてあげましょう。
応援メッセージで自尊心を高める
もし「卑下する自分」がしつこく現れるようなら、応援メッセージを自分に贈って自尊心を高めます。
自分がつい思い浮かべてしまう卑下ワードの傾向を知り、それに対応する応援メッセージを用意しておくといいでしょう。
以下は、応援メッセージの例です。しっくりくる言葉を選ぶ、もしくは自分でアレンジして、卑下してしまったときのお守りにしてください。
- 「私にはいいところがたくさんある」
- 「短所は私のほんの一部分。全部じゃない」
- 「たしかに私は時々〇〇だから、もっと〇〇になればいい」
- 「あのとき失敗したからこそ、私は成長できた」
あなたは価値のある存在です。自分の価値観を大切にし、自分が優秀だと思えるような行動をとって、自尊心を高めましょう。
人に悩みを相談できないときの3ステップ
悩みごとがあっても相談できないときの対処法を3ステップで解説します。
- 相談できない理由とその反論を考える
- 想像上のヘルプチームをつくる
- 身近な人に悩みを相談していいか尋ねる
1. 相談できない理由とその反論を考える
まずは、相談できない理由とその反論を書き出します。何度も読み返すことで、思考が少しずつ変わっていきます。
「誰にも悩みを相談できない……」と考えるようになった背景には、過去の体験や思い込みなど、何かしらの要因があるのかもしれません。
相談できない理由を考えたら、今度はその理由に自分で反論してみます。家族や親友など大切な人が同じ理由で悩みを打ち明けられないでいた場合、あなたはどう声をかけるかも想像してください。
悩みを相談できない「理由」と「反論」の例
- 悩んでいることを知られるのが恥ずかしい→悩みのない人なんていない!
- 相手の重荷になりたくない→重荷になるかどうかは相手が決めること!
- これまで誰も助けてくれなかった→いつもまわりに助けられて生きている!
すぐにはそう思えなくても、まずは書き出して読み返すことで、考えかたが少しずつ変わっていきます。
2. 想像上のヘルプチームをつくる
いきなり実際の人に相談するのはハードルが高いので、次は「想像上のヘルプチーム」をつくりましょう。
あなたが悩んだときや困ったときに助けてくれる最強の味方を、想像の中で自由に選びます。
実在する身近な人はもちろん、憧れの人や芸能人、アニメのキャラクター、歴史上の人物などもOK。話しやすそうな人や解決力がありそうな人をどんどんチームに入れましょう。
つらいとき、彼らがいつでも助けにきてくれる。そう思えるだけで、心強い気持ちになります。
そして、想像の中で悩みを相談してみてください。あなたのヘルプチームですから、「助けを求めるなんて情けない」とか「そんなことで悩んでるんだ」と言ってくる人はいません。みんな親身になって相談に乗ってくれます。
こうしてリアルに想像してみると、実際に相談する際の心のハードルが少しずつ下がっていくのではないでしょうか。
3. 身近な人に悩みを相談していいか尋ねる
最後のステップは、ヘルプチームの中に身近な人がいるなら、その人に連絡をして悩みを相談してもいいかたずねてみましょう。
その際のポイントを以下に記します。
- 期限を決める
- 相手にしてほしいことを明確に伝える
ひとつは「1週間以内」などと、期限を決めることで、行動に移しやすくなります。
2つめは、相手にしてほしいことを明確に伝えます。
- 「一緒にごはんを食べて、話を聞いてくれるだけでいい」
- 「もし同じ経験をしていたら、そのときのことを教えてほしい」
- 「あなただったらどうするか意見を聞きたい」
など、どうしてほしいのかまでしっかり伝えると、相手もより相談に応じやすくなります。
とくに大切なのは、ただ話を聞いて共感してほしいのか、解決のための意見がほしいのか、どちらなのかはっきりさせることです。ここの認識がずれていると、お互いに食い違い、「思いきって相談したのに……」「せっかく相談に乗ったのに……」ということになりかねません。
どこまで相談に乗ってほしいか、明確に伝えてから悩みを打ちあけましょう。
まとめ
自分を必要以上に卑下し続けると、自尊心が低くなってしまいます。自分の価値を低く考えずに、長所にもきちんと目を向けて大切にしていきましょう。
もし「自分を下げてしまうくせが治らない」というのであれば、応援メッセージを自分に贈ったり、小さな成功体験を書き出したりするワークを行って、トレーニングしてみてください。
少しずつでも改善できるように、練習を重ねていきましょう。
『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』では、自分を卑下したり、悩みを打ちあけられずに苦しむのではなく、いい人間関係が作れるよう自分の心をコントロールする30の行動リストを4コママンガとともにお伝えしています。
自分を受けいれて、楽しく過ごしましょう。