新刊のコラム

頭の回転が速い人ほど、「ぼーっとする」時間をつくる理由

樺沢紫苑
#新刊のコラム

ニュースサイトやSNSはくまなくチェック。情報収集に余念がないのに、なかなか成果が出ない……そんな方は一度、スマホを手放す時間をつくってみませんか。「ぼーっとする」時間の効果について、シリーズ累計90万部の『アウトプット大全』の超実践的コミック『もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら』著者の精神科医・樺沢紫苑が解説します。

「ぼんやり」が脳の働きを活性化

スキマ時間はとにかくスマホをチェック。メールチェックを終えると、経済や政治の動向を追い、トレンドをキャッチするためにSNSもくまなく巡回。これこそデキるビジネスパーソンの常識! と思ってがんばってきたのに、なんだか疲れるばっかりで、期待したほどの成果も得られていない……そんな人はいませんか?

もし、あなたが「仕事がデキるなぁ」「頭の回転が速いなぁ」と憧れている先輩がいるなら、その人をベンチマークしてみてください。その人は、あなたのように1日中スマホを眺めているでしょうか。よく観察してみると、昼休みに公園や窓際の席でぼんやりしたり、移動中に車窓の景色をぼーっと眺めていたりしませんか。

実は、ぼーっとする状態は、脳にとって必要な時間なのです。弛緩した時間の中で、普段は考えもしないことが浮かんだり、意外な気付きを得たりすることはよくあって、脳科学的にも解明されています。

「デフォルト・モード・ネットワーク」が稼働

特になんの作業もしていない「ぼーっとした状態」のとき、脳内では「デフォルト・モード・ネットワーク」(DMN)が活発に稼働します。DMNは、いうなれば「脳のスタンバイ状態」。このスタンバイ状態において、脳はこれからの自分の身に起こりうることをシミュレーションしたり、自分の過去の経験や記憶を整理・統合したりしています。今の自分が置かれている状況を分析し、イメージや記憶を想起しながら、脳内で準備を整えているのです。

1日中、暇なく脳に情報をインプットし続けていくと、脳は疲労します。スマホを手放し、時々ぼーっとする時間をつくることによって、脳は休まり、DMNは活発化するのです。

何気ない雑談からアイデアが生まれる

また、同僚や友人とのぼーっとした雑談を通して、ハッとするようなひらめきを得ることもあります。机に向かって集中して何時間考えても気づかなかったことが、ぼーっとしたあとに突然気付く。これも、脳の仕組みによるものです。

テレワーク中心の人だと、以前は仕事の合間に気軽にできていた雑談が、なかなかできない状況になってしまったことでしょう。ひとりで思いつめてしまい、思うようにアイデアが湧かない、煮詰まってしまうというのは、コロナ禍の今ならではの悩みかもしれません。

そんな人こそ、意識的にぼーっとする時間をつくりましょう。仕事の合間はスマホを見るのではなく、目を閉じる、遠くを見る、散歩する。はじめこそ、時間を無駄にしているように感じたり、何かチェック漏れしている情報があるのではないかと焦ったりするかもしれません。でも、続けているうちに、ぼーっとする時間こそ、脳に欠かせない大切な時間だということに気付くはずです。

DMNの活性化がアウトプット効果につながる

ぼーっとすることでDMNが活性化すると、「考えがまとまる」「解決法に気付く」といった、さまざまなアウトプットにつながります。こうしたアウトプットの重要性と、その具体的な方法を紹介したのが、『学びを結果に変えるアウトプット大全』(2018)です。そして、『もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら』は、同書を完全オリジナルストーリーで漫画化。普段ビジネス書を読まない人でも、短時間でわかりやすくそのエッセンスを吸収できます。

スマホから得られるインプットの情報は、自分の中にいくら蓄積しても人生を変えてくれることはありません。現状を変えたいのなら、「話す」「書く」「行動する」といったアウトプットが必要です。意識的にぼーっとした時間をつくって脳を活性化させ、アウトプットをどんどんしていきましょう。

 

この記事は、”もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら” 樺沢紫苑(著)・齋藤邦雄(漫画) の新刊コラムです。


もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら 樺沢紫苑(著)・齋藤邦雄(漫画)

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