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精神科医が教える、「伝え方が9割」が本当なわけ

樺沢紫苑
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あなたの話が相手に「伝わらない」のは、もしかすると、あなたの見た目や態度に原因があるかもしれません。相手に確実に伝えるためには、一体どうしたらいいのでしょう? シリーズ累計90万部の『アウトプット大全』の超実践的コミック『もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら』著者の精神科医・樺沢紫苑が解説します。

「非言語コミュニーション」を意識

「伝える」とは、コミュニケーションそのものです。『伝え方が9割』という本がミリオンセラーになりましたが、それだけ「伝える」ということに興味を持っている方が多いということなのでしょう。あるいは「思っていることを上手に伝えられない」「何を話せばいいかわからない」という苦手意識を抱えている人もいるでしょう。

コミュニケーションは、「言語的コミュニケーション」「非言語的コミュニケーション」の2つに分類されます。「言語的コミュニケーション」とは、原稿に書かれた文章などのように、言葉の意味内容、言語的情報です。「非言語的コミュニケーション」とは、外見、表情、視線、姿勢、動作、ゼスチャー、服装、身だしなみなどの視覚的情報。そして、声の調子、声の強弱、声質などの聴覚的情報です。

つまり、「何を話すか」が言語的コミュニケーション。「どう話すか」が非言語的コミュニケーションです。そして、コミュニケーションを上達させたいなら、圧倒的に「非言語的コミュニケーション」を意識するべきだといえます。

姿勢、笑顔、アイコンタクトで好印象に

たとえば、結婚式のスピーチ。多くの人は「何を話そうか」と必死に悩みますが、どんなに素晴らしい内容のスピーチであっても、ガチガチに緊張してしまってはまったく伝わりません。少しラフな内容であっても、朗らかに、堂々と話したほうが、新郎新婦を想う気持ちがストレートに伝わります。

非言語コミュニケーションのなかでも、特に重要なのが、
(1)姿勢
(2)笑顔
(3)アイコンタクト
の3つ。背筋を伸ばして、胸を張り、笑顔で、相手の目を見て話すこと。これを意識するだけで、相手の反応が変わります。コミュニケーションを重ねていくなかで、「自分は信頼されている」という実感を得ることができるでしょう。

アウトプットの実践が変化をもたらす

「話す」「書く」「行動する」というアウトプットの重要性と、その具体的な方法をまとめたのが『学びを結果に変えるアウトプット大全』(2018)です。「伝える」も、重要なアウトプットのひとつ。見た目や手振りを含め、外見の印象は「何を言ったか」と同じくらい大切です。話す内容だけでなく、「伝え方」こそが、本当に伝わるかどうかを左右します。

そして、先ほども述べた通り、実際に「伝える」アウトプットを続けていくと、相手の反応が変わります。こうした効果が出始めると、アウトプットがますます楽しくなる。同書で紹介されているアウトプットをどんどん実践していくことで、さらにいい循環がめぐり始めます。

普段ビジネス書を読まない人や、時間がない人には、同書を完全オリジナルストーリーで漫画化した『もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら』がおすすめ。主人公の外山健(とやまたける)がある人物から「伝え方」の重要性を学ぶと、周りとの関係性がよくなり、進行中のプロジェクトがどんどん加速していきます。アウトプットの実践による劇的な変化は要注目です。

見た目や態度は、口ほどにものを言います。「伝わらない」と感じるときは、話す内容そのものについて考察するのも重要ですが、まずは自分の「伝え方」を見直しましょう。それだけで、相手の受け取り方が変わり、うまく伝わるようになるはずです。

 

この記事は、”もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら” 樺沢紫苑(著)・齋藤邦雄(漫画) の新刊コラムです。


もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら 樺沢紫苑(著)・齋藤邦雄(漫画)

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