感情の起伏が激しいと、日常生活にまで支障をきたすことがあります。感情の浮き沈みが大きいことで、人間関係がうまくいかなかったり、仕事や勉強に集中できなかったりする場合があるからです。これは生まれつきの性格だから仕方ないと諦めている人がいるかもしれませんが、生まれ持った性格だったとしてもある程度はコントロールできます。
この記事では、感情の起伏が激しくなってしまう原因と、その対処法を紹介していきます。また、そのような人とうまく付き合っていくための方法も。自分や相手の感情と向き合い、うまく付き合っていくことで、心の安定を保つことができるでしょう。
目次
「感情の起伏が激しい」とは喜怒哀楽の変化が大きいこと
「感情の起伏が激しい」とは、喜怒哀楽の感情の変化が大きいことを指します。感情の起伏とは、感情の波のことで、喜びや怒り、悲しみ、楽しみなどの感情が短期間で大きく変動すること。感情の起伏が激しい人は、ちょっとしたきっかけで感情が大きく揺れ動き、喜怒哀楽の表情の変化も大きくなります。
一方、感情の起伏が穏やかな人は、感情の変化が緩やかで、感情のコントロールがしやすいと言えるでしょう。感情の起伏の激しさには個人差がありますが、あまりに激しいと日常生活に支障をきたす場合があります。
感情の起伏が激しくなるのはなぜ?考えられる原因
感情の起伏が激しくなる原因はさまざまですが、主なものとしては以下の4つが考えられます。
- ストレスによるもの
- 慢性的な疲れや睡眠不足
- 生まれつきの性格が関係している
- つらい経験が原因になっている
それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
ストレスによるもの
ストレスは、感情の起伏が激しくなる大きな原因の1つ。仕事や人間関係、経済的な問題など、日常生活の中でストレスを感じる場面は数多くあります。ストレスを感じると、心身ともに緊張状態になり、感情のコントロールが難しくなるのです。
また、ストレスが慢性化すると、些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなったりと、感情の起伏が激しくなる傾向があります。感情をさらけ出すことでストレスを解消するのは避けたいところ。自分なりのストレス解消法を見つけて、上手にストレスと付き合うことが大切です。
慢性的な疲れや睡眠不足である
慢性的な疲れや睡眠不足も、感情の起伏が激しくなる原因となります。十分な睡眠をとれていないと、身体だけでなく精神的にも疲れが蓄積していくことに。すると、イライラしやすくなったり、ちょっとしたことで涙が出たりと、感情のコントロールが難しくなります。
また、睡眠不足は判断力や集中力の低下にもつながるため、感情的になりやすい状態が続くことになります。規則正しい生活リズムを心がけ、質の良い睡眠をとることが感情の安定につながるのです。疲れているなと感じたら、休息を取ることを優先してみましょう。
生まれつきの性格が関係している
感情表現が豊かで、感受性が強い人は、感情の起伏が激しくなりやすいと言われています。外部からの刺激に対して敏感に反応してしまうため、感情が表に出やすいのです。
完璧主義な性格の人も、物事がうまくいかないとストレスを感じやすく、感情の起伏が大きくなる傾向があります。
自分の性格を理解し、感情の特徴を把握することが、感情コントロールの第一歩となります。性格を変えることは難しいですが、生まれつきの性格特性として受け入れ、自分なりの感情との付き合い方を見つけることが大切です。
つらい経験が原因になっている
心に大きな傷を残す出来事を経験している人は、その経験が感情の起伏が激しくなる原因となることがあります。とくに、トラウマとなるような経験は、心に深い傷を残し、その後の感情に大きく影響を与えていることも。つらい経験は、心の奥底に潜んでいることが多く、自分でも気づかないうちに感情に影響を与えてしまうのです。
過去の経験と向き合い、心の傷を癒やすことが、感情の安定につながります。必要に応じて、カウンセリングや心理療法など、専門家の助言を求めることも大切です。
感情の起伏が激しい人との上手な付き合い方
周りに感情の起伏が激しい人がいると、対応に困ることがあります。ここでは、そのような人とうまく付き合っていく方法を見ていきましょう。相手の感情を尊重しつつ、自分の精神的健康を守ることが大切です。
話し合いが必要なときは落ち着くのを待つ
相手の感情が高ぶっている状態では、冷静な判断が難しくなります。興奮している相手に論理的に説明しようとしても、感情的な反応が返ってくるだけで、建設的な話し合いにはなりません。
相手の感情が落ち着くのを待ち、冷静に話ができる状態になってから話し合うようにしましょう。そうすることで、お互いの意見を尊重しながら、問題解決に向けた話し合いができるはずです。
相手の感情にかかわらず客観的に接するようにする
感情の起伏が激しい人と接するときは、相手の感情に巻き込まれないよう、客観的な態度を心がけましょう。感情的になっている相手に同調して、一緒に感情的になってしまっては状況が悪化するだけ。相手の感情に振り回されず、冷静に対応することが求められます。
相手の感情にかかわらず客観的な立場から状況を見つめ、適切な言動を心がけましょう。相手の感情を否定せず、理解しようとする姿勢を見せることも大切。感情的な相手に冷静に接することで、相手の感情も次第に落ち着いていくはずです。
適切な距離を保つようにする
感情の起伏が激しい人と上手に付き合うためには、適切な距離感を見極めることが重要です。この「距離」とは、単に物理的な空間だけを指すのではなく、心理的な距離感も含まれます。具体的には、相手の感情の波に自分が飲み込まれないように、冷静さを保ちながらも、相手を尊重し理解を示すことが求められます。
相手が怒りや悲しみなどの強い感情を見せたとき、すぐに解決策を提案するのではなく、まずはその感情を認め、共感を示すことが大切です。しかし、相手の感情に完全に同調してしまうと、自分自身も感情的になりがち。そのため、心理的な距離を保ちつつ、適切なサポートをすることが重要になります。
感情の起伏を小さくする5つの方法
ここからは、自分の感情の起伏を小さくするための5つの方法を説明していきます。
1.自分の感情をよく知り、理解を深める
自分がどのような感情を抱きやすいのか、どのようなときに感情が揺れ動くのかを理解することで、感情の変化に振り回されにくくなります。感情日記をつけるなどして、自分の感情パターンを観察してみましょう。
どうしても感情的になってしまう要因がわかれば、そこから距離を置くことで平穏を保てます。深呼吸などで気持ちを落ち着かせることも効果的でしょう。
自分の感情を正確に理解することは、感情の起伏をコントロールし、よりバランスの取れた心の状態を維持する上で非常に重要です。自分自身の感情を深く知り、受け入れることで、感情のコントロールがしやすくなるでしょう。
2.ストレスを溜め込まないようにする
ストレスは感情の起伏を大きくする大きな要因です。ストレスを溜め込まないようにすることが、感情の安定につながるでしょう。
ストレス解消法は人それぞれですが、運動や趣味などで気分転換を図ったり、リラックスする時間を設けたりすることが効果的。また、ストレスの原因を特定し、解決策を考えることも大切になります。
ストレスと上手に付き合い溜め込まないことで、感情の起伏を小さくすることができるでしょう。
3.生活リズムを整え、しっかりと睡眠をとる
規則正しい生活リズムと十分な睡眠は、感情の安定に欠かせません。不規則な生活や睡眠不足は、身体的にも精神的にも疲れを蓄積させ、感情の起伏を大きくする原因となります。できるだけ規則正しい生活リズムを心がけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。
しっかりと睡眠をとることで疲れが取れ、ストレスも減少すると言われています。質の良い睡眠をとるためには、寝る前のリラックスタイムを設けたり、毎日同じ時間に寝起きしたり、睡眠環境を整えたりすることも効果的です。
4.感情を言葉や文字で表現してみる
感情を言葉や文字で表現することは、感情の整理につながります。感情を言語化することで、自分の感情を客観的に見つめることができるからです。日記やブログなどに感情を書き出してみたり、信頼できる人に感情を話したりすることで、感情を整理できるでしょう。
また、言葉にすることで、感情に振り回されることなく、冷静に感情と向き合うことができます。感情表現の習慣化は、感情の起伏を小さくすることにつながるでしょう。
5.リラックスできる時間をつくる
感情の起伏を小さくするためには、リラックスできる時間をつくることも大切です。ストレスや緊張から解放される時間を意識的に作ることで、感情の安定を図ることができます。自分なりのリラックス方法を見つけ、毎日の生活に取り入れましょう。
瞑想やヨガ、深呼吸などのリラクゼーションテクニックを実践したり、好きな音楽を聴いたり、自然の中で過ごしたりするなど、自分に合った方法でリラックスすることで、心の平静を保ち、感情の起伏を抑えることができます。
自分の感情とうまく付き合えるようにしていこう
感情の起伏は誰にでもあるもの。大切なのは、感情と上手に付き合っていくことです。自分の感情を知り、ストレスを溜め込まないように心がけていきましょう。
感情と向き合い、感情をコントロールする力を身につけることで、感情の起伏に振り回されることなく、自分らしく生きていくことができるはずです。
感情の起伏が激しくなってしまう大きな原因のひとつがストレス。現代社会では、人間関係・仕事・SNSなどからのストレスが多くあります。Jam氏の著書『多分そいつ、ごろパフェとか食ってるよ』では、それらのストレスの原因となるモヤモヤを消してくれる考え方のコツを紹介しています。悩みを減らして気持ちを穏やかに保ちたい人におすすめの本です。