職場の人間関係は、仕事のやりやすさに大きく影響します。とはいえ、仲良くなりすぎると別の問題が浮上してくることも。職場の人と友達にならなくても、良好な人間関係を築くにはどうしたらいいのでしょうか?
この記事では、職場の人と友達にならないほうがいい理由や、職場で人間関係を良好に保つための方法を紹介します。人間関係の悩みを解消し、快適に仕事ができる環境をつくるために、ぜひ最後までお読みください。
目次
職場の人と友達にならない方がいい理由
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職場の人と友達にならないほうがいい理由を見ていきましょう。
プライベートな情報が広まりやすい
職場の人と友達になると、プライベートな話をすることが増えます。しかし、その話の内容を悪意なく他の同僚に話してしまう場合があるのです。職場では情報の共有が盛んなので、一人から複数人に伝わることは少なくありません。
そうなると、自分のプライベートの話が会社全体に知れ渡ってしまいます。自分の意図しない形で広まってしまうので、噂話の対象になってしまうことも。これにより、働きづらくなる可能性もあるのです。
仕事とプライベートの境界線があいまいになる
職場の人と友達になると、休日や終業時間外にも仕事の連絡を取り合ったり、一緒に食事に行ったりする機会が増えます。コミュニケーションが円滑になり、仕事がやりやすくなるメリットもありますが、仕事とプライベートのメリハリを失い、精神的な疲労につながることがあります。プライベートな時間も仕事のことばかり考え、リラックスできなくなってしまうのです。
また、友達だからと仕事のミスを指摘しづらくなったり、業務内容でも友達を優先したりしてしまいがちです。これは周囲からは不公平だと捉えられて、職場の人間関係を悪化させる原因となります。
仕事の出来で関係がこじれる可能性がある
友達であっても、昇進などで立場が変化することにより、嫉妬や劣等感を抱くことがあります。頭ではわかっていても、穏やかな気持ちではいられないかもしれません。そうなると、今までのように良好な関係を維持できなくなります。
競争が激しい職場や、成果主義の職場ではこのようなリスクが高くなります。仕事では利害関係が発生することも少なくありません。反対に、ここで友情を優先すると、仕事での評価が停滞してしまう可能性も高いのです。
友達関係にヒビが入ると仕事がやりづらくなる
職場の友達との関係にヒビが入ってしまうと、仕事がやりづらくなります。たとえば喧嘩をしてしまった場合、気まずい雰囲気の中で仕事をしなければなりません。
お互いに避け合うようになったり、コミュニケーションが不足したりすることで、業務に支障をきたすようになります。また、周囲の同僚がどのように接すればいいのか戸惑い、職場全体の雰囲気が悪くなることも考えられます。
職場で毎日顔を合わせるのが苦痛になり、仕事がしずらくなることで、仕事への意欲も失っていくのです。一度壊れてしまった関係を修復するのは難しいもの。仕事の効率や職場の雰囲気に悪影響を与え、精神的なストレスを抱えてしまうことになります。
職場の人と友達になることによって生じるメリットとデメリット
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職場の人と友達になることには、メリットとデメリットの両方があります。
メリット
- 仕事もモチベーションが上がる
- 相談しやすい環境になる
デメリット
- 作業効率や質の低下が起こる
- 職場以外でも仕事の話をする機会が増える
- プライベートな揉め事が仕事に影響する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【メリット】仕事のモチベーションが上がる
職場の人と友達になると、友達と一緒に働くことで仕事が楽しくなり、やる気が出ます。友達が頑張っている姿を見ると自分も頑張ろうという気持ちになったり、相談したり励ましあったりすることで、前向きな気持ちで仕事に取り組めるからです。
友達と一緒に目標を立てて、達成に向けてお互いに努力することができるので、より大きな成果を上げられる可能性もあります。これらは仕事のやりがいや充実感にもつながり、仕事へのモチベーションの維持や成果につながりやすくなります。
【メリット】相談しやすい環境になる
職場の人と友達になると、仕事で困ったことや悩み事を相談しやすい環境になります。上司や同僚には話しにくいことも、友達なら気軽に相談できるからです。
仕事でミスをしてしまったとき、友達ならそれを責めたり軽蔑したりすることはないだろうという安心感によって、早めに相談でき、一人で抱え込んで悩むことが減ります。問題が大きくなる前に対処できるのです。
相談しやすい環境になるので、精神的な負担が減り、仕事のストレスを減らすことができます。
【デメリット】作業効率や質の低下が起こる
職場の人と友達になると、仕事以外のおしゃべりややりとりが増え、仕事の作業効率や質の低下をまねく可能性があります。仕事中でも友達と過ごす時間が増えるので、集中力が途切れたり、業務に専念できなくなったりするからです。
また、友達だからという理由でミスを指摘しずらくなり、仕事の質を妥協してしまったり、友達関係だということに気を遣って、自分の意見をはっきり言えなかったりすることも考えられます。職場の人と友達になると、これらのリスクが発生するのです。
【デメリット】職場以外でも仕事の話をする機会が増える
職場の人と友達になると、休日やプライベートの時間でも仕事の話をする機会が増えます。共通の話題が仕事関連のことになるからです。食事に行っても、つい仕事の愚痴や噂話をしてしまったり、休日なのに友達から仕事の相談を受けたりする可能性が高いのです。
このような状況が長期的に続くと、オンとオフの切り替えが難しくなり、仕事から完全に離れる時間が少なくなってしまいます。リラックスできなくなったり、プライベートな楽しみが減ったりするのです。
【デメリット】プライベートな揉め事が仕事に影響する
職場の人と友達になると、プライベートな揉め事が仕事に影響しやすくなります。友達関係と仕事上の関係を完全に切り離すことが難しくなるためです。
友達と喧嘩をしてしまった場合、その気まずい雰囲気が職場に持ち込まれ、当人同士だけでなく周りの人たちも仕事がやりにくくなります。仕事上のコミュニケーションがうまくいかず、業務に支障をきたすことも考えられます。
職場に行くと、会いたくなくても顔をわせなければならないため、嫌な気持ちを毎日思い出すことに。仕事とプライベートは切り離して考えることが大切ですが、簡単に割り切るのは難しく、仕事への意欲まで低下してしまうのです。
職場の人とは友達にならなくても人間関係を良好に保つ方法
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職場の人と友達にならなくても、良好な人間関係を築くことは可能です。深入りせずにうまくやっていく方法を紹介します。
適切な距離を心がける
職場の人とは適切な距離を保つことが大切です。仕事上の付き合いに限定し、プライベートな領域に踏み込みすぎないようにしましょう。
休日の過ごし方や家族構成などの個人的な話題は避け、仕事に関する会話に留めることです。プライベートな話を聞くのを避けたり、自分も話さないようにするのがよいでしょう。自分がプライベートの話をすると、相手も「自分も話さなければならない」と感じてしまうことがあるからです。
とはいえ、絶対に話さないというスタンスでは周りから浮いてしまいます。聞かれたことに対しては、詳しく話さなくても良いので差し障りのない程度で答えましょう。つかず離れず、適切な距離が人間関係を良好に保つ秘訣です。
挨拶や感謝の気持ちは笑顔で伝える
「おはようございます」「ありがとうございます」「お疲れ様です」など、基本的な挨拶は良好な人間関係を築く上では欠かせません。有益な話をしなくても、これらの挨拶がきちんとできていれば仕事をするうえでのコミュニケーションは合格だといえます。
さらに、挨拶をするときは笑顔を心がけると良好な人間関係につながります。相手に好印象を与え、話しやすい印象を持たれるからです。仕事上でのコミュニケーションが円滑になり、居心地の良い雰囲気になります。
悪口や噂話をしない
他人の悪口や噂話は、人間関係を悪化させるだけでなく、職場全体の雰囲気を悪くする原因にもなります。友達にならなくても良好な人間関係を築きたいなら、ネガティブな発言は避け、ポジティブな話題を提供するようにしましょう。
誰かから悪口や噂話を振られたら、同調せずに話題を変えるなどして冷静な対応をすることが大切です。職場で口にした悪口などは、意図せずして相手に伝わる可能性が高いもの。言っていないのに、その場に居ただけで同じ括りにされることもあります。あとから後悔しても訂正は難しいので、極力関わらないようにしましょう。
チームワークを意識する
仕事はチームで行うものです。協力して仕事を進める場面が多いため、チームワークであることを意識して周りの人と関わるようにしましょう。同僚の意見に耳を傾け、積極的に協力する姿勢が大切です。
友達になってプライベートまで共有しなくても、仕事上のコミュニケーションがきちんと取れていれば良好な関係を築くことができます。互いに助け合って仕事を進める姿勢を持っていれば、職場全体の生産性も向上し、雰囲気も良くなるはずです。
仕事の成果で貢献する
職場は仕事をするところです。まずは自分の仕事に責任を持ち、きちんとした成果を出すことで周りの人からの信頼を得られるようになります。信頼されることは良好な人間関係を築く基盤となるため、より良い関係を築くことにつながるのです。
また、仕事で成果を出すことは自身の成長にもつながり、やりがいを感じながら仕事に取り組むことができます。ビジネスの場においては、コミュニケーション能力よりも、求められている成果を出す能力の方が重要なのです。
友達にならなくてもストレスなく過ごせるように職場では仕事に集中しよう
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職場の人と友達になるとメリットもありますが、余分な悩みが増える可能性もあります。職場では仕事に集中し、成果を上げることが一番重要です。そうすることで自然と居場所ができていきます。
とはいえ、仕事に自信がない場合はどうすればいいのでしょうか?
そんな方には小鳥遊・F太著『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』がおすすめ。仕事で結果を出すための仕事のやり方をくわしく説明してくれているこの本を読めば、仕事に自信を持てるようになれるでしょう。
職場でのコミュニケーションやメンタル面の考え方も紹介されているので、良好な人間関係をつくるための参考にもなるはずです。