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債券とは?利益がでる理由や安定性について解説

東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!
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お金を増やす方法の1つに債券がありますが、「債券ってどういう仕組なの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、経済を分かりやすく解説した本、『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』から、債券について説明します。

債券とは?

お金の貸し借りが発生した場合、お金を貸した人(債権者)と、お金を借りた人(債務者)が生まれます。債券とは、持ち主を「債権者」だと証明するための券です。

そして銀行や国が関わらない貸し借りで発生した債券のことを、書籍では「住民の債券」としています。

この住民の債券を簡単に言うと、「銀行以外から◯◯エンを借りるときの借用書」のことです。この債券は「◯◯エンくらいの価値のあるお金(信用貨幣)」として利用できます。

住民の債券が増えれば増えるほど、それを担保にして銀行が貸しだす金額も増えて、「100人の島に出回っているお金として使えるもの」の合計がどんどん増えることとなります。

住民の債券により、銀行や国から借りなくてもお金を作れる

自分の手元にお金がないときでも、受け取る側がOKすれば「住民の債券」を発行してお金にできます。

例えば100人の島では、パン会社の社長が新しい工場を作るため「5年後にパン会社が105万エンにして返す券(住民の債券)」で、100万円のお金を集めました。

その後、パン会社の社長から住民の債券を買ったパンダは、赤いパンダが100万エンで売っているトラクターがほしくなりましたが、パンダはお金がありません。
そこで住民の債券で払えるか確認すると、赤パンダはOKしてくれました。

次に、赤パンダは銀行で「100万エンを貸してほしい」と頼みにいくと、銀行マンは、住民の債券があるなら大丈夫と考えOKしました。

このような流れで、今、100人の島には「5年後にパン会社が105万エンにして返す券(住民の債券)」と、赤パンダが銀行から借りた100万エンが新たに出回り、お金として使える金額205万エン分増えたことになります。

このように、債券はお金の代わりとして信用のある券だと考えるとよいでしょう。

債券の支払いは「債務ピラミッド」になっているので安全性が高い

「住民の債券を買うのはいいけど、本当にお金が戻ってくるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

実は住民の債券には、「書かれた約束を守らないと逮捕する」というルールがあります。
そのため、住民の債券を発行した会社が信頼できる場合は、安定度の高い投資だといえるのです。

また債券には強さ(偉さ)があり、いざというときに国が助けてくれることもあります。

例えば、次の3つはいずれも同じ「債券」です。

  1. 100人の島の通貨「エン」
  2. 銀行の預金通帳
  3. 住民の債券「5年後にパン会社が105万エンにして返す券」

現実の日本でも「国の通貨→銀行預金→民間の債券」の順で、債務履行(支払い)を助けることができます。「上位の債券が下位の債務の支払いに使えること」を債務ヒエラルキーあるいは債務ピラミッドと言います。

住民の債券を持っているウサギが、5年後、パン会社に「105万エン払ってください」とお願いしたのですが、105万エンを持っていませんでした。

そんなとき、パン会社は銀行に助けを求めることができます。銀行マンは、パン会社の通帳に「105万エン」と書き(融資)、パン会社はウサギに105万エンを通帳口座に振り込めるようになります。

そうすると、次に困るのは銀行です。
ウサギは通帳の105万エンを「いますぐ、現金にしたい」と銀行に伝えますが、銀行にお金が足りない。そんなとき、国に助けを求められます。国はエン印刷係に105万エンを発行してもらいひと安心です。

このように、債券に書かれた義務を債務者が果たせないときは「エン←預金通帳(振込)←住民の債券」の順に「より偉い債券」を使うことによって助けられるのです。

そのため「5年後にパン会社が105万エンにして返す券」の約束は、ほぼ確実に守られます。

もし自分のお金に余裕があるなら、数年後に返ってくる可能性の高い信頼性のある債券の購入は、有効な投資だといえるでしょう。

まとめ

債券と聞くとよくわからないと感じる方がいるかもしれませんが、実際は「数年後にお金が増えて戻ってくる権利を買った証明書」みたいなものです。

そして債券は最終的に銀行や国が助けてくれる可能性があるため、投資先としては比較的安全だといえます。

このように、『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』では、このような少し難しい経済の話を、わかりやすい例えを用いて解説しています。
今回ご紹介した債券の他に、「経済というシステムが生まれる前の話」「お金の増え方」「国や政府の役割」「景気と物価」などのテーマを、わかりやすく解説しているのが魅力です。興味がある方は、ぜひ本書をご覧ください。


東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった! ムギタロー(著)、井上智洋、望月慎(監修)

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