自分は無能だと感じながら生きるのはつらいものです。自分だけできないような気がして落ち込んでしまうこともあります。しかし、無能だと感じるのは思い込みであることがほとんどです。ではなぜ、無能だと思ってしまうのでしょうか。
この記事では、自分が無能だと感じてしまう理由と、無能ではないと思えるようになるための仕事術について説明しています。仕事のやり方を身につければ、要領よく仕事ができるようになります。ぜひ最後までお読みください。
目次
自分は無能だと感じるとき
自分が無能だと感じてしまいやすい状況ついて見ていきましょう。
失敗や挫折を経験したとき
失敗や挫折を経験したとき、自分の能力不足を感じてしまいますが、これは自然な反応だと言えます。失敗できない重要なプレゼンテーションで、しっかり準備をしたのに言葉に詰まってしまったとしたら、自分は無能だと感じてしまうこともあります。
このような経験をすると自信を失い、自分の能力を信じられなくなってしまいがちです。とくにその失敗や挫折が自分にとって重要な場面で起きた場合、その影響は大きくなります。
他人と比較して自分が劣っていると感じたとき
他人と自分を比較して、自分が劣っていると感じることは多くの人が経験することです。会社の同僚の活躍や評価を見て、自分との差を感じ、無能感を引き起こしてしまいます。
若手社員が新しい技術やスキルを素早く習得して成果を上げているのを目の当たりにすれば、自分の学習速度や適応力の差を感じます。
他人と比較してしまうことは、能力の差を認識するだけでなく、自分の価値を不当に低く見積もってしまう原因にもなるのです。
期待に応えられないと感じるとき
周りの期待に応えられないと感じるとき、自分の無能さを強く意識してしまいます。新しい仕事を任されたのに上手くこなすことができないと、自分の能力不足を痛感し、落ち込んでしまうかもしれません。特に、自分に対する期待が高い環境にいる場合は、この感覚をより強く感じます。
期待に応えられないと悟ったときは強い無力感を感じます。自分の能力を疑い、自信を失ってしまう原因になります。
スキルや知識の不足を実感するとき
自分のスキルや知識の不足によって仕事が滞ってしまったとき、自分の無能さを実感してしまいます。長年携わってきて経験を積んだ仕事だとしても、情報がつねに新しくなり、戸惑うことも少なくありません。
スキルや知識が不足していると実感することは、自分の能力に対する自信を失わせ、無能だと感じやすくなります。長年の経験があると、今まで費やした時間はなんだったのかとむなしく感じてしまいます。
周りからの評価が低いとき
職場での評価が思わしくなかったり、友人や家族からの批判的な意見を受けたりしたときに、自分は無能なのではないかと考えてしまうかもしれません。上司から仕事の成果について厳しい指摘を受けたり、チームプロジェクトで自分の貢献が評価されなかったりすると、自分の能力を低く評価してしまいがちです。
外部からの評価は、自己評価にも大きな影響を与え、自分は無能だという思いを強めてしまうのです。
目標や夢が達成できないと感じるとき
自分にとって重要な目標や、長年取り組んできた夢が実現しないとき、自分の無能さを感じやすくなります。何度も挑戦している昇進試験に落ち続けたり、長年練習してきたスポーツで結果が出せなかったりすると、自分の能力の無さを痛感します。
同じような目標や夢を持った人が次々と達成してく中で、自分だけが取り残されているように感じることも。このような状況は、自分が無能だという思いを強く抱く原因となります。
自分は無能だと思ってしまう心理的要因
ここからは、自分が無能だと思ってしまう心理的な要因について見ていきましょう。
過度な自己批判
過度な自己批判とは、自分の行動や能力を必要以上に厳しく評価し、小さな失敗や欠点を過大に捉えてしまう傾向のことです。日々の業務で生じた些細なミスを重大な能力不足の証拠だと考えてしまいます。
このような過度な自己批判は、自信を失わせ、自己肯定感を低下させることになります。これにより、自分は無能だと感じやすくなってしまうのです。
他人と比べている
つい他人と比べてしまうことはあります。しかし、比べることで自分を無能だと感じる原因を作ることになってしまいます。他人と比べると、自分の弱点や欠点ばかりが目につくようになり、長所や成果を見落としてしまうのです。
他人の成功を過大評価し、自分の努力や成果を過小評価することになり、自分を否定するようになってしまいます。
完璧主義
完璧主義の人は、自分の仕事や行動に対して非常に高い基準を設定し、それを達成できないと自分を無能だと感じてしまいます。100%の成果を求めるあまり仕事の進捗が遅れてしまったり、新しいスキルをすぐに完璧にできないことで挫折感を味わったりすることも。
完璧主義というのは、高い目標を持つ良い傾向のようにも思えますが、実際には自己評価を低下させ、生産性を阻害する要因となりえます。完璧を求めるあまり小さな失敗も許すことができず、自分は無能だと思い込んでしまうのです。
自分が無能だと感じるのはただの思い込みだということも
自分が無能だと思っているのは、実際にはただの思い込みだったということもあります。評価は相対的なものであり、その基準が適切でない場合もあるからです。新入社員なのに熟練社員と同じレベルの仕事を求めるのは無理があります。このような不適切な基準での評価は、自分を不当に低く評価することにつながります。
また、失敗したことだけに注目してしまうと、自分の能力を過小評価することになります。1割が失敗だったとしても、残りの9割はうまくいっているかもしれません。できたことにも目を向けると、それほど悪くないなと思えるはずです。
無能から抜け出すために!仕事ができるようになる方法10選
ここからは、仕事がうまくできるようになる10の方法をご紹介します。これらを参考にしていけば、自分を無能だと思うことが少なくなるはずです。ぜひ参考にしてみてください。
1.仕事の手順を明確にする
仕事を段取りよく進められれば、スムーズにミスなく作業を進められます。そのためには、仕事のタスクを書き出し、そのタスクを完了させるための手順を明確にする必要があります。
仕事の全体像が把握でき、次にやるべきことが明確になるので、いちいち立ち止まって考える無駄な時間と同時に発生するストレスがなくなります。また、手順をしっかり把握して作業を進めていると、身体が仕事を覚えるのでよりスムーズに作業を進められるようになるでしょう。
2.仕事の手順を細かく刻む
仕事の手順を明確にすることで、スムーズに作業を進められます。このとき、手順はこれ以上できないくらいに細かく刻むことがポイントです。「課長に見積額を相談する」という手順なら、さらに細かくして「課長に見積額がこれでよいか質問する」→「課長から返答を受ける」とします。
少し細かすぎると思うくらいがベストです。すると、作業を中断してもすぐに現状把握ができるようにもなります。
3.スケジュール感を鍛える
仕事には締め切りがつきものです。しかし、締め切りが苦手でいつもギリギリになってしまう人も少なくありません。スケジュール感を鍛えるには、自分なりの締め切りを設定して、スケジュールを見積もる練習をすることが大切です。
やるべきタスクの手順を書き出し、手順すべてに締め切りを設定します。実際にやってみて、余裕があったり厳しかったりしたらその都度修正します。これを繰り返すことでスケジュール感を鍛えることができます。
4.予定はスカスカにする
仕事では、「割り込みタスク」が多く発生します。スケージュールを組むときは、思い切って予定をスカスカにしておくと、割り込みタスクにも余裕で対応できるようになります。勇気がいるかもしれませんが、余裕あるスケジューリングをしておくようにしましょう。
また、仕事は想定した時間内に終わらないことも多いもの。スケジュールに組み込む際は、思い浮かんだ時間の2倍くらいの長さにすることがポイントです。
5.すぐに終わる仕事はすぐに終わらせる
仕事の基本は手順を把握することですが、書き出すまでもないような数秒から2分程度で終わるようなタスクは、その場ですぐ終わらせてしまいましょう。すぐに終わるからといって後回しにすると、忘れてしまう危険性もあるからです。
タスクを溜め込まないようにするには、すぐに終わる仕事をすぐ終わらせることを心がけましょう。
6.ステータスを明確にして仕事を抱え込まないようにする
サッカーではパスを出しながらゴールまで繋いで行きますが、仕事においてもパス回しする感覚が大切です。この仕事は今、誰がボールを持っているのかを明確にすることと、自分でボールを持ち続けないようにすることを心がけましょう。
責任感が強い人はつい、自分でボールを持ち続けてしまいがちですが、仕事はパス回しが基本です。自分で抱えすぎるよりも、できるだけ多くパスを出すようにしましょう。
7.自分のものさしを磨いて優先順位をつけられるようにする
優先順位をつける能力は誰にでもあります。しかし、自分がどんなものさしを使って順位づけしているかを理解していないと、優先順位がコロコロ変わるようになってしまいます。
たとえば、ものさしが「怒られないようにする」になっていると、怒られないことを優先させるので、無意識に上司や取引先に怒られない方を選ぶようになります。
このものさしを「手順の通りにやる」と決めれば、「今やるべきこと」が選択できるようになるのです。比べて選択する練習を繰り返すと、自分の物差しが磨かれていきます。
8.タスクが多くても少しずつ着手して先送りを防ぐ
たくさんのタスクを抱えているときは、それぞれのタスクに少しずつ着手するようにしましょう。少しでもやっておくと、完了までの距離感がわかるので、後から慌てることが防げます。
仕事はやってみないと大きさや難易度はわかりません。先送りをしないように、少しずつ着手することが大切です。
9.ミスをしたら手順書をブラッシュアップする
ミスをすることは誰にでもあります。ミスをしたら手順書にそのミスを防ぐ手順を追加しましょう。これをミスをする度に行えば、ミスが起きない手順書をつくりあげることができます。
ミスをしたら、落ち込む前に手順書を書き換えてブラッシュアップさせていきましょう。ミスの発生しない完璧な手順書に近づいていきます。
10.報告するときは伝え方を工夫する
職場でのコミュニケーションの多くは「報告・連絡・相談」です。このとき、いきなり詳細から話し始めると、相手にスムーズに伝わりにくくなります。詳細に入る前に、「〇〇の件について相談(報告・連絡)なのですが、今よろしいですか?」と一言加えると理解してもらいやすくなります。
相手にとって報告や連絡は「聞く」のみですが、相談はそこに「判断する」という負担が加わります。最初に伝えておけば、相手もそのつもりで聞いてくれるのです。
職場ではコミュニケーションも重要です。少し配慮するだけで伝わりやすくなることが多いので、円滑なコミュニケーションができるように意識していきましょう。
自分が無能に思えるのは能力だけの問題ではない
自分が無能だと感じることがあるかもしれませんが、多くの場合、能力だけの問題ではありません。ひとつの失敗にばかり気を取られていたり、他人とばかり比べてしまっていたりすることが原因になっているのです。
仕事においても、うまく進められないのは能力の問題ではなく、仕事のやり方を知らないだけだったというケースが多く見られます。
小鳥遊・F太著『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』は、能力ではなく「やり方」で仕事ができるようになることを伝えてくれています。この本を読んで、仕事の正しいやり方を身につけられれば、自分が無能だと感じることがなくなるのではないでしょうか。