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コミュニケーション能力を鍛えるには?苦手な人でも実践しやすい方法を厳選して解説

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人とうまくコミュニケーションが取れず、悔しい思いをした経験がある人もいるのではないでしょうか?人間関係をスムーズにするうえで、コミュニケーション能力は重要な要素ですが、うまくいかないこともありますよね。

実はコミュニケーション能力とは、話す能力だと思ってしまいがちですが、信頼感を得るには聴く力も重要です。少しずつ練習を重ねていくことで、苦手意識は薄れていくでしょう。

この記事では、コミュニケーション能力を鍛えるためのポイントや方法をご紹介します。

「人と緊張せずに話せるようになりたい」「話し上手だと言われるようになりたい」と考えている方は、ぜひ最後まで記事をご覧ください。

この記事は書籍『 なぜか感じがいい人の かわいい言い方 』の関連コラムです。

コミュニケーションとは?意味や情報伝達との違い

はじめにコミュニケーションの意味と、情報伝達との違いを見ていきましょう。

コミュニケーションの意味

コミュニケーションとは、人間が意思・感情・思考を伝達し合うことです。言語だけでなく、文字や表情、声なども使って行います。コミュニケーションでは、相手に伝えたいことではなく、伝わったことが大切。伝えたいことが正しく伝わったかどうかを確認することも必要です。

コミュニケーションには、言語によって伝え合う言語のコミュニケーション、言語を使わずに伝え合う非言語コミュニケーションがあります。

事実を伝えるのは情報伝達

情報伝達はコミュニケーションと同じような意味だと捉えがちですが、正確には異なります。情報伝達は「事実のみ」を伝えるもので、その背景や相手の感情は伝わりません。

たとえば、上司から打ち合わせに使う資料の作成を頼まれたとします。急いで作成しますが、その資料は使われませんでした。

このとき情報伝達の場合、「この資料は使わなかった」という事実だけが伝えられます。部下は「資料に不備があったのだろうか」「せっかく急いで作ったのに」という気持ちになり、上司に不満を感じるかもしれません。

コミュニケーションの場合は、「時間がなくて使えなかった。よくできているので、次回使おうと思う」というように伝えます。すると、部下は「使われなかった理由」「資料に不備があったわけではないこと」「無駄ではなかったこと」を理解できます。上司に対して不満な気持ちは持たないでしょう。

このように、情報伝達ができているのと、コミュニケーションがとれているのとでは、意思・感情・思考が伝わっているかどうかに違いがあります。

コミュニケーションの必要性

コミュニケーションを円滑にすることで、人間関係の摩擦が減ります。相手を理解することにつながるので、信頼関係ができあがります。コミュニケーションは社会生活において必要不可欠なものだといえるでしょう。

意思の疎通や情報共有が円滑になる

普段からコミュニケーションがうまくできていると、情報共有や意思の疎通が円滑になります。お互いを理解して良好な関係を築けるので、悩みなどを相談しやすくなるでしょう。情報共有がうまくいかないと、生産性の悪化や連携ミスが発生する可能性が高くなります。

また、チームワークを高め、認識の相違や連絡不足を防ぎやすくなるのもメリット。相手に働きかけたり、お互いに協力し合ったりすることができるので、モチベーションも上がり、成果があげやすくなるのです。

悩みの相談や質問をしやすい雰囲気なので、お互いに助け合うことができて効率よく仕事を進めていけるでしょう。

相手を理解し、信頼関係を作れる

コミュニケーションによって、相手をより深く理解でき、信頼関係を築くことができます。コミュニケーションを重ねてお互いに考えていることや気持ちが分かるようになると、相手の持っている価値観が理解できます。これにより、相手の意見を尊重できるようになるでしょう。

信頼感を持てるので、気持ちがすれ違ったり、誤解を与えたりするのを防げます。意思の疎通がさらに円滑になるでしょう。信頼関係ができていると、発言しやすい雰囲気となり、新しいアイデアが生まれる可能性が高まります。

人間関係が良好になる

コミュニケーションをとることで、伝えたい事実だけでなく感情も伝えられます。

社会生活をするために、人との関わりを避けて通ることはできません。コミュニケーションが円滑な状態であれば安心して自分の意見を伝えられ、支え合うこともできるでしょう。家族・友人・職場の人などとの人間関係を良好にし、生きやすい環境をつくれます。

コミュニケーションの種類

コミュニケーションには、言語のコミュニケーションと非言語コミュニケーションの2つがあります。

2つの違いを見ていきましょう。

意志や感情などを言葉で伝える言語のコミュニケーション

言語のコミュニケーションとは、名前から分かるように、言葉によるコミュニケーションのことです。一般的にコミュニケーションといえばこちらを思い浮かべるかもしれません。書いたり話したりすることで相手に伝えます。

口頭だけでなく、メールなどのテキストによるコミュニケーションも言語によるコミュニケーションのひとつ。現在はメールやチャットでのコミュニケーションが増えているので、テキストによるコミュニケーション能力も求められるようになるでしょう。

コミュニケーションが苦手な人は、言語のコミュニケーションに不安を感じている人が多いようです。しかし、練習をすることで誰でも身につけることができる能力です。

身振りや表情などで伝える非言語コミュニケーション

非言語コミュニケーションとは、身振り、表情、声のトーンなどで相手に情報を伝えるコミュニケーションのことです。

言語によるコミュニケーションに比べ、非言語ミュニケーションの方が相手に伝わる影響力が高いといえるでしょう。受け取る側の情報の93%が非言語コミュニケーションによるものだという実験結果もあります。

これは、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションとで矛盾した情報を与えたときに非言語コミュニケーションの情報が優先されるということ。

たとえば「元気です」と言っている人が、うなだれて暗い顔をし、低いトーンの声だったとしたら、「元気ではなさそうだ」と感じます。言葉で言っている「元気」という情報より、表情や声のトーンから得られる情報を優先してしまうのです。

また、非言語コミュニケーションは本人が意図していなくても相手に伝わってしまうことがあります。たとえば、嬉しくて思わず笑顔になったという場合。本人は嬉しいことを伝えようとはしていませんが、相手には嬉しそうだなと伝わります。

コミュニケーションに必要な4つのスキル

コミュニケーションのスキルは、伝える力と受け取る力という2つに分類されます。言いたいことを正しく伝える力と、相手が言いたいことを正しく受け取る力です。

さらにそれぞれ言語と非言語に分かれて、合計4つのスキルを必要としています。

詳しく見ていきましょう。

言語を伝える力

言語とは言葉をあらわします。相手に正しく伝わるような言葉、適切な表現を選択する力です。相手の理解能力に合わせて適切に情報を伝えることが重要となります。

ビジネスにおいてはあらゆる場面で必要とされる力です。この能力が高いと、自分の考えをしっかりと理解してもらうことができ、自分の提案を通して仕事を思い通りに進められやすくなります。

相手に伝わるようにするには、結論から話す習慣をつけると良いでしょう。

言語を聴く力

相手の言葉を聞き、相手が伝えたいことを正しく捉え、理解する力です。言語を聴く力は、コミュニケーションをするうえで必要不可欠。相手の話を遮ることなく最後まで聴く姿勢が求められます。

相手の言葉だけで理解するのは難しいと判断した場合は、適切な質問をしたり、確認をしたりして深く理解できることが求められます。相手が話しやすい状態を作り、伝えたいことを引き出すことが重要です。

非言語を伝える力

身振り、表情、声のトーンなどの非言語で相手に情報を伝える力のことで、言語情報を補完できます。相手に伝わる影響力が高いので、意識して使用するようにしましょう。

非言語を伝える力があれば、コミュニケーションがとりやすくなります。好感を持たれるような態度や姿勢ができ、相手からの信頼感を得られるでしょう。

非言語を読み取る力

非言語を読み取って相手の感情や裏の情報を読み取る力です。相手の変化を察知し、本心に気づくための力だといえます。これにより相手への配慮ができるので、深いコミュニケーションが可能になるでしょう。

話している相手が時計を気にしているようなら、時間が気になっているなとわかります。そこで「早めにおわらせますね」などと言って、相手に配慮をすることが可能です。

人は共感してくれる人に信頼を寄せるため、非言語を読み取る力は、信頼関係を気づくためにも重要なスキルです。

コミュニケーション能力が高い人の特徴

コミュニケーション能力が高いとみんなから好かれ、信頼されます。コミュニケーション能力が高い人はどういうコミュニケーションをしているのか、その特徴を見ていきましょう。

相手に伝わる話し方ができる

コミュニケーション能力が高い人は伝え方がうまく、伝えたいことが相手に正しく伝わります。相手に伝わることを意識するので、伝えるポイントを明確にして伝え、伝わる言葉で相手に理解できるように話すからです。

言葉だけでなく、身振りや手振りなども駆使して伝える工夫をしています。ビジネスシーンであれば、わかりやすくするための資料なども準備するでしょう。

ミュニケーションは相手に伝わることで成立するものだとわかっているので、相手が正確に理解できるかどうかを意識し、きちんと伝わるように心がけています。

相手の話を親身に聴く

相手の話を最後まで親身になって聴きます。表情やしぐさも使って、真摯な姿勢で相手の言葉を聴くのです。相手の話を共感的に聴くことを「傾聴」といいます。コミュニケーション能力が高い人は、傾聴スキルも高い人が多いでしょう。

一方的に話すのは、相手にストレスを感じさせてしまいます。人には承認欲求があり、話すことで満たされるので、話を聴いてもらえると満足感が高まるです。話すことが上手でも、傾聴ができなければコミュニケーション上手とは言えません。

傾聴ができる人は、頷いたり相槌を打ったりなどして、話しやすい雰囲気を作ることができます。相手の話を遮ることなく最後までしっかり聞き、適切なタイミングで頷きや相槌ができるでしょう。相手の話を理解しようとする姿勢があるので、自然と相槌のタイミングが的確になるのです。

そして、適切なタイミングで質問をしながらコミュニケーションをとります。相手の話に興味を持っているので、質問をしたり曖昧なところを確認したりして、相手の言いたいことをうまく引き出す能力が高いです。

相手が興味を持つ話題を話せる

コミュニケーション能力が高い人は、相手に合わせた話題で話すことができます。あらかじめ話のネタをストックしている傾向があり、相手に合わせて話題を選択できるのです。

計画的に会う人に対しては、事前に相手に相応しいネタを準備している場合が多いでしょう。興味のある話題を話してくれるので、相手の印象に残ります。

また、冗談も適切に使ってコミュニケーションを図ります。言いにくいことでも冗談混じりに伝えられるので、気まずい雰囲気にはなりません。

お互いが話す量を適切にしている

1対1で会話するとき、それぞれが話す時間を4〜6割で話すと会話が弾むという研究結果があります。片方が話す時間の割合が6割を超えると、もう片方は「相手は自分の話を聴いてくれない」と思い、4割を下回ると「相手は自分の話に興味がなさそうだ」と感じます。

自分:相手=4:6、もしくは、自分:相手=5:5の割合で話すとバランスがよくなる傾向にあります。これはピンポンルールといい、コミュニケーション能力が高い人は、このバランスを無意識に見極められているのです。

コミュニケーション能力が低い人の特徴

コミュニケーション能力が低い人の特徴を見ていきます。もし自分に当てはまると思うものがあったら、改善できるようにしていきましょう。

自分の話ばかりする

コミュニケーションは伝え合うことが基本です。自分の伝えたいことだけを話していると、相手はフラストレーションを感じます。自分が伝えたいと持っているのと同様に、相手も伝えたいと思っているものだからです。

話を聴いているつもりでいても、相手の話に「でも」「しかし」などと言って自分の意見を主張していたら聴いているとは言えません。違う意見を持っていても、最後まで相手の話を聴く姿勢が大切です。

また、自分の知りたいことがわかったら話を終了してしまう、一方的に質問責めにするなど、自分本位な態度も避けたいもの。コミュニケーションは、例えればキャッチボールのようなものなので、投げっぱなしにしてはいけません

相手の話を奪う

相手の話の展開が見えると先回りをして話し始めたり、相手の話を途中でさえぎってしまったりします。例えば相手が飼っているペットの話をはじめたら、相手の話を最後まで聞かずに自分のペットの話を始めてしまうのです。

相手から見れば、話したいことを途中で遮られ、話題を持っていかれたことになるので気分を害してしまいます。また次も話をしたいと思わなくなってしまいます。

相手への思いやりがないと、周囲とのコミュニケーションがうまくできなくなってしまします。自分では気づけていない場合もあるので、周りの人の態度がおかしいなと感じたら注意しなくてはなりません。

否定的な発言をする

空気を読まずに否定的な発言をすると、相手は不快な気分になります。悪口や愚痴は当然ですが、アドバイスをもらっても前向きに受け取らない、「でも」「だって」が口癖のようになっていたら意識的に改善していくことが大切です。

否定したくなる出来事は、違う見方を試みることで新しい視点に気づけるかもしれません。ペットボトルに水が半分入っているのを見て、「水が半分しかない」と捉えるか、「水がまだ半分も入っている」と捉えるかで、目の前の世界の見え方が変わるでしょう。

自分ではそんなつもりはなくても、無意識に否定的な発言をしたり、人を見下すような態度になったりしているかもしれません。相手を尊重した言動を心がけることが大切です。

会話を広げられない

相手が話していることに興味を持たず、無関心な態度になってしまいます。相手が話しかけてきても、受け取るだけで促すことができないので会話を広げられず、話が途切れてしまうのです。

また、話すことに苦手意識があると、プレッシャーを感じて会話を続けられない場合も。ストレスを感じて疲れてしまうので、会話を続けることより、その場から離れることを考えてしまいます。

会話を盛り上げようとするのではなく、相手に興味を持って知ることに意識を向けるとよいでしょう。具体的には出身地や仕事の内容、おすすめの店などを聞いてみます。共通点が見つけられれば親近感が湧き、話が盛り上がっていくでしょう。

コミュニケーション能力が高いと得られるメリット

コミュニケーション能力が高いことで得られるメリットがあります。あなたもこのメリットを感じられるように、コミュニケーション能力を磨いていきましょう。

人から信頼される

コミュニケーション能力が高い人は、相手の話をしっかり聴く姿勢を持っているので、相手から安心感や信頼感を持たれます。このため、相手との信頼関係をうまく築けるでしょう。

自分の考えや気持ちをきちんと伝え、相手の気持ちも理解できます。お互いに理解を深め合えるので、気持ちのすれ違いが起こりにくくなるでしょう。

また、話しやすい雰囲気をつくれるので、初対面の人からも好印象です。人に好かれやすく、ビジネスでもプライベートでも人気者になります。

仕事がうまくいく

仕事は周りの人と協力してすすめていくもの。コミュニケーション能力が高い人が1人いるだけで職場の雰囲気が良くなります。すると仲間同士の連携がスムーズになり、効率的に仕事をこなせるようになるでしょう。

作業効率が上がればそれぞれの業務量を増やすこともでき、高い成果を期待できます。それぞれのスキルや仕事を把握できれば業務分担も適切に行われるので、チームの生産性はどんどん向上するでしょう。

そしてコミュニケーション能力が高いと職場のメンバーから信頼され、社内の評価にもつながります。この人に仕事をお願いしたいと思ってもらえるので、ビジネスチャンスにつながる可能性が高くなります。

人脈が広がる

コミュニケーション能力が高い人は、初対面でも相手に好印象を与えることができるので、パーティーでは積極的に人と交流し、新しい情報や人脈を作れます。知り合いを誰かに紹介したり、反対に紹介されたりして人の輪が広がっていきます。

その日限りにならないよう、関係を継続させることも上手いのが特徴。関係を次にも繋げたいと思ったら、小さなお願い事をして借りをつくります。会話の中で話題になったサイトのURLを送ってもらう・スマホの充電器を借りるなど、相手に迷惑がかからない程度の簡単なお願いをします。

後日、「先日はありがとうございました、お礼に……」などと言って付き合いをスタートさせるのです。

疎遠になってしまいそうなときは、SNSなどで気軽に連絡します。相手のことを気にかけているという気持ちを伝えることができます。

情報が集まってくる

人脈を作り、関係を継続するためのコミュニケーションを忘れないので、新鮮な情報が集まるようになります。コミュニケーションで信頼関係を築けると、「あの人にだけ教えてあげよう」と思ってくれる人が、本人の知らないところで増えていくのです。

仕事や紹介のチャンスが思ってもみないところから舞い込むこともあるでしょう。自分がやりたい仕事をサポートしてくれる人が現れる可能性もあります。

自己肯定感が増す

コミュニケーション能力が高い人は、人に囲まれ、自分は必要とされていると感じられます。これにより自己肯定感が高くなるのです。

多くの人に信頼され、人気者。周りの人から好かれると、自分のことも好きになれるので自己肯定感が上がります。人に会うことや話すことが楽しくなり、雲の上のような人とでも話せる自信を得られます。

コミュニケーション能力を上げるために意識しておきたいこと

コミュニケーション能力を上げるための方法や考え方は多くありますが、大切なのは実際に人と話すこと。コミュニケーションは質より量をこなすことで身についていくからです。

最初は勇気がいるかもしれませんが、少しずつ慣れていくことが大切。いつの間にか人と話すことが自然にできるようになっているでしょう。

人と話す機会をつくる

コミュニケーション能力は実践することで身についていきます。積極的に人と話す機会をつくるようにしましょう。まずは挨拶から始めることをおすすめします。「今日は○人に挨拶する」などと目標を決めると、行動しやすくなるでしょう。

会社だけでなく、プライベートでもコミュニケーションを高める練習ができます。朝起きたら、家族に笑顔で挨拶することを意識してみましょう。人と話すことに対するハードルを下げることが大切です。

いきなり完璧にしようとしない

コミュニケーション能力を上げるためのコツやテクニックには、さまざまなものがあります。すべてを一度に取り入れようとすると混乱を招くことになるので注意が必要です。

コミュニケーションにおいて完璧であることはそれほど重要ではありません。コミュニケーション能力が高いと思われる人を観察してみると、それほど難しいことはしていないと感じるのではないでしょうか。

きちんとしようと思って余計に緊張するよりも、リラックスして会話を楽しむことのほうが大切です。気の利いた話をしなくても、相手の質問に答えたり、相手の話を興味深く聴いたりするだけでよいのです。

テクニックなどを取り入れるなら、一つずつ試してみるとよいでしょう。一つのテクニックが身につくだけでも自信につながります。

コミュニケーション能力を上げるためのポイント

コミュニケーション能力を上げるために覚えておきたいポイントを7つ紹介します。

  • 第一印象をよくする
  • 積極的に挨拶をする
  • 具体的にわかりやすく話す
  • 相手の話を最後までよく聴く
  • 相手の気持ちを汲み取る
  • 言い方を工夫する
  • 共通点を見つけて話を広げる

このポイントを意識するだけでもコミュニケーション能力は向上するはずです。詳しくみていきましょう。

第一印象をよくする

コミュニケーションでは、非言語コミュニケーションのほうが相手に伝わる影響が強くなります。非言語コミュニケーションは言葉以外のコミュニケーションのこと。つまり、身だしなみ・態度・表情などに気を配り、相手に好印象をあたえるようにします。

大切なのは、言葉と表情が一致するようにすること。そして表情に気を配り、声の抑揚やトーンを意識します。「あなたとお会いできて嬉しいです」と言われても、うつむき加減で暗い顔をしていたら嬉しそうには思えません。言葉と表情が一致しないと不信感を感じます。

ただ、非言語コミュニケーションのほうが影響が強いといっても、言葉はどうでもいいというわけではありません。会話は言葉で成り立つので、伝わる言葉を選び、表情や声のトーンを合わせることで補強していくイメージを持ちましょう。

積極的に挨拶をする

コミュニケーションの基本は挨拶をすること。積極的に自分から挨拶をしましょう。ポイントは笑顔で挨拶をすることです。1日に○人挨拶すると決めて、達成できるように意識づけしてもよいでしょう。

また、相手から挨拶をされたら、相手を見て答えるようにしましょう。たとえどんなに忙しかったとしても、パソコンの画面から目を逸らさずに答えてはいけません。相手の顔を見ることは忘れないように注意してください。

挨拶をすることが習慣になると、目が合った瞬間に自然に挨拶をしている自分に気づくでしょう。そういう人が1人いるだけで職場の雰囲気がよくなります。

具体的にわかりやすく話す

話をするときは、具体的に分かりやすく話すことを意識しましょう。具体的に話すポイントは以下の3つです。

  • 数字を入れる
  • 固有名詞を入れる
  • 体験談を入れる

数字を入れる
数字を入れ得ることで正確に伝えられます。たとえば、「少し遅れます」ではなく、「15分遅れます」のように伝えましょう。

固有名詞を入れる
固有名詞を入れることでイメージしやすくなります。「商品開発の部署で働いていました」より「〇〇会社で××という商品を開発する部署で働いていました」のほうが伝わりやすいでしょう。

結論から話す
何を伝えたいのかを明確にして話すことが大切です。先に結論を話すことで、わかりやすく伝えられるようになります。とくにビジネスシーンでは意識しておきましょう。

相手の話を最後までよく聴く

コミュニケーション能力を上げるには話し上手にならないといけないと思っている人がいるかもしれませんが、大切なのは聴く力、傾聴力です。相手の話を最後まで注意深く聴くことを意識しましょう。

傾聴力を身につけると、気の利いたことを話さなくてもコミュニケーションが円滑になります。

傾聴力を上げるには、興味を持って聴く態度から意識してみてください。自分の体を相手のほうに向け、顔を見ます。姿勢は少し前のめりなくらいがよいでしょう。

なお、話しているときは、相手の動きを真似る「ミラーリング」や、相手が話したことを繰り返す「バックトラッキング」というテクニックを使うと、傾聴力が高いように感じてもらえるのでおすすめです。

相手の表情やしぐさ、声のトーンなどを真似し、相手の感情に寄り添いながらポイントとなる言葉を繰り返します。適度な相槌や相手の話を遮らないことを心がけて、しっかり聴くようにしましょう。

相手の気持ちを汲み取る

コミュニケーションはたとえるとキャッチボールのようなものです。投げて受けることが必要。そのためには、相手の気持ちを汲み取りながら会話をすることを意識しましょう。

相手の立場に立って、今の状況・どのくらいの知識を持っているか・何を求めているのかを考えてみます。今まで生きてきた環境・性格・価値観は人それぞれ違います。自分中心で考えると相手を怒らせることにもなりかねません。

これは、プレゼントに例えると分かりやすいでしょう。自分が欲しいと思うものを相手にあげても喜んでくれるかは微妙。性別や年齢や性格や趣味を考慮して最適なプレゼントを選ぶと思います。コミュニケーションにおいても相手のことを考えることが大切です。

話しているときは、相手の反応をよく観察しましょう。自分が言った言葉で相手がどういう反応をするのかを見ることで、相手の気持ちを考えられるようになります。

言い方を工夫する

コミュニケーションは言い方次第で印象が大きく変わります

たとえば、取引先のAさんとBさんに、力を尽くしてくれたことに対するお礼を伝えたとします。

Aさんからは「当然のことをしたまでです」、Bさんからは「〇〇さんにすこしでもほめていただきたくて」という返答がありました。

Aさんはマナーを守った大人の言い方、Bさんはすこし子供っぽい印象がするかもしれません。しかし、Bさんの言い方に親しみを感じるのも事実です。

このように、言い方ひとつで印象が変わります。もちろん、社会人としてのマナーは厳守しなければなりません。しかし、言い方を変えるだけで親近感を持ってもらえることもあります。

共通点を見つけて話を広げる

相手との共通点を見つけられれば、話を広げやすくなります。共通点が見つかると嬉しい気分になるからです。とくに関係があったわけではないのに、出身地や誕生日が同じ人に会うと親近感を感じることがありますよね。

初対面の人と何を話したらいいかわからないと感じたら、共通点がないか質問をしてみましょう。このとき、質問の仕方も工夫してみます。質問には、回答が限定されるクローズド・クエスチョン自由に答えることができるオープン・クエスチョンがあります。

「前職はエンジニアだったんですよね?」はクローズド・クエスチョン(はい か いいえ しか回答がない)で、「エンジニアをされていたとき、一番大変だったのはどんなことですか?」はオープン・クエスチョン(色々な答えがある)です。

最初はクローズド・クエスチョンで相手が答えやすい質問を用意し、徐々にオープン・クエスチョンで話を広げていくと、相手が困ることもなくなります。

質問を続けるうちに共通点を見つけたら、次はその話題で盛り上がることが可能です。

コミュニケーション能力を磨くための練習方法5選

コミュニケーション能力を鍛えることができる練習方法をご紹介します。

  1. 必要な情報だけを話す
  2. 相手を真似て共感を得やすくする
  3. 相手の言っていることを繰り返す
  4. 感謝の言葉を付け加える
  5. 挨拶したら10秒程度の雑談をする

自分が実践できそうだと思うものから始めてみてください。人によって感じ方が違うかもしれませんが、この5つの中では「1.必要な情報だけ話す」が一番難易度が高く、数字が進むにつれて難易度が低くなっています。

コミュニケーションに苦手意識がある人は、「5.挨拶したら10秒程度の雑談をする」から始めてみるとよいかもしれません。

1.必要な情報だけを話す

30秒程度の短い時間に、必要な情報を手短に話す練習をしてみましょう。これはエレベータートークといって、エレベーターに乗り合わせたくらいの短時間で自分の伝えたいことを伝えるスキルです。

これはアメリカのサクセスストーリーに由来します。資金を調達するために、成功を夢見る起業家が偶然を装ってある投資家が乗るエレベーターに乗り合わせます。投資家が目的のフロアに到着するまでの短い時間で事業のプレゼンテーションを行い、資金調達に成功したという話です。

エレベータートークでは何を伝えるかの目的を明確にします。結論を先に述べるようにし、次に理由や具体例を続けます。商談などでは相手のメリットも意識した内容にすると興味を持ってもらいやすいでしょう。

話の内容がよくても、実際にうまく話せなければ意味がありません。人前で話す練習も大切です。ビジネスでなら、短い時間で上司に報告するときなどに役立ちます。相手の反応をみて改善することも大切。必要な情報だけを簡潔に話すことを意識してみましょう。

2.相手を真似て共感を得やすくする

相手を真似ると、相手から親近感を得やすくなります。これは、ミラーリングという心理学の手法のひとつ。相手に真似をしていることが知られてしまうと不快感をもたれます。あくまでもさりげなく真似るのがポイントです。

具体的に真似るのは、

  • 口角
  • 目の開き具合
  • まばたき
  • 顎の位置
  • 手の位置
  • 足の置き方
  • 呼吸

などがあげられます。

これらは無意識で作り出される状態です。つまり、その瞬間もっとも心地のいい状態だといえます。ミラーリングは相手の心地いい状態に調和を生み出すことで安心感を生み出します。ただ真似をするのではなく、これが相手にとっての心地いい状態なんだなと思うことが重要です。

違和感を感じるようなら、そのミラーリングはやめるようにしましょう。

3.相手の言っていることを繰り返す

相手の言ったことをそのまま繰り返すことで好印象を持たれやすくなります。相手が、自分のことを理解してくれていると感じるからです。これは、バックトラッキングというカウンセリングでも用いられる手法。

たとえば、友人に「映画に行こう」と誘った場合、「いいよ」と言われるのと、「いいよ、映画に行こう」と言われるのとでは後者の方が印象が良いと感じるのではないでしょうか。

バックトラッキングは、オウム返しのようにただ繰り返すだけでは効果は期待できません。返すのは、会話の中で繰り返される言葉や気持ちを強調している言葉を選びましょう。

相手が大事に思っている言葉を繰り返すことで、思いが伝わったと感じ、印象が良くなります。

4.感謝の言葉を付け加える

誰かに何かをしてもらったとき、感謝の言葉を添えてみましょう。回数でいえば、1日20回程度が理想です。仲がよさそうな人たちを観察してみると、「ありがとう」や「助かった」などの感謝の言葉が多いと感じるのではないでしょうか。

コミュニケーションがとりやすいのは、最初から気が合っているからではありません。感謝の言葉を伝えることで気が合うように感じ、会話の回数が増えるからです。感謝の言葉は言われると嬉しくなり、伝えた方もいい気分になります。これにより、お互いの距離が縮まるのです。

コミュニケーションに苦手意識がある人は、自分から話しかける勇気が出ないことがあるかもしれません。しかし、感謝の言葉ならハードルが低いのではないでしょうか。

エレベーターで誰かが「開く」ボタンを押してくれたとき、誰かがコピー用紙を補充してくれたのをみたとき、「ありがとうございます。とても助かりました」などと感謝の言葉を伝えてみましょう。このとき、やってくれたことの結果をジャッジするのではなく、やってくれたこと自体に感謝することがポイントです。

5.挨拶したら10秒程度の雑談をする

挨拶したときに、一言でいいので10秒程度で終わる雑談をしてみましょう。相手にとって答えやすい話題を投げかけることで、コミュニケーションに対するハードルを下げる効果が期待できるからです。

「おはようございます」と挨拶したあと、「今日はずいぶん寒いですね」などと付け加えます。そこで会話が終わっても大丈夫。目的は継続的に自分から会話をすることなので、中身は気にしなくて構いません。相手を楽しませる必要はないのです。

話す内容としては、以下のようなものでよいでしょう。

  • 服や髪型を褒める
  • 時事ネタ
  • 相手の仕事について尋ねる

相手が答えやすい話題を話すことを続けていくと、周りの対応が変わります。相手からも話しかけられるようになっているはずです。

1日3人、30日間続けるなど、目標を決めて挑戦してみると続けやすいでしょう。

言い方を変えてコミュニケーションを円滑にする方法5選

ここからは、「言い方」だけを変えてコミュニケーションを円滑にする方法をご紹介します。この方法は練習は必要ありません。ただ口に出すだけでよいのです。

もしかしたら初めは抵抗を感じるかもしれませんが、しばらく使っていると自分の言葉になっていきます。

似たような場面に遭遇したら、ぜひ実践してみてください。感じがいい人だと思ってもらえるでしょう。

1.自己紹介をするときは伝えたいことを質問の形にする

初対面の人に自己紹介をするとき、自分が伝えたいことを質問の形にして相手に投げかけると効果的です。ほとんどの人は自分のことしか興味がないので、一生懸命自己紹介してもなかなか聞いてくれないもの。そこで、質問の形にして伝えると相手の記憶に残ります。

自分の仕事をアピールしたいなら、「私の仕事は○○なのですが、あなたはどのような仕事をされているのですか?」などと質問します。自分の伝えたいことを質問の中に忍ばせるのです。

相手は質問に答えるので、自分のことばかり話した感覚になりますが、こちらが伝えたかったことは記憶に残るはずです。あとになって、「そういえばあの人の仕事は〇〇だったな」と思い出してもらえます。

2.否定されてもポジティブに反応する

ビジネスの提案には否定がつきものです。「ここはよくないよ」「この部分はイマイチかな」など、提案を却下されることがあるでしょう。これに対し、ついネガティブに捉えてしまいがちですが、反論すればますます状況が悪化します。

「否定はアドバイス」と心に刻み、ポジティブな反応を心がけるとよいでしょう。どのような内容でも、「勉強になります」「なるほど、ありがとうございます」と答えるのです。

否定した相手も、ある程度の反論を覚悟しているはず。それなのに、ポジティブな反応をされると、「いい人だな」という印象を持ってくれます。すると次のチャンスにつながっていきます

3.感想を伝えるときはどこが好きかを伝える

感想を伝えるのが難しいときがあるのではないでしょうか。音楽や絵画など、正解がなく、人の好みに左右されるものは、作品の評価が難しくなります。

評価の仕方によっては相手を傷つけてしまうし、「わかってないな」と思われることも。評価できるような立場ではないだろうと、憤慨される可能性もあります。目上の人に対して「素晴らしい」などと伝えると、こちらは賞賛のつもりで言っていても、上から評価している言葉としてとらえられることもあるでしょう。

このようなときは、気の利いたことを言おうとせず、「好きなところ」を素直に伝えるとよいでしょう。好きには正解も不正解も、誰かを傷つけることも、意見が衝突することもないからです。

4.悲しんでいる人には寄り添ってあげる

身内の不幸・病気・事故などに遭ってしまい、悲しんでいる人がいたら、どのような言葉をかけてあげたらよいのでしょうか。その人にしかわからない事情があるので、表面だけを見て発言すると、誰かを傷つけたり悲しませたりしてしまうかもしれません。

このようなときにできるのは、相手の気持ちに思いを馳せてそばに寄り添うことです。相手が今どんな気持ちなのかはわかりません。ですから、「わからない」という状態をそのまま伝えましょう。

相手が話をできる状態であれば、聴くことに専念します。相手の思いを受け止めることで、相手の心が少しだけ軽くなるかもしれません。

5.人の好意には素直に喜ぶ

誰かから好意をうけたら、素直に喜びましょう。たとえその好意が必要のないものだったとしてもです。「なにをしてくれたか」ではなく、「喜ばそうとしてくれたこと」に感謝するのです。

人は、やったことを喜んでもらえたらうれしくなるもの。そして、もっと喜ばせたいと思うのです。会えたこと、お話できたこと、してもらったことに対して、一生懸命喜びの気持ちを表現しましょう。「ご厚意に感謝します」などという大人の言い方ではなく、「とってもうれしいです!」と伝えましょう。感謝して喜ぶほどに、人の好意は集まってきます。

コミュニケーション上手になって人間関係を良好にすれば人生の満足度が変わる

コミュニケーション能力が高い人も、もとからできたのではなく、数をこなしていくうちにできるようになったという場合が少なくありません。今は苦手でも、練習をしていくうちにコミュニケーション上手になれる可能性は十分にあります。

生きていく上で、誰かとの関わりが必ずあります。人間関係はコミュニケーションによって良好にすることができ、人間関係が良好になると人生が楽しくなっていくでしょう。

なぜか感じがいい人の かわいい言い方』では、「感じのいい人」が実践している99個のコミュニケーション方法を、シチュエーション別に紹介しています。気の利いた話をしなくても、ちょっとした言葉の積み重ねでチャンスや情報が舞い込んでくるようになるかもしれません。

この記事でも「言い方を変えてコミュニケーションを円滑にする方法」として、一部抜粋して紹介しています。出会う人みんなにかわいがられる「かわいい言い方」が習得できる本書を、ぜひコミュニケーションの参考にしてみてください。

この記事は書籍『 なぜか感じがいい人の かわいい言い方 』の関連コラムです。