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債券とは?利益がでる理由や安定性について解説

東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!
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「株を持っていると何がいいの?」
「株と経済はどんな繋がりがあるの?」
このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

企業は、事業を運営していくために株券を発行します。株券を買うと株主になれるので、出資した企業から配当金がもらえたり、会社経営に意見できたりします。

ところが「なぜ株券を発行するのか」など、株に関する話は学校では教わらないため、理解が難しいかもしれません。

そこでこの記事では、難しい経済を100人の島に例えて分かりやすく解説した本、『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』を抜粋して、株の仕組みについて解説します。ぜひ最後までご確認ください。

株券ってなに?会社の一部の持ち主という証明書

企業に就職すると「株券」「持ち株」という言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

株券は企業が資金調達のために発行している株です。購入すると株券を手にできます
株券は会社の一部の持ち主という証明書になるので、経営がうまくいっているときには、配当金という形で持ち株に応じて〇%が配られたり、会社経営に意見したりできます。

例えば100人の島でも、ロボット会社を作ろうとしているパンダが株を発行しようとしているとしましょう。

発明家のパンダはロボット会社を作りたいのですが、資金が足りないため島の掲示板にこんな張り紙をしました。

これからロボット会社を作ります。会社の所有権を100株に分けます。1株、100万エンです

ロボット会社の株を買った住民には、次のようなメリットがあります。

  1. 会社の経営方針は株を持っている人たちの多数決で決められる
  2. 安くロボットを買える
  3. ときどき売り上げの一部をもらえる

これを聞いた住民は株を買いにきました。

パンダは自分の家に60株置いて、残り40株を4,000万エンで売りました。会社経営に関して、株の過半数以上の持ち株を持っているパンダが全部決められます。

パンダは無事に資金を集めることができ、4,000万エンでロボット会社を作ることに成功しました。そして、株を買った住民は会社の一部の持ち主になったのです。

新株は簡単にできない?保有率が下がるので株主の承認も必要

事業をスタートさせようと資金調達をしようとしますが、銀行からの融資を受けられないときがあります。そんなときは株券を発行し、住民に株主に買ってもらう方法があります。

100人の島のパンダも株券発行がうまくいき、ロボット会社を作りました。

しばらくすると、パンダのロボット会社が人気になるだろうと思った住民が、株の投機をはじめました。
それは「安いときに買って、高いときに売る」というタイミングを狙って、ロボット会社の株の売買をすることです。

1株5万エンになっているとき、従業員のイヌが心配して言いました。
株が安いから、会社が乗っ取られちゃうかも
しかし、パンダ社長は不安な顔一つせず言います。
「私が60株持っていて、絶対に売るつもりはないから大丈夫」

ある日、1株500万エンに上がったとき、従業員のトラが言いました。
「今、株が上がっているから新株を発行して売れば、1株500万エンになります。」

パンダ社長は目を輝かせて、新しく10株作って売れば5,000万エンが手に入ると考えました。
新しい株を作っても、パンダ社長の持ち株は60株のままで、それ以外の住民の持ち株が50株になるだけです。多数決でもパンダ社長が負けることはありません。

パンダ社長はさっそく新しい10株を作ろうとしました。しかし、従業員のイヌが反対したのです。
「ぼくは、会社の持ち株が20株あります。トラが19株持っているので、トラに2株買われたら、ぼくの株より多くなってしまいます」

イヌはパンダ社長が引退後、株をゆずってもらい社長になるため株の確保に必死でした。
パンダ社長はよく考えて、新しい株を作ることをやめたのでした。

実際に新株が発行されると、株価も株の保有率も下がります。それは株主も望んでいないことです。その上、新株の発行は株主の承認が必要なため、なかなか実現はしません。

株が流行っているときは経済にとってよくない?

企業が成長していき経済に良い影響を与えるのは、みんなの生活水準が上がるのでいいことです。

ただし、企業の成長に乗っかり投機で儲ける人が増えるのは経済にとって何一つよくありません。

いま100人の島では、株の投機に熱中している人が90人います。そのうち30人は投機だけで暮らせるようになっているのです。

この状況は島全体にとって非常によくないでしょう。

100人の島では食料・モノ・サービスをみんなで役割分担をして作っています。それが、100人中30人が投機しかしなくなると、70人で作るため負担が大きくなりますよね。

30人はただの紙切れを売ったり買ったりしているだけで、島全体に何も生み出さないということです。
当たり前ですが、70人でがんばるよりも、100人でがんばった方が島全体は豊かになります。島のことを考えると、決して経済にとって良いとはいえないのが難点です。

まとめ

銀行からの融資が受けられない場合、企業で株券を発行してお金を増やす方法があります。

株券を買った住民は株主になれます。株主は簡単に言えば、会社のオーナーです。そのため、会社経営に意見できたり、配当金を受け取れたりできます。

株主になると特典を受けたり、さらに値上がりしたときに売却して利益を得たりできるので、投資先として人気を集めているのです。

このように『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』では、今回ご紹介した内容の他に、「国や政府の役割」「景気と物価」などのとっつきにくいお金の話を、シンプルに分かりやすく解説しています。興味がある方は、ぜひ本書をご覧ください。


東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった! ムギタロー(著)、井上智洋、望月慎(監修)

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