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もめることなく自分の都合に合わせてもらうのに最適なメソッドとは

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「期日ギリギリの仕事をお願いしたい」「気になる人をデートに誘いたい」など、自分の要求を受け入れてもらいたいときに効果的なメソッドがあるのを知っていますか?

この記事では、無茶な要求でも受け入れてもらえる交渉術を、対人関係の全技術を凝縮した「頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術」よりご紹介します。ぜひ最後まで読んで、自分の思い描く方向に交渉を進める方法を身につけてください。

自分の都合に合わせてもらうメソッドとは

要求を受け入れてもらいやすくなるアサンプティブ・クローズ法の使い方をみていきましょう。

アサンプティグ・クローズ法とは

自分の都合に合わせてほしいときに受け入れてもらいやすくなる方法があります。「アサンプティブ・クローズ法」と呼ばれるもので、自分に都合のよい仮定をつくり、それを前提として相手に要求を提案すると、なぜか受け入れられる確率が高くなるのです。

たとえば、部下が仕事の依頼を受け入れることを前提として「この案件、いつまでにできる?」というような質問をします。

人は質問をされると、その答えを考えてしまうのです。そして本来考えるべきこと(この場合は仕事の依頼を受け入れるかどうか)を後回しにしてしまいます。

このとき、相手の「都合」や「希望」を聞くことがポイント。そうすることで相手は回答しやすくなるからです。

気になる相手をデートに誘いたいとしましょう。あなたはデートをすることを前提にして、「どの路線だったら、帰りが楽?」「苦手な料理を教えて」などと質問するのです。相手は、場所の都合だったり、自分の食べたくないものを回避できたりするので回答しやすいということ。そのあと本来の要求であるデートの誘いを受け入れやすくなります。

相手と契約を交わしたいときに、契約書のサインを促すテクニックもあります。これは質問をしないという方法。

相手にペンを差し出しながら、「そろそろ、こちらにサインを」と伝えるだけ。相手はついついサインをしてしまうのです。これは、相手が契約書にサインをすることを前提として契約を取り付けているのです。

自分が自分を大切にするという意識を持つ

自分に都合のいい仮定をつくって話を進めるのは、躊躇してしまう人もいるかもしれません。しかし、あなたの人生を自由にするためには勇気を持って使うべきです。自分の都合の良い仮定をつくり、アサンプティブ・クローズ法を活用しましょう。

会社勤めの人が、上司に休暇の申請で悩んでいるとしたら、自分が休暇を取ることを前提にした質問をすればよいのです。「○日から○日まで休暇を取るので、その間の業務の代行を□□さんにお願いしようと思っていますが、問題ないですか?」というように。

自分が自分を大切にしないで、誰が自分を守ってくれるのか」という自問自答すると、アサンプティブ・クローズ法を使う勇気が湧いてくるのではないでしょうか。

何度もくりかえすと反感を抱かれることも

アサンプティブ・クローズ法は、捉え方によってはかなり強引なやり口にもなります。相手の受け取り方次第で、関係性にダメージを与えてしまうことも。また何度もくりかえすことで反感を抱かれることがあるかもしれません。

そのため、長期的な関係性の構築には不向きだと意識しておくことが必要。ここぞ、というときにのみ使うとよいでしょう。

もしくは、相手にソフトに伝わるように「もし……だとしたら」という仮定も添えるようにしましょう。「もしお受けいただけるなら、いつまでにできそうですか?」などと質問すると相手にソフトに伝わります。

ここで提示する「仮定」は、相手が自分の要求を受け入れる「行動」よりも、要求を受け入れた「状態」で伝えた方が効果的です。

「もし、この服を購入される(行動)としたら、何色がいいですか?」よりも、「もし、この服を着てパーティに参加している(状態)ことを思い浮かべたとき、何色が似合うと思いますか?」のほうがイメージしやすいのです。

アサンプティブ・クローズ法の原理と対処法

ここでは、アサンプティブ・クローズ法の原理と対処法を説明します。

なぜ要求をうけいれてしまうのか

相手がこちらの仮定を前提にした質問に回答してしまうと、その回答内容に沿った言動を起こしやすくなります。これは「一貫性の原理」という心理が働いているため。「人の行動には、一貫性を保とうとする動機づけが働く」というものです。

交渉においては、自分の要求を受け入れたという前提をこちらでつくった状態で話を進めることで、相手はその要求を受け入れたと認識。その認識を無意識のうちに保ち続けようとするのです。

さらに、その前提の中で自分の「都合」や「希望」を一度でも口にしてしまうと、それを守ろうとしてしまいます。

その内容を実行する人同士で話し合うと、決定事項を行動に移しやすくなるといわれています。決定事項について、実行・継続の約束を交わすこと、つまり相手にコミットメントさせることで「一貫性の原理」を作用させやすくなるのです。

即答しないことで身を守る

目上の人から質問で問い詰められると、非常に逃げにくくなります。相手のアサンプティブ・クローズ法から身を守るには、「即答しないこと」です。回答を先送りにしていいかをお伺いし、「正当な理由」を付け加えましょう。

可能ならば、相手の質問に質問で返して、相手の要求内容の情報を引き出します。先に交渉材料となる情報を集め、この情報をもとにして交渉に持ち込みましょう。

まとめ

自分に都合のよい仮定をつくり、それを前提として相手に要求を提案するアサンプティブ・クローズ法を使えば、こちらの要求が通りやすくなります。くりかえし使用するのには向いていませんが、ここぞというときに効果を発揮してくれるでしょう。

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