人と比べて自分はなんて劣っているんだろう?と思うことはありませんか。または、怒りや悲しみが次々と湧き起こることはないでしょうか。
そのような場合は、自分の心の状態を知ってコントロールする習慣を身につけることが大切です。その方法をメンタルクリニック院長である須田賢太著書の『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』より紹介します。
目次
劣等感を感じるときの対処方法とは
人によって大小差はあるでしょうが、誰しも劣等感を持っています。
どんなに美人な友達も、職場でバリバリ働いている同僚も、実は人にはわからない悩みがあるかもしれません。しかし、自分が気にしていることを刺激されれば、自信を無くしてしまうでしょう。
ここでは、劣等感を感じた場合の対処方法を解説いたします。
本当に劣等感を感じる必要のあるものか考える
つらい思いを引きずる出来事はさまざまあるでしょう。しかし、本当に劣等感を感じるべきことでしょうか。少し立ち止まり考えてみましょう。
例えば、恋人と街を歩いていて、モデルのような友達に遭ったとします。友達と別れ恋人が「あの子スタイルいいね」と。自分の体形に自信のないあなたは、その一言が突き刺さるかもしれません。その状況がつらいと感じるのはふつうのことです。
でも、劣等感を持たなければいけない出来事なのでしょうか。私の友達はスタイルがいい。しかし、恋人は私のことをかわいいと言ってくれる。そもそもかわいい=優れた人間ではありません。
このように、本当に劣等感を持たなければならないのかを立ち止まって考えることで、ネガティブな感情を抑えられます。
自分より恵まれていない人と比較する
自分が劣等感を感じている部分があれば、自分より恵まれていない、うまくいっていない人と「比較」しましょう。本来持たなくていい劣等感を無くすためのスキルです。
恋人がいなくて孤独を感じる場合は、浮気や不倫をされたSNSを見る、人生上手くいかないと感じるときは、戦争や飢餓が続く国の人を思い浮かべる。
比較すれば、感情的な思いが思考的な考えになり、苦しさから抜け出せるでしょう。
怒りや悲しみを感じたらすぐ鎮める方法
恋人や友達と遊ぶ約束をしていて、突然遊べなくなる連絡があるとします。せっかく準備していたのに。と怒りが湧き起こってくるでしょう。
このような、今この瞬間の苦しみから気をそらしたい場合のスキルをここでは紹介いたします。
活動的な感情の場合は非活動的な感情を引き起こす
「腹立たしい」は活動的な感情です。それに対して「悲しい」は非活動的な感情です。腹立たしさを鎮めるためには、非活動的な感情を引き起こすアクションを起こしましょう。
例えば「悲しい」映画を観れば、「非活動的」な感情を鎮められるでしょう。感情に訴えかけるものであれば映画でなくてもいいのです。
「悲しみ」をまぎらわせたいのであればお笑い芸人のコントを見る。
「寂しさ」から逃れたい場合は、海外の絶景風景を見る。
「不安」を感じるときは、にぎやかな音楽を聴くなど。
感情を鎮めたい場合は「活動的」「非活動的」を意識して行動するようにしましょう。
気が乗らなくてもとりあえず行動する
強い気持ちに支配され、気が乗らない場合でも感情を鎮めるにはとりあえず行動してみましょう。映画や音楽がはじまれば、その世界に感情が移ります。自分が没頭でき、感情が揺さぶられるものが効果的です。
映画やドラマ、漫画、動画、写真などなんでもいいです。自分に効果のあるものをいくつかピックアップしておいて、必要なときに観たり読んだりしましょう。自分の感情を落ち着かせるアイテムがあると感情が乱れても、すぐに落ち着くことが出来るのです。
どうして私がこんな目にと思うときは
「どうして自分だけがこんな目に合わないといけないの」と思うことはないでしょうか。そんなときは、思えば思うほどつらくなってくるでしょう。
ここからは、そんな思えば苦しさが増すばかりの時の対処方法を解説いたします。
自分の感情に意味をみつける
考えれば考えるほど苦悩が増す場合は、自分が苦しんでいることの意義や目的、苦しむことで生じる価値を見出してみましょう。多少こじつけでもいいのです。自分の納得できる意義を生み出してください。
例えば、自分なりに頑張った企画書に上司がダメ出しをした場合、悔しさや怒りが湧いてくるでしょう。「自分はまじめに取り組んでいる」「向上心を持って仕事に取り組んでいる」こういった思いがあるから苦悩してしまうのです。
苦悩は、自分が仕事への情熱をもっているため起こること。次はもっと成長するために感じている必要な感情なのです。
出来事に意味をみつける
出来事にも意義を見出しましょう。上司が提出した企画書に容赦なくダメ出した出来事にも意味を見出してみましょう。
「ダメ出しするのにも労力が必要、私の成長のためにあえて厳しく言ってくれている、いい上司だ」と意味づけをするのです。そう考えれば、考えが変わって気持ちが前向きになるでしょう。
まとめ
人はついつい他人と比較をしてしまうので、劣等感を抱くことが多いです。ところが実際は、そこまで劣等感を抱く必要のない事実も存在します。
ネガティブな感情にならないように、メンタルコントロールの方法を身に着けてみてください。
『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』では、気持ちが不安定になったり、まわりの人に強い感情をぶつけたりするのではなく、自分の心をコントロールできるようになる30の行動リストを4コママンガとともにお届けしています。
本書を読んで、自分自身を見つめてみませんか。自分のために感情を理解し、今を大切に過ごしましょう。