「人に自分のことを話すのが苦手…」
「自分の話をするのが苦手、考えながら話せない」
こんな悩みを抱えてはいませんか?
安心してください。その苦手を克服するための練習方法は実に簡単です。
この記事では、「自分の思いや考えを伝えるのが苦手」という人におすすめの、今日からできるトレーニング方法をご紹介。
私生活はもちろん、仕事やミーティングで指されるのを恐れている社会人の方も実践してみる価値ありです。
シリーズ累計90万部の『アウトプット大全』の超実践的コミック『もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら』著者の精神科医・樺沢紫苑が解説します。
目次
自分の話をするのが苦手な人向けのトレーニングとは
コロナ禍で、私たちの働き方が大きく変わりました。リモート勤務をする人が増え、ミーティングや会議もオンラインで行われるように。突然、「あなたはどう思う?」と振られて、うまく意見を言えずにしどろもどろな自分の顔が大写しに……なんて経験をしたことがある人も多いと思います。そんな会議の後は、自己嫌悪に陥ってしまいますよね。
自分の考えを相手に的確に伝えるためには、訓練が必要です。といっても、そんなに難しいものではありません。やってみてほしいのは、「昨日のことを話す」こと、ただそれだけです。読んだもの、聞いたこと、体験したことについて、第三者に話してみましょう。
「昨日は、チームのメンバーに怒られた」「昨日は、ぼーっとしてしまって仕事が進まなかった」ても、何でもいいです。とにかく正直に、脚色なく。記憶があやふやでもなんとか絞り出し、それを毎日続けていきましょう。そうすることで、自分のことを振り返り、徐々に言葉にして話せるようになっていきます。「雑談が苦手」「会話が続かない」という人は、昨日読んだ本や昨日見た映画について話すのがおすすめです。
トレーニング方法は人に「昨日の自分」を話すだけ
『学びを結果に変えるアウトプット大全』(2018)では、この「話す」をはじめ、「書く」「行動する」「伝える」などといったアウトプットの重要性と、その具体的な方法を紹介しています。そして、同書を完全オリジナルストーリーで漫画化したのが『もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら』です。
主人公の外山健(とやまたける)は、顔色も悪く、頭も回転せず、アイデアもまったく出ない「社畜ゾンビ」状態の会社員。途方に暮れる健は、ある人物から「昨日はどんな日でしたか?」と話しかけられます。そして、その問いに毎日必死に答えることで、徐々に自分の言葉を話せるようになっていきます。健にとって、「話す」というアウトプットを始めたことが、現状を変える第一歩となったのです。
このように、「昨日のことを話す」というのは、最も簡単なアウトプットなのです。初めてのアウトプット・トレーニングに最適ですし、アウトプットに苦手意識がある人でも、これならなんとか続けられるでしょう。
自分の思いや考えを伝えると会話に価値が生まれる
先述のとおり、話すのは自分に起こった出来事以外でもかまいません。昨日読んだ本や、昨日見た映画の内容の話を、家族にして、友人にして、後輩にする。アウトプットには「2週間に3回使った情報は長期記憶される」という基本法則がありますが、1週間以内に3回、本や映画について人に話すことができれば、楽々クリアできます。
そして、「感想を話す」ときは、自分の意見をひとつでもいいから盛り込みましょう。「自分がどう思い、どう感じたのか」。そこにあなたらしさが盛り込まれると、あなたの話に価値が生まれ、耳を傾けたくなります。
たかが「昨日のことを話す」とバカにしてはいけません。1週間でも「話す」アウトプットを続ければ、小さな結果、変化が得られるはず。リモート社会で人と接する機会が減った今こそ、人と「話す」ことに価値があります。「話す」機会を積極的に見つけて、自分の頭の中にある考えをどんどんアウトプットしていきましょう。
この記事は、”もしも社畜ゾンビが『アウトプット大全』を読んだら” 樺沢紫苑(著)・齋藤邦雄(漫画) の新刊コラムです。