聞き上手な人は、あまり自分の話をしないという印象を持っている人がいるかもしれません。ただし、自分の話をしなければ、聞き上手になれるとは限らず、ただ「自分の話をあまりしない人」という印象を与えてしまうこともあります。
できれば周りから「聞き上手」と褒められるようなコミュニケーション方法を知りたいですよね。
この記事では、聞き上手のメリットやデメリット、理想の聞き上手になる方法を紹介しています。聞き上手になればコミュニケーションがうまくいくようになり、周りの人から信頼されるようになるでしょう。ぜひ最後まで読んで、理想の聞き上手になるヒントを見つけてください。
目次
「聞き上手な人」と「自分の話をしない人」の違い
「聞き上手な人」と「自分の話をしない人」は、似ているようにも感じますが実際には大きな違いがあります。詳しくみていきましょう。
「聞き上手な人」はバランスの取れたコミュニケーションができる
聞き上手な人は、相手の話に耳を傾けながらも適切なタイミングで自分の意見や考えを伝えることができます。相手の話を聞くことに重点を置きつつ、双方向のコミュニケーションを心がけているのです。これにより、相手との信頼関係を築きながら自分の意見も伝えています。
友人の悩みを聞く際には、ただ頷くだけでなく、自分の経験や感想を伝えることで共感を示します。相手は自分の話を真剣に受け止めてもらっていると感じ、安心して話すことができます。相手を尊重しつつ自分の意見も適切に伝えられるので、良好な関係を築けているでしょう。
「自分の話をしない人」は一方的なコミュニケーションになる
自分の話をしない人は、相手の話ばかりを聞いていて、自分の意見や考えを言うことはありません。相手を尊重しているように見えますが、実際にはバランスが取れていないので、一方的なコミュニケーションになってしまい、相手に自分への関心のなさを感じさせてしまうでしょう。
一方的なコミュニケーションは相手との関係に悪影響を及ぼし、関係を維持することが困難になるでしょう。自分の話をまったくしないのは、深い信頼関係を築けなくなってしまいます。
「聞き上手な人」や「自分の話をしない人」が人間関係におよぼす影響
「聞き上手な人」と「自分の話をしない人」が人間関係に及ぼす影響を詳しくみていきましょう。
「聞き上手な人」は長期的な関係構築ができる
聞き上手な人は相手の話に耳を傾け、適切な質問をすることで相手に安心感を与えるので、信頼関係を深めることができます。相手の意見を尊重しつつ自分の考えも伝えられるので、共感を深めることもできるでしょう。
このようなコミュニケーションを重ねることで信頼関係を築くことができます。周囲からも信頼される存在となり、長期的に良好な人間関係を保っているでしょう。
「自分の話をしない人」は関係の維持が困難になることも
自分の話をしない人は、一方的なコミュニケーションになりがちです。自分の意見や考えを言わないので、相手に関心のなさを感じさせてしまいます。どういう人なのかがわからないので、相手は共通点を見つけられず話が盛り上がりません。
長期的にみると、このような関係は維持していくことが難しくなってしまうでしょう。関係が希薄になり、長続きしにくいのです。
聞き上手のメリット
聞き上手になることには、いくつかのメリットがあります。ここでは、次の3つのメリットを説明します。
- 相手のことをより深く理解できる
- 相手との信頼関係を築けるようになる
- 周囲の人に信頼される
それぞれ詳しくみていきましょう。
相手のことをより深く理解できる
聞き上手な人は、相手の話に耳を傾け、適切な質問をするので、相手のことをより深く理解することができます。相手の考えや感情を汲み取れるので、相手が必要としている対応やアドバイスが可能です。
家族や友人の悩みを聞く際に、その背景や真意を理解することで的確な助言をすることができるようになります。これにより、相手との関係性をよりよいものにできるでしょう。
相手との信頼関係を築けるようになる
相手の話をじっくりと聞くことは、相手を尊重し、相手に対する関心を示すことにつながります。相手は自分の話を真剣に受け止めて守られ得ていると感じ、安心して話すことができるのです。
例えば仕事の場面では、同僚の意見や提案を積極的に聞くことで、信頼関係が築かれてチーム全体のコミュニケーションが円滑になるでしょう。聞き上手であることは、信頼関係を構築するための重要な要素となるのです、
周囲の人に信頼される
聞き上手な人は、周りの人から信頼されることが多いでしょう。相手の話をしっかりと聞き、適切な反応を示すことで、相手に対する敬意や配慮が伝わるからです。
上司が部下の意見や悩みを真剣に聞くことで、部下は上司に対して信頼感を抱き、仕事に対するモチベーションがあがることも。聞き上手であることは、人間関係においてとても重要なスキルであるといえるでしょう。
聞き上手ではなく「自分の話をしない人」のデメリット
ここでは、「自分の話をしない人」であることのデメリットを解説します。
- 自分の意見や考えが伝わりにくい
- 一方的な関係になってしまい、疲弊することもある
- 自分の好きなことや夢中になっていることを共有しにくい
詳しくみていきましょう。
自分の意見や考えが伝わりにくい
自分の話をしない人は、相手の話を優先するあまり、自分の意見や考えを伝える機会が少なくなりがちです。自分の意見が伝わりにくくなり、誤解を招くこともあるでしょう。
会議などで他人の意見を尊重しすぎてしまい、自分の意見を十分に伝えられないと、結果として意図が伝わらず、プロジェクトの進行に影響を与えてしまうことも考えられます。重要な決定をする際や、自分の意見を主張する必要がある場面では、聞き手に立ちすぎることがデメリットになってしまう可能性もあるでしょう。
一方的な関係になってしまい、疲弊することもある
自分の話をしない人は、相手の話を聞くことに集中しすぎて、一方的に話を聞くだけの相手になってしまうこともあります。この状態が続くと、精神的に疲れてしまうことも。友人の悩みをつねに聞いていると、自分の感情やストレスを発散する機会が減ってしまうのです。
聞き上手であることは重要なスキルではありますが、自分のメンタルも大切にすることを心がける必要があります。
自分の好きなことや夢中になっていることを共有しにくい
相手の話を優先するあまり、自分の興味や関心を話す機会が減ることがあります。相手に自分のことを理解してもらえず、共通の話題を見つけにくくなることもあるでしょう。
自分の趣味の話をしたいと思っても、相手の話を優先してしまって自分の話をするタイミングを逃してしまうことも。自分の話も適度にするように心がけると、相手との共通の話題を見つけやすくなり、より深い關係を築くことができます。
聞き上手になるための具体的な方法とコツ
ここでは、聞き上手になるための方法とコツを4つご紹介します。
- 相手に興味を持って理解を深めるための質問をする
- 適度な相づちをして共感を示す
- 先入観や自分の価値観での判断を控える
- 自分の意見は控えめに述べる
次から詳しくみていきましょう。
相手に興味を持って理解を深めるための質問をする
聞き上手になるためには、相手に興味を持ち、理解を深めるための質問をすることが大切です。質問を通して相手の考えを掘り下げることで、より深いコミュニケーションができるようになります。
たとえば、「どうしてそう思ったのですか?」「具体的にはどのようなことがあったのですか?」といった質問をすることで相手の話の背景や意図を明らかにできます。
また、質問をすることで相手に対して自分が真剣に話を聞いていると示すことができ、信頼関係を築くことにもつながるでしょう。
適度な相づちをして共感を示す
相手の話を聞く際に適度な相づちを打って共感を示すことも、聞き上手になるポイントです。相づちは、しっかり話を聞いてくれているという安心感を相手に与えます。
おすすめの相づちは「バックトラッキング(オウム返し)」という手法です。
相手の話を自分も繰り返すことで、しっかり話を聞いている・共感しているというアピールにつながります。
例えば「趣味は映画です」と言われたときに「そうなんですね」ではなく「映画なんですね」と、相手の言った内容をそのまま繰り返してみましょう。
バックトラッキングを用いた適度な相づちによって、相手とのコミュニケーションを円滑にできます。ただし、同じ言葉を何度も繰り返すなど、相手が不快に感じるものは逆効果になるので注意しましょう。
先入観や自分の価値観での判断を控える
聞き上手になるためには、相手の話を先入観や自分の価値観で判断しないことが大切です。相手の話をそのまま受け入れ、理解する姿勢を持つことで、相手に対する共感が深まるからです。
相手の意見が自分とは異なる場合でも、いったん相手の意見を受け入れて理解しようとする姿勢が大切です。相手の立場に立って考えることで、相手は自分の話を尊重されていると感じ、より深い信頼関係を築けるようになるでしょう。
自分の意見は控えめに述べる
聞き上手な人は、自分の意見を控えめに述べています。相手の話を尊重しつつ、自分の意見を適度に伝えることでバランスの取れたコミュニケーションをすることができます。相手の話を十分に聞いたうえで、求められた場合には自分の意見も伝えるようにしましょう。
「私もそう思いますが、こんな考え方もあります」「私はこう思うけれど、あなたはどう思う?」と相手の意見を尊重する姿勢を示すと、相手に対する配慮が伝わります。すると、相手との対話が円滑になるのです。
聞き上手になることと言い方の工夫でコミュニケーション上手になる
「聞き上手な人」は、「自分の話をしない人」とは違いがあります。相手の話に興味を持ち理解しようとする姿勢が、相手から話を引き出し、円滑なコミュニケーションにつながります。このため、聞き上手な人は周りの人から信頼される人であるといえるでしょう。
コミュニケーションを円滑にしたいなら、言い方を変えてみるという方法もあります。山﨑拓巳氏著書の『なぜか感じのいい人のかわいい言い方』では、感じがよくなる言い方を紹介しています。聞き上手のコツと一緒に「かわいい言い方」も身につければ、コミュニケーションが上手になって人間関係の悩みが減るかもしれません。