「自分だけ仕事が多すぎる気がする…」
「他の人はなぜこなせているのだろう」
こんな悩みを抱えている方は少なくありません。実は、仕事量が多いと感じる原因は、単なる業務量の違いだけでなく、仕事の進め方や心理的な要因が隠れていることも。では、本当に自分だけ仕事量が多いのかどうかを見極め、適切に対処するにはどうすればよいのでしょうか?
この記事では、仕事量の多さに悩んでいる場合の客観的な判断基準や具体的な改善方法について解説します。仕事量の偏りを解消し、よりスムーズな職場環境を作るためのヒントとして、ぜひ最後までお読みください。
目次
自分だけ仕事量が多いのは勘違い?多いかどうかを判断する6つの方法
自分だけ仕事量が多いと感じるのは勘違いなのかを見極める方法を紹介します。
- 同僚の仕事量と比較してみる
- 残業など勤務時間を確認する
- 休日出勤や持ち帰り仕事の有無を確認する
- 仕事の効率が悪い可能性
- 仕事量を把握できていない
- ストレスや疲れが溜まっている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
同僚の仕事量と比較してみる
同じ部署や同じ役職の同僚と比較してみましょう。ただし、単純に仕事の量だけでなく、仕事の難易度や責任の重さ、期待されている成果の質も考慮する必要があります。単純な作業と複雑な作業とでは同じ1件でも仕事量は異なるからです。
期待されているから多くの仕事を任されていたり、仕事が早いとの評価から多くの仕事が回ってくることもありますが、嫌がらせが発生している場合もあります。この場合は上司や人事部門に相談することも検討しましょう。
残業など勤務時間を確認する
仕事量の多さは、勤務時間の長さに比例することが多いです。確認するには、毎日の始業時間と終業時間を1週間程度記録してみましょう。同時に、休憩時間や会議の時間なども記録しておくと、より正確な実態がつかめます。
その上で同僚の勤務時間と比較したり、会社の規定の勤務時間と照らし合わせたりすることで、客観的な判断が可能になります。定時で帰れている同僚が多い中、自分だけが毎日残業しているような場合は、仕事量が多い可能性があります。
休日出勤や持ち帰り仕事の有無を確認する
平日の残業だけでなく、休日出勤や持ち帰り仕事の状況も重要な判断材料となります。 まず、過去1ヶ月程度の休日出勤の回数を確認してみましょう。また、家に持ち帰って仕事をしている時間についても、できるだけ正確に把握します。
業務時間外も仕事をしないと間に合わない場合は、担当業務の量が多すぎる可能性が高いと言えます。特に、同僚が休日を取れているにもかかわらず、自分だけが休日出勤している状況は要注意です。
仕事の効率が悪い可能性
自分だけ仕事量が多いと感じる原因の一つに、仕事の効率の悪さがあります。
同じ仕事をこなすのに、他の人より時間がかかっていないか確認しましょう。効率が悪い場合、仕事量は同じでも、自分だけが忙しいと感じてしまう可能性があります。
効率の良い進め方を知らない、必要以上に時間をかけている、といった可能性も考えられます。効率を上げるためには、仕事の優先順位をつける、集中力を高める、適切なツールを活用するなどの工夫が必要です。
仕事量を把握できていない
日々の業務内容や所要時間を記録していなかったり、締め切りの管理ができていなかったりすると、「自分だけ忙しい」と感じる原因となります。実際の仕事量を正確に把握できていないと、実際以上に仕事量が多いと感じてしまう可能性があるからです。
また、抱えている仕事量を把握できていないと、追加で仕事を依頼された場合に受けられるかどうかの判断が曖昧になってしまいます。本当はもう抱えきれないはずなのに、断れずに引き受けてしまうことにもなり、仕事量が増えていく可能性もあります。
ストレスや疲れが溜まっている
ストレスや疲れが蓄積すると、通常の業務量でも「多すぎる」と感じやすくなります。また、集中力が低下することで作業効率も下がり、さらに仕事が溜まってしまう悪循環に陥ってしまいます。
十分な休息が取れているか、ストレス解消法を持っているかを確認しましょう。定期的に自己のコンディションをチェックすることも大切です。
自分だけ仕事量が多いと感じるときの7つの対処法
自分だけ仕事量が多いと感じるときの対処法をご紹介します。
- 仕事量を客観視する
- 仕事の手順を明確にして効率をあげる
- スムーズなコミュニケーションを心がける
- 上司に相談する
- 依頼される仕事を断る勇気を持つ
- 心身の健康を保つようにする
- 環境を変える
それぞれの対処法について次から解説していきます。
1.仕事量を客観視する
まず大切なのは、自分の仕事量を客観的に把握することです。そのためにおすすめなのは、手順書を作ることです。手順書とは、自分の抱えているすべてのタスクを書き出し、そのタスクを終わらせるための手順を締切とともに明らかにするものです。手順書の作成手順は次のようになります。
- すべてのタスクを書き出す
- タスクを終わらせる手順を細かく書く
- 書き出した手順を誰がやるものなのかを明確にする
- タスクと手順に仮の締め切りを入れる
タスクを終わらせれるまでの手順や締切などは正しいかどうかわからない場合もあります。それでも、自分なりに書いておき、違っていたらその都度書き換えれば問題ありません。タスクを完了させるまでの流れを書いていくと、仕事の全体像が見えてきます。
すると、自分が抱えている仕事の本当のボリュームがわかってきます。仕事量が多いときは追加の仕事を自信を持って断れるようになったり、仕事量について上司に相談しやすくなります。反対にそれほどでもなかった場合は、仕事のやり方や効率を考えられるようになるのです。
2.仕事の手順を明確にして効率をあげる
仕事量が多すぎる場合は上司に相談するなどして減らすべきですが、自分が手放すことによって別の人の負担になることもあるので、減らしきれないこともあります。この場合は、効率をあげることで仕事にかかる時間を減らすことも対策として有効です。
先に紹介した手順書を使い、段取り良く仕事をこなせるようにしていきましょう。具体的には、手順書に書いた手順を、これ以上できないくらいに細かく刻みます。こうしておくと何かの事情で作業が中断しても、すぐに現状把握ができます。
また、締め切りを意識することで仕事の進め方が明確になります。手順書には締め切りも設定してあるので、それに沿って仕事を進められます。設定した締切が適切かどうかも確認しながら作業をしてくと、スケジュール感も身についていくのです。
3.スムーズなコミュニケーションを心がける
仕事はチームで行うものです。同僚や上司との意思疎通が不足していると、不必要な作業が発生したり、作業の重複が起きたりする可能性があります。想定していた以上の仕事量になってしまうのです。
とはいえ、コミュニケーションが苦手な人も少なくありません。上手く話そうとしなくても、正確に伝わることを意識するだけでコミュニケーションがスムーズになります。
たとえば、「これ」「それ」「あれ」「どれ」という指示語は「こそあど言葉」と言いますが、これらは仕事のミスが起こりやすい言葉です。こそあど言葉は使わないようにし、言われたらその場で相手に確認するようにしましょう。
同様に、曖昧なことを言われたら、具体的にどういうことかを質問することが大切です。面倒だと思われるかもしれませんが、コミュニケーションの行き違いを防ぐことのほうが重要です。仕事はきちんと具体化して進めましょう。
4.上司に相談する
仕事量が明らかに多いと感じたときは上司に相談してみましょう。手順書を作成していれば仕事量を具体的に説明できるので、相談がしやすくなります。自分一人で抱え込まず、上司に現状を報告し、アドバイスを求めることも必要です。
上司は部下の業務状況を把握し、適切なサポートを提供する立場にあります。上司に相談することで解決の糸口が見つかるかもしれません。自分なりの改善案も併せて提案するとなおよいでしょう。
5.依頼される仕事を断る勇気を持つ
仕事が多すぎる場合は、きちんと断る勇気も必要です。とはいえ、その勇気がなくて多くの仕事を抱える羽目になっている人も少なくありません。簡単に断れるなら仕事量の多さに悩むことはないはずです。
しかし、手順書をしっかり作って仕事のボリュームが明確になると、自信を持ってこれ以上は無理だと言えるようになります。パンパンに物が詰まったカバンには、これ以上何も入らないとわかります。これと同じで、常識的に無理だと思うことができれば断れるようになるのです。
6.心身の健康を保つようにする
ストレスや疲労の蓄積は生産性の低下を招きます。そのため、適切な休息と健康管理は不可欠です。「忙しくて健康管理や運動どころではない」と感じる人も多いでしょう。しかし、むしろ忙しい時こそ健康管理が必要です。
デスクで簡単なストレッチをしたり、深呼吸を意識的に行ったりなど、小さな工夫から始めましょう。通勤時間を活用して、一駅分歩くなど、日常生活に運動を取り入れる方法もあります。
健康管理は、長期的に見れば仕事の生産性向上につながります。忙しさを理由に後回しにせず、できることから少しずつ始めることが大切です。
7.環境を変える
職場環境の変更を検討することも一つの方法です。 さまざまな対策を試みても改善が見られない場合、部署異動や転職という選択肢を考えることも必要かもしれません。
ただし、環境を変える前に現在の状況を十分に分析し、本当に環境の変更が最善の解決策なのかを慎重に検討することが重要です。異動や転職を考える際は、キャリアプランや将来の目標も含めて総合的に判断しましょう。
自分だけ仕事量が多いと感じるなら手順書を作ることでスッキリする
仕事量というのは曖昧です。判断基準を知り、自分の仕事が多すぎると感じた人も、実際は勘違いだったのかもと感じた人も、手順書を作って仕事の全体量を把握できると対処できるようになります。
小鳥遊氏・F太氏の著書『容量がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』では、手順書の詳しい作り方や、手順書を使った仕事術を丁寧に紹介しています。どのような仕事でも基本は手順書を作ることです。ぜひこの本を読んで、仕事の悩みを手放していってください。