職場の同僚や上司から仕事を依頼されたけれど「正直量が多すぎて、どのようにこなしたらいいかわからない」と感じた経験があるのではないでしょうか。また依頼された仕事を断れず、パンクしそうになっている方もいるかもしれません。
仕事で無理をして体を壊したり、仕事ができなくなったりする前に、パンクしないために改善することが大切です。
「仕事を頼まれるのはいいけど、量が多すぎて何から手を付けたらいいかわからない」
「仕事を受けすぎて残業が続いているし、このままだと体を壊しそう」
「キャパオーバーする前にしっかりと対策したい」
このような悩みがあるかも知れません。今回は、F太氏・小鳥遊氏著書の『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』から、仕事量が多くてパンクしないための改善方法を紹介します。
目次
仕事が多すぎると心身ともに悪影響を及ぼす
仕事の量が増えることでパニック状態になるだけではなく、以下のような状態になります。
- 体の不調が起こる
- 無気力になる
- ミスが増える
ひとつずつ見ていきましょう。
体の不調が起こる
仕事量が増えることで長時間労働になりやすく、睡眠や食事が疎かになりがちです。長時間労働が続くことで体調不良になりやすく、また一度体調を崩してしまうと疲労回復までに時間がかかります。
さらに体だけではなくメンタルにも影響が出るため、放置しておくとうつ病などの精神的な病気に繋がる可能性もあります。
無気力になる
仕事量が多すぎることでストレスが溜まって無気力になり、調整しようという気持ちが薄くなります。また何もやる気が起きないため、休息をする気力もなくなります。仕事量でパンクする前に、上司に相談することが必要です。
ミスが増える
仕事が増えるとその分確認事項も多くなるため、ゆっくりと時間を取って確認作業を行うことが困難になります。たとえば前にできていたことができなくなってしまうといったように、ミスが増えるリスクが高くなるのです。
ミスが続くことで怒られ、ミスを起こさないようにするために確認に時間が増えて作業効率が悪くなるといった悪循環につながるでしょう。
仕事多すぎるとこなせなくなる5つの原因
仕事が多くなったときにこなせなくなる原因として、以下の5つが挙げられます。
- 業務の属人化が起きている
- 仕事を受けすぎてしまう
- パワハラの可能性がある
- 仕事に完璧を求めすぎてしまう
- 業務の見立てができていない
今回紹介する5つの原因があてはまっていないかどうかを振り返ってみましょう。それぞれ説明します。
1.業務の属人化が起きている
仕事量が多すぎてこなせなくなる原因として、業務の属人化が起きている可能性があります。業務の属人化とは、「この事務業務は○さんしかできない」となり、事務作業がその人に集中することです。他の誰かに任せられないため夜遅くまで残業するなど、ひとりで仕事を抱える状態になります。
2.仕事を受けすぎてしまう
上司や同僚からの仕事を受けすぎてしまうと仕事がどんどん溜まっていき、パンクするおそれがあります。また「あの人だったら何でも引き受けてくれる」と思われてしまい、特定の人に仕事が集中してしまうでしょう。キャパオーバーする前に周囲に助けを求めたり、困っていると相談したりするなど対策が必要です。
3.パワハラの可能性がある
ひとりに対して仕事に集中して仕事がこなせなくなっている場合、パワハラの可能性があります。しっかりとした理由がなく仕事を振られることで忙しくなり、体に影響が出始めます。パワハラだと感じたら、以下のように対処しましょう。
- 自分でなんとかできる場合はタスク管理を行う
- 会社の相談窓口への相談
- 労働基準監督署へ相談する
残業が多い場合は記録をとっておきましょう。パワハラで心身に影響が出ている場合は心療内科に受診や、転職の検討が必要です。
4.仕事に完璧を求めすぎてしまう
仕事に対して完璧を求めすぎてしまうと、作業効率が落ちることでこなせなくなってしまいます。また作業全体をスムーズに進めるためには、納品までに必要な最低限レベルの理解が必要となります。納期を意識しつつ、60〜70点を意識しながら仕上げることが大切です。
5.業務の見立てができていない
業務の見立てや割り振りがしっかりとできていない場合、仕事量が多くなりすぎる場合があります。たとえば「半日で終わる予定の仕事が、3日ほどかかってしまった」というケースです。適切な指示を出すために、マネジメントやアセスメントスキルをしっかりと身につけることが求められます。
仕事が多すぎてパンクしないための改善方法7つ
仕事が多すぎてパンクする状況を回避するために、以下の改善策を試してみましょう。
- 仕事を断る勇気を持つ
- ひとりで抱えすぎない
- やらないことを決める
- タスクの手順を書き出す
- タスクの中に仮の締め切りを入れる
- 2分以内に終わる作業はすぐに対応する
- 仕事の手順書を作ってみる
仕事量と締め切りを決めつつ、ときには仕事を断ることも必要です。
それぞれ見ていきましょう。
1.仕事を断る勇気を持つ
頼まれた仕事をすべて引き受けてしまうとパンクするため、断る勇気を持ちましょう。どのように断ったらいいかわからない場合は、以下の方法を試してみてください。
- 感謝とお詫びを伝える
- できない理由を簡単に伝える
- 代替案を提案してみる
できない理由は正直に「仕事が立て込んでいる」と伝えましょう。その後「来週以降であればお受けできます」「今は○は難しいですが○であれば対応できます」など、可能な代替案を提案してみてください。
2.ひとりで抱えすぎない
仕事をひとりで抱えすぎてしまうと、以下の悪循環が起きやすくなります。
- 仕事を抱えすぎてミスが増える
- ミスがクレームに繋がる
- クレーム処理に時間がかかる
- 他の仕事に手が回らなくなる
ひとりで仕事を抱えるのではなく、人に仕事を頼んだり割り振ったりすることが大切です。仕事の割り振りができない場合は、上司に「仕事が多すぎて困っている」と正直に伝えてみてもよいでしょう。パンクする前に、上司や同僚に困っていることをアピールすることが大切です。
3.やらないことを決める
業務上やることではなく、やらないことをしっかりと決めることで、作業がスムーズに進められます。また「すべてが中途半端になってしまう」という状況から抜けられます。やらないことの決め方は、以下のとおりです。
- 仕事のやること・やらないことをグループ分けする
- 自分の基準を決める
- やらないことリストを作ってみる
やらないことが決まったら、誰にどのタイミングで依頼をするかまで検討します。依頼先まで決めておくことで仕事をひとりで抱えず、連携して仕事ができます。
4.タスクの手順を書き出す
自分が行うタスクの手順を書き出すことで、何をすべきか明確にしましょう。たとえば「新しい商品開発のプレゼン資料」を作成する場合、以下のようにタスクを細かくわけます。
- テーマ・コンセプトを決める
- 資料を集める
- 下書きを作る
- 上司へチェックをお願いする
- 上司からの返答
自分の作業が達成するまでの道のりを最後まで書き切ることがポイントです。仮の手順でよいので、仕事の全体像を把握するために、一通り書き出してみてください。
5.タスクに対して仮の締め切りを入れる
タスクを書き出したら、見通しを立てやすくするために「仮の締め切り」を入れておくことが大切です。
各タスクの締切だけではなく手順ひとつひとつに対して、いつまでにやるのかと締め切りをつけましょう。自分なりの日付や時間を仮に立ててみて難しそうと判断したら、締め切りをずらすなど調整してみてください。
6.2分以内に終わる作業はすぐに対応する
2分以内に終わる作業はすぐに対応し、早めに終わらせましょう。先延ばししてしまうと仕事が次々とたまって処理できなくなり、キャパオーバーしてしまいます。
2分程度で終わるものを先にこなすことでタスク漏れの防止や焦りがなくなるため、落ち着いて時間のかかる仕事に集中できます。メールの返信作業などできそうなことから対応してみてください。
7.仕事の手順書を作ってみる
仕事量が多くなってきたときこそ、仕事の手順書を作ってみることがおすすめです。手順書を作っておくことで、作業内容や進行がスムーズになります。また上司から業務進捗を尋ねられたときに、すぐに答えられるようにもなります。
1.作業範囲を明確化 |
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2.仕事内容の洗い出し |
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3.構成作成 |
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4.作業内容の記載 |
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5.手順書通りに作業 |
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手順書は仕事の全体像が見えるため、改善点に気づきやすく、効率的に進めやすくなるのもメリットです。また、仕事の効率が良くなるだけではなく、チームメンバーとの情報共有や他部署との連携でも役立つため作成してみてください。
優先順位をしっかりと決めて仕事をスムーズにこなせるようになろう
仕事量の多さからパンクしないためには、仕事の優先順位を確認し、ひとりで抱えないことが大切です。今回は『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』から、おすすめの改善方法を紹介しました。
また「仕事の手順書」の作り方や活用例もしっかりと書かれているため、ミスを減らして仕事をしたい方にもピッタリの本となっています。仕事を進めていくうえで、著書の体験談も参考になるため『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』を、手にとってみてください。