2.リハビリ期間
レスト期間でじっくり休んだ身体。それを少しずつ現実世界に慣らしていく作業をしていきます。イメージとしては、ずっと「沖縄」に住んでいた人が急に「北海道」に引っ越すようなものです。暑いところから、寒いところに環境が変わる感覚。
ですので、身体を新しい環境に馴染ませるには時間がかかってしまいます。
今までずっと引きこもって寝ていて、急に外出をしたら。体力が大幅に減っているので、ダウンしてしまうのは仕方のないことなんですよね。ですから、少しずつ身体を動かして体力をつけていく必要があります。
要するに、家にいる時。安全な場所で存在している際に、状態が良くなってきた時。次のステップに進むタイミングのように感じます。ただ大切なことなので、何回も言わせていただきます。「石橋を叩いて壊す」くらい慎重にやっていきましょう。
多くの人がリハビリ期間の過ごし方でミスをしています。
具体的には「負荷を一気に上げてしまう」という点です。例えば、筋トレ。ダンベルの重さを最初は軽いものから始めるのが一般的だと思います。理由としては、ケガをしてしまうから。痛めてしまったり、筋肉痛がひどくなる可能性が高いです。
うつ病のリハビリも同じ。いきなり「8時間」も働くなどの活動する量を増やしてしまうと。身体がビックリしてしまい、いつもより緊張してエネルギーを多く使ってしまうんです。
だからこそ、少しずつ量を増やしていきます。
私の場合は「深夜に5分の散歩」からでした。翌日に3日レスト期間に戻ってダウン。そこから、調子を上げて再チャレンジ。そして、2日レスト期間に移行してダウン。反動が亡くなったタイミングで散歩の時間と距離を増やす。という感じ。
地道な作業のような形になりますが、こうすることで働き続けるために「必要な体力」を少しずつ取り戻しました「これくらい動いてもダウンしない」という許容できる量を知ることで、復職しても再発する可能性を減らすことができます。
3.思考のトライ&エラー期間
1.2は身体を重点的にケアしてきましたが、ここからは「生きやすい考え方」についてを模索するフェーズになります。実は「思考」「マインド」を整えることが寛解するために必要な最後のピースだと思っています。
「元気になったから、働いてしまおう!」
と焦ってしまうケースが多く、私もそれで再発のバーゲンセールになってしまいました。昔と同じような「考え方」や「働き方」をしていては、長期的に回復したとは言えなかったんですよね。
例えば、うつ病から回復できたとしても。考え方や働き方が同じだった場合。「出勤数」「労働時間」「職場環境」が以前と同じである確率が高く、再びうつ病になってしまうケースが高いからです。
プロ野球選手のピッチャーが練習で投げ過ぎケガをして、手術をして治療をしたのに。また同じ練習方法をして再び手術をしてしまう。イメージでいえば、そのような感じだと思ってください。
新しい自分の考え方を創る。うつ病になる前と変わる。
私は過去と比べると「生き方」というレベルから変えてきました。今まで他人の役に立とう、嫌われないようにしよう。そんな考えから「まず自分が楽しく生きよう」と考えることで「自分を責める」ことがなくなり、うつ病の症状が次第になくなっていきました。
方法として、自分の人生を20周ほど振り返り「どうしたら、楽しく過ごせたのか」「どうしたら、後悔がなかったのか」という観点から分析。もう一度、同じ場面になった時。誤った選択をしないように考えるようにしました。
利用した経験はありませんが、公認心理師や心理カウンセラーさんの力を借りるとしたら。この場面で使った方がいいと思います。
生きやすい考え方と環境の冒険。
うつ病になった後の自分が生きやすい人生。それをゴールに考え、いろいろ試行錯誤して3年が経ちました。答えが出ない分、時間はかかってしまいますが。少しずつ前に進んで状態が良くなってきました。
自分の状態を見極めて適切な対応を
いかがでしたでしょうか。この「3つの過程」でするべきポイントを絞って、実行し続けた結果。身体も元気になってきました。私は7年近くかかってしまいましたが、これを読んで理解していただけたら。もっと早く治る可能性は高まると思ってます。
「どうしたらいいか、分からない」
療養生活をしていると不安に襲われると思います。将来のこと、周りからの評判。生活のこと、仕事のこと。焦ってしまう気持ちを抑えるのはムリなのかもしれません。私も再発を6回ほど経験していますので。
ですが、個人として。治るルートとして、自分自身もそうでしたし。他の克服した方も同じような経路で回復していると思っています。ただのフリーター29歳。こんな経験談がお役に立てたら、嬉しい。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
(画像提供:iStock.com/Yuri_Arcurs)