うつ病になった僕が伝えたいこと

うつ病歴10年のボクが「上手な病院の使い方」について解説します。

#連載エッセイ
#うつ病になった僕が伝えたいこと

「うつ病かもしれないけど、病院には行きたくない」

そんな10年前のボクみたいな人がいたら、ぜひ読んで欲しい記事になります。

こんにちは。『うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと』という本の著者です。X(旧Twitter)でフォロワー約25,000名。ココナラで「うつ病彼氏の恋愛相談」の仕事を約250件。うつ病になって9年目に突入しました。「デラさん」という名前で活動しています。

うつ病を発症して約10年が経とうとしています。22歳の夏に身体が動かずに起き上がれなくなってから、現在に至るまでの間。ある程度ふつうの人のように活動できる体力とメンタルを取り戻すために効果のあったものを挙げると「考え方の変化」「病院でのサポート」「消耗しない環境」だと思っています。

今回は自分なりの病院の使い方。この記事を読むことで、通院する時に意識していたこと。病院の正しい利用方法。あまり世の中に普及していないような考え方を伝えられたらと思っています。最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

この記事は書籍『 うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと 』の関連コラムです。

うつ病かもの時点で病院に行こう

どんなに軽症だったとしても、病院に行っても良いと思っています。むしろ、ここで病院に行くという選択が取れない人こそ要注意です。

ネットには「うつ病チェック」みたいな簡易的なものがありますが、基準としては「これを使おうとしている人は全員」病院に行った方がいいです。何かしら疑いを感じている時点で病院に行く理由としてはOK。

ボクはそのレベルでも受診することを決心して良いと思っています。我慢したり、耐えようと思ってる人の多くは「まだ重症ではないから」「他の重症な人に申し訳ないから」など理由をつけてしまうかもしれませんね。

この発想をしている人こそ「うつ病になりやすい人の特徴」でもあるので、絶対に今すぐ病院に行く準備をしてください。理由をつけて行かない人こそ病院に行った方が良い人です。

ボクの経験上。動けなくなるまで我慢する人が大半なので、可能であれば未来を変えてあげたいですが、おそらく動けなくなる状況になるまで分からないと思うので、未来予知だけして次のテーマに行きます。

うつ病かもと思ったらまずは精神科に行こう

基本的には「精神科」を受診しましょう。よくあるのが「心療内科」に行ってしまう人が多いのですが、あまりオススメしません。

ボクはただのフリーターなので詳しく説明することができないので割愛しますが、心療内科は「メンタルが原因で身体に不調がある」というケースに行く病院になります。

具体例を挙げると「緊張してお腹が痛くなる」という経験はしたことがあると思いますが、身体の機能自体は正常だけど、緊張が混ざることで身体の機能が不調になってしまう。これは一時的であることが多いですが、これが慢性的に続くのであれば「心療内科」が良いと思います。

このような特殊なケースでない限り、広い範囲で診てくれるのは「精神科」です。ボクは過去に心療内科に受診しても症状が改善しなかった経験があります。当時のボクは病院が悪いと思っていましたが、自分の病院選択が悪かったのだと今なら思えます。

例えば、虫歯なのに歯医者に行かずに内科に行って「なんで虫歯を治してくれないんだよ」と怒っているようなものです。

行かなければいけない病院に行かないと症状が改善できない可能性があるため「精神科」に行くことをオススメしています。予約の日にちが取れないことも多いので、まず電話やネットで診察してもらえる日にちを確保しましょう。

お医者さんに伝えるべき3つのこと

初診の時。通院の時。ボクは必ずこれらを伝えるようにしています。

1.カンタンな時系列で起こったことを説明
2.現在の状態についてを説明
3.現在&未来で悩んでいる症状についてを説明

基本的にこの3つを頭の中でまとめて診察の時に要点を絞って話しています。では、どの程度の内容で話しているか。ボクの場合ですが「この1ヶ月…恋愛面で上手くいってなくてメンタルが落ち気味なんですよね」

と赤裸々に自分の恥ずかしい話も混ぜて話しています。このようにお医者さんは自分がうつ病から回復するためのパートナーだと思っているので回復するために必要な話はなんでもします。

その内容を聞いて「どんな薬を処方するのか」判断をするのはお医者さんです。そのため、メンタルに影響している症状に影響している話は基本的に隠さずに話します。

ボクはTwitterを使ったり、このように記事を書いたりする性質上。待合室の待ち時間で要点をまとめて話すことができています。しかし、多くの方は事前にメモしないと話せないという方が大多数だと思います。

そのため、上記の3つの内容をメモに書いてお医者さんに渡しても良いと思います。自分の状態を正確に素早く知ることができれば、診察の精度も上がっていきます。

ここでよくあるのが「長文にすること」「チェック項目が多い」「書く内容が少なすぎること」これは避けるようにしましょう。

自分のことを深く知って欲しいと話す量が増えてしまったり、大量の情報を書いてメモを渡したい気持ちは分かりますが、それでは逆にお医者さんの診察クオリティが落ちてしまいます。

こちらで伝える情報を精査することも患者として大事なポイントになります。

そして、情報が少なすぎてもお医者さんには「順調に回復しているな」くらいにしか伝わらないこともあります。特に何も変わらなかったとしても、通院の場合は前回からの自分の生活を振り返って言葉にしてみましょう。

何時間くらい寝れているのか。食欲はどうなのか。どんな気持ちになっているのか。いつもと同じですを可能な限り別の言葉に置き換えて話すようにボクはしています。

お医者さんはカウンセラーではない

絶対に間違えてはいけないのが、お医者さんは「薬を処方してくれる人」なんですよね。話を聞いてくれる人ではありません。

たまに間違えてる人がいるなと思うのですが、基本的な診察時間は5分以内です。他にも待っている患者さんがたくさんいるはず。そのためお医者さんに自分が苦しいことを伝えたい気持ちが暴走してしまう気持ちは分かりますが、自分の気持ちを軽くするならカウンセラーを利用しましょう。

話を親身になって聞いてくれますし、何か薬以外のアドバイスをくれるはずです。お医者さんが親身になって聞いてくれないと言われても、そりゃそうなのです。お医者さんの仕事は患者さんのメンタルケアというよりも個人に合った薬の処方をするのがお仕事なので。

話を聞いて欲しいという感情があるのか。自分の気持ちを分かって欲しいのか。どちらにせよ診察時間が長くなるのは、自分のエゴが大きいケースの方が多いと思います。今の自分の状況を端的に説明して「今後どのような作戦でいくのか」というプラン作りの方がボクは大切だと思っています。

その時間こそが診察する上で重要だと思っているので、自分の気持ちをお医者さんに理解してもらうことは重要ではありません。

話を聞いて欲しいならカウンセラーさんに頼りましょう。

病院など使えるものは全て使おう

いかがしたでしょうか。病院に行くメリットを整理するとこんな感じになります。

1.現在の悪い症状を少しだけ抑えられる
2.回復までのプランをお医者さんと考えられる
3.状態を良くして現状の改善プランを練れる

まず自分の状態が悪い状況ではストレスも溜まりますし、良い未来のことなんて何も考えることができません。ネガティブなことばかり考えてしまうと思います。

歯が痛い時はそのことばかり考えてしまったり、口内炎があるとそれだけで日々がストレスになってしまうのと同じです。まずは痛いこと。苦しいことを取り除くために病院に行って少しでも楽になった方が良いと思っています。

「薬漬けにされるのが怖い」という意見を昔のボクは思っていましたが、状態が悪くなってから病院に行く方が処方される薬の量が増えて、よっぽど薬漬けになるリスクが高まります。
虫歯も放置すると原型がなくなり、入れ歯になったりします。ですが、対応が早ければ抜かなくてもいいこともあります。うつ病も同じです。早めに治療することで短い時間で復帰できます。

だからこそ、元気があるうちにこの記事を読んで病院に行く人が増えてくれたらと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。


デラさん
ただの31歳。うつ病の感覚&気持ちを言語化して発信するフリーランス。Twitterフォロワー25000。ココナラにて「うつ病の恋愛相談」の販売実績250件。著書「うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと」

Twitter:https://twitter.com/dera3daze
うつ病彼氏の恋愛相談:https://coconala.com/users/513770
この記事は書籍『 うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと 』の関連コラムです。
「うつ病彼氏の恋愛相談」で救われる人が続出!「うつ病の当事者」であったデラさんが今うつ病に悩む全ての人に伝えたいことを本音で語ります。