うつ病になった僕が伝えたいこと

新しい職場で働きやすくなる7つのコツをうつ病フリーターが伝授します。

#連載エッセイ
#うつ病になった僕が伝えたいこと

「うつ病になってから社会復帰したいけど自信がない…」

そんな悩みを抱えている人にベテランのうつ病フリーターが執筆しました。どんな立ち回りをしたらいいのか参考になると思います。

こんにちは。『うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと』という本の著者です。X(旧Twitter)でフォロワー約25,000名。ココナラで「うつ病彼氏の恋愛相談」の仕事を約250件。うつ病になってもうすぐ10年目になります。「デラさん」という名前で活動しています。

うつ病を発症してから、ずっと大きな問題が自分の中にありました。そうです。金銭問題ですよね。

お金がなくて働かないといけないという立場の人も多いと思います。しかし、働けば再発してダウンしてしまう。なんて人も多いと思います。その原因となるのは「職場でエネルギーを使いすぎてしまうこと」

これが大きな問題となっています。どんなに正しい療養をしてリハビリができたとしても、実践である職場で疲れ果ててしまっていたら再発コースに逆戻りになってしまいます。

この記事では「新しい職場で疲弊しないための考え方」を記載していきます。自慢することではないですが、新しい職場を転々としてきたボクなりのメソッドを詰め込んだので最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

この記事は書籍『 うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと 』の関連コラムです。

明るく楽しく全員に挨拶する

仕事で最もエネルギーを使うのは最初です。ちょっと大きすぎるかなって声量で「おはようございます!」って言っておきましょう。スタートの挨拶だけエネルギーの予算を多めに使うことを意識しています。

このメリットですが、大きく分けて3つあります。
・とにかく良い印象になる
・挨拶を大事にしている文化の職場が多い
・相手から話しかけてくれる

良い印象になる理由として、しっかり挨拶をするだけで「頑張ってる感」を出すことができます。職場の先輩としては「新しい子は頑張り屋さんだ」「サポートしてあげたい」と思ってもらえることが大半です。

もちろん、個人差などはありますが… 困った時に助けてくれる確率を大幅に上げることができます。さらに、先輩目線としては「親しみやすいかもな」と相手の方から話しかけてくれることも多いです。

ここまで来れたら最高ですよね。こちらで話す内容を考えることなく、向こうから勝手に話しかけてくれたら楽です。

たまに気難しい大御所のような先輩もいると思いますが、そういう方々の大半は「減点方式」「挨拶至上主義」のような人が多いです。具体的には、ダメなところが気になってしまうという感覚。こちらのことを使えるか使えないか。という目線で品定めをされていることでしょう。

しかし、挨拶をするだけで評価が少しだけ上がります。学生の頃の内申点のようなシステムだと思えば分かりやすいかな。授業中によく発言をしたり、先生に気に入られるようなことをすると点数が取れるような仕組みは職場でも健在です。

メリットは挙げればキリがないのですが、とにかく少しの労力で大きな見返りがあるので正直めんどうだなぁと感じるかもしれませんけどオススメです。

発生した感情は隠さずに表現する

この記事を読んでいる皆さんは真面目だと思います。ホントは怒りたい場面でも耐えて笑顔で過ごしてしまう人も多いでしょう。

その対応だと自分にダメージが大きくなってしまいますし、周りの人から見ても「ホントはどう思っているのだろう…」と思わせてしまうので、思い切って怒ってしまったり機嫌を悪くしてしまって大丈夫です。

うつ病を発症してしまう人の大半は優しく、自分を犠牲にしてしまうところがあります。そのため、自分の感情を出さずに周りとの調和を優先するより、周りに少し迷惑をかけてしまうくらいの気持ちで表現してしまいましょう。

そのメリットをまとめると
・自分のエネルギーの消耗を抑えられる
・周りから人間らしいと思われる

うつ病を再発させずに生きていくためには「体力の温存」が永遠のテーマ。

感情を隠さずに出すことは抵抗感が最初にあると思いますが、これは絶対に出した方が長い目線で見た時にエネルギー収支が楽になります。

自己開示を多めにする

新しい職場での居心地を良くするためには、どんな情報でも良いので「自分はこういう人です」「こんなのが好きです」などを出した方が仲良くなるまでのハードルが下がります。

最もマズイ展開としては、質問されたのに隠したり何も話さないことです。相手の信頼値が下がってしまうため、最悪の場合コミュニケーションを取るのが難しくなってしまうことも…

もちろん、隠しておきたいこともあると思います。けれど、情報を開示した分だけ相手との距離感が近くなり関係が良好になりやすいです。

わたしは過去に自分の正体を全く話さず。趣味などもなく、愛想も良くない状態でバイトをしていた職場ではメンバーとの交流が上手にできず。シンプルに居心地が悪かったことを経験しました。

今のボクであれば、離婚したことがありますとか。今は自分のお仕事をしながらバイトしてますとか。彼女が欲しいですとか。借金がありますとか。できるだけNG回答なしでサクッと答えるようにしています。

これは必ずやる必要はありませんし、やらなくてもいいテクニックではあります。しかし、できた時の加点が大きいため基本的に聞かれた時にはやることをオススメします。

曖昧な表現を避けて言い切る

フワッとした表現をするよりも、思い切った表現をする方が好まれます。

例えば、分からないことが発生して先輩に聞かないといけない場面になった時。過去のボクであれば「ここが分からなくて教えて欲しいんですけど…」みたいな感じでした。

今でいうと「ここが分かりません!」「この対応をお願いしたいです!」など仕事ができないことをドヤ顔で伝えていきました。これくらいのレベルで言葉を選んだ方が脳も疲れずに済みますし、相手にも伝わりやすい。

またスタッフ同士との会話でも「これが好き!」「これが嫌い!」と極端な表現をする方が会話としてインパクトがあり友好度も上がりやすいです。

良くも悪くも「本音で端的に話すスキル」はどんな職場でも損はしません。まだ慣れない時は「曖昧な表現」を多めにしていることが大半だと思います。

フワッとした表現は自分を守るには最適なのですが、味方を作ったり居心地を良くするためには弱い選択肢ではあります。断言した表現は味方を作りやすい反面、敵を作りやすく自分の予想外の展開に繋がることも多いです。

もちろん、人格否定や会社の批判など。明らかにやりすぎな境界線も存在するため加減を伝えるのが難しいですが…ボクの場合、思ったことを言い切ることから始めていきました。

言われたことだけをやる

まず前提として、100点の仕事をしようと思わないこと。

うつ病を発症してしまう人の大半は「完璧主義」な方がとても多いです。そのため、言われていないけど「これをするべきだ」と感じてしまうシーンはあると思います。

会社で働く時にボクが大事にしていることは「自分は会社の駒であること」その時だけは動かしやすく扱いやすくなろうと思っています。そのため、会社から指示されたことをやりますが「それ以上のこと」はやりません。

そして、たまに「これ絶対にできないでしょ」って量の仕事を押し付けられることもあります。これもボクは捨てています。なぜなら処理できないからです。そのため最善は尽くしますが、できなかったとしても会社が悪いと思うようにしています。

なぜなら、理想の状態を作る駒を用意できなかった会社側の責任だと思っているから。

まず我々がやることは指示された仕事をこなすこと。それ以上のことは可能だったらやる。できないなら仕方がないと割り切る。この考え方が前提になるとエネルギーの消耗量がとてつもなく軽くなります。

長い療養生活を経て、社会復帰した昔のボクも「お仕事がんばるぞ!」と気合いを入れまくった挙句。再発してダウンの連続で当日に休むという会社にとって最も迷惑なことをしてしまいました。

120%の力を出して倒れてしまうよりも、50%くらいの力でエネルギーを温存しながら言われたことを確実にこなしてシフトを守る。休まずに働ける方が価値が高いと思っています。

もちろん、余裕がある人や上を目指したい人は頑張っていいです。少なくとも、久々の社会復帰として働くというのであれば、ゆっくり始めていきましょう。

仕事の優先順位を常に考える

基本的には「最もお金を稼げること」「最もお金が減ってしまうこと」を最優先にして仕事に取り組むことを意識しています。

ゴミを捨てたり、掃除をしたり、商品を補充したり、接客をしたり、お仕事には色んな種類があると思いますが、その中には優先順位が必ず存在します。

難しいことに、この優先順位を言語化できていない先輩はとても多いです。また場面に応じて「今やるべきこと」は変化していくのが本当に厄介です。

新しい職場に入った時にまずは「最優先でやらなければいけない仕事」「余裕がある時にやる仕事」「これは最悪やらなくても大丈夫なこと」という3つの基準で振り分けて考えてボクはやっています。

飲食店であれば、レジからお金を盗まれることだけは絶対に避けたいです。そして、空いている席は少しでも少ない方が良いです。会社としては「お金の増減」に関わることは大事にしたいと考えていることが大多数です。

昔のボクがよくやっていた失敗は「職場をキレイにしよう」とすごい頑張って掃除をしていたのですが、そこは評価されなかったことがありました。なぜなら、掃除をどんなに頑張っても売上には繋がりません。

正確には繋がるかもしれないけど、直接的には繋がる可能性は低いという理由だったんですが、当時のボクは「仕事をすごい頑張っているのに!」と思っていました。

与えられた仕事の中で「どの仕事を頑張るべきなのか」教えてくれないことも多いので、いろんな順番でやってみて正しい優先順位を見つけることが大切になります。

タバコを吸う

正直ですが、日本で働くことを考えると「タバコ吸います!」と言うだけで仲良くなれるだけのパワーがあります。

実際は吸わなくても大丈夫。タバコを吸いたいという姿勢があるだけでも職場の居心地はホントに良くなります。理由としては「仕事ができる人or上司=喫煙者」である可能性がとても高いからです。

そして、喫煙所でその人と接触する機会も多くなります。そこで上記の記載したテクニックや考え方を使うことで仲良くなりやすいです。この考え方は職場で最も偉い人とピンポイントで仲良くなるために自らの健康を犠牲にするということ。

実際は吸ってるフリでも大丈夫です。本当に吸う必要はありません。または喫煙所に行くだけでも大丈夫ですが、変に気を使われるので吸っていた方が無難です。今ではCBDのようなニコチンがないバージョンもたくさんあります。

上司と仲良くなることさえできてしまえば、その後の展開はとても楽になります。具体的には、本来だったら怒られるはずのことをやらかしてもギリギリセーフになることすらあります。それくらいタバコによる接点の恩恵は大きいです。

それでも無理だったら諦めよう

ここまで紹介してきたものはボクが新しい職場で働きやすくするために試行錯誤してきた
テクニックや考え方です。もちろん、どう頑張っても合わない職場と遭遇することもあります。自分なりに試してみて本当にムリだと思ったら、身を引くのも選択肢に入れておくべきです。

残念ですが、職場の居心地の良さは「自分の行動」によって作ることができます。気まずい職場や楽しい職場など経験してきましたが、その確率を上げるためにも「仲良くなりやすいプロセス」を意識して立ち回ると驚くほど成果が出ると思います。

うつ病でダウンして最初は上手くできなくて当然です。少しずつ自分の形を見つけるために、この記事が参考になれば幸いです。最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!


デラさん
ただの31歳。うつ病の感覚&気持ちを言語化して発信するフリーランス。Twitterフォロワー25000。ココナラにて「うつ病の恋愛相談」の販売実績250件。著書「うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと」

Twitter:https://twitter.com/dera3daze
うつ病彼氏の恋愛相談:https://coconala.com/users/513770
この記事は書籍『 うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと 』の関連コラムです。
「うつ病彼氏の恋愛相談」で救われる人が続出!「うつ病の当事者」であったデラさんが今うつ病に悩む全ての人に伝えたいことを本音で語ります。