「うつ病から復活したい。」
そんな方のために自分の体験談を含めて記事を書きました。参考になると思います。
こんにちは。『うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと』という本の著者です。X(旧Twitter)でフォロワー約26,000名。ココナラで「うつ病彼氏の恋愛相談」の仕事を約250件。うつ病になって約10年。「デラさん」という名前で活動しています。
この記事では過去を振り返って「フェーズごとに最適な対応について」「よくありがちな失敗」「思考や行動の変化」などを状態ごとに記載していこうと思います。
うつ病を発症したばかりの時は、寝たきりで赤ちゃんのハイハイで移動することしかできないくらい悪い状態だった自分でした。それでも今では働けるようになって、個人で仕事を受けられるようになりました。
何もできない人生のドン底から少しだけ復活しつつあるボクが「うつ病から回復するための療養」について解説していきます。うつ病を治したいと思っている人にとっては参考になると思いますので、最後までご覧ください。
目次
フェーズごとに最適な療養がある
うつ病を治すために必要なことは段階ごとに大きく異なります。ネット上には色んなアドバイスや情報などが散乱していますが、実は必要なタイミングは個別で違います。
代表的な例で言えば、「朝散歩」が挙げられます。※ちなみにボクは完全に否定派なのですが…
効果があるフェーズと逆効果になってしまうタイミングに別れます。ダウンしていて寝たきりな時に必要なこと。ある程度の回復をした時にこそ必要なこと。これから復職をする時にした方がいいこと。
身近な例で言えば、うつ病から回復することは「骨折」をしてから復活するまでに必要なことに似ています。
例えば、マラソンランナーが走りすぎて足の骨を折ってしまった場合。誰だって最初は「安静にした方がいい」と思うはずです。
それが当たり前なんですが、これが「うつ病」に変わってしまうと「無理をしてオーバーワークをする」という事例が多くなります。その結果、より症状を酷くしてしまうなど。
うつ病は心の骨が折れているのです。
骨折から復活するのと同じように回復するための順序があります。それではフェーズごとに最適な療養のポイントを紹介していきます。
全く身体が動かない時
イメージは心が「複雑骨折」している状態です。
この場合に優先順位として「考えないこと」「動かないこと」「決断しないこと」この3つをとにかく実践してください。
この状態のメンタルはとても繊細です。すぐ感情的になりますし、すぐネガティブな感情に支配されてしまいます。そのため前提として「不安定な状態であることが当たり前」と思っておくことが大切です。
身体をケガしたら、その箇所が痛むと思います。うつ病も同じで「メンタルが荒れること」で心が痛いと言っているのです。それが当たり前なことなので、これを避けたいとか嫌だと思わないこと。
もしも緩和したいのであれば、精神科で処方されるクスリを飲むことで症状は緩和されます。ボクはお医者さんではないので、詳しくは言及できませんが実体験の感覚だと「心の痛みを和らげる」ようなイメージです。
とにかく目指すべきことはメンタルが少しでも平穏な状態で1秒でも長く時間を経過させることです。
アニメを見てもいいです。ゲームをしてもいいです。絵を描いてもいいです。それが好きなことではなかったとしても、ハマる必要もありません。とにかくネガティブな感情に自分を支配されやすい状態なので防ぐだけでいいです。
そして、大事なことですが完全に防げなくてもいいです。病んで当たり前です。そもそも完璧に防ぐことは不可能だとボクは思っています。
うつ病の治療というテストがあったとして、満点を取れる人は誰もいません。30点で大丈夫。たったの3割でOK。そして、7割は負けてもいいのです。1日に24時間。その70%だと16,8時間は病んでもいいです。寝ることも含めて、残りの7,2時間を少しでも平穏に過ごすことができればベスト。
いきなりなんて言いません。少しずつで大丈夫。
そのため、このフェーズでは特別なことは何もする必要がありません。むしろ、特別なことをしてはいけません。
次のステップに行くまでは「考えないこと」「動かないこと」「決断しないこと」そして、メンタルが荒れやすい状態であることを受け入れて時間を過ごしましょう。あなたがするべきことは何もしないことです。
その後に身体が動くようになった時
少し身体が動かせるようになった時。ここで大半の人がしてしまうミスは「オーバーワークによる再発」です。もし骨折で例えるのであれば、長い時間をかけて骨が正常な形になろうとしている段階です。ここで必要なのは「リハビリ」です。
ここから今まで当たり前にやってきた生活に戻すための過酷なリハビリ。そのため、身体にかける負荷を徐々に上げていくことを意識してください。間違っても、いきなり働こうとしてはいけません。
目安としては「翌日に反動でダウンしない行動量をキープ」することを意識してください。イメージで言えば、今までは身体中をギプスで固定していました。そこから回復して包帯が取れたような段階です。
無理をしようと思えば、残念ながらできてしまいます。このフェーズで大切なのは「いかに行動を抑えるか」という1点。今まで動けなかったので「行動できる喜び」を感じてしまうと思います。
または今までの寝たきりだった状態から「もっと頑張らないと」「今までの遅れを取り戻さないと」って焦りに変わってしまう人もいるでしょう。
骨折を例に出せば、客観的に見えると思いますが…やっと治りかけているところでフルパワーで行動したら症状は悪化します。そのため、極端なことを言えば「身体が動かなくなった時くらい何もしない」くらいのレベル感で大丈夫です。
うつ病を発症してしまう人は真面目です。この段階で「朝散歩」「規則正しい生活」などの取り組みをしてしまう人が大半だと思います。自分もそうでした。
しかし、まだ早いです。仮にしたとしても3日に1回5分だけするくらいのレベルでOK。翌日に何も影響がない範囲で体力をつけることが理想です。
ただ…もちろんノーミスでリハビリを続けることは難しいと思います。負荷をかけすぎたり、張り切りすぎることもあるはず。そのため、反動でダウンした時には1つ前の段階に戻ることもあると思います。仮に戻ってしまっても、気にしなくて大丈夫です。ボクも1000回くらいは同じことをやりました。
ただ、避けて欲しいのは致命傷。小さく反動でダウンする分には、軽い筋肉痛のような刺激になるので決して悪いことではないのですが…やりすぎると筋肉を断裂するイメージです。骨以外の重症を負ってしまいます。
それだけは避けて欲しい。行動しすぎは絶対にダメです。
もう治ったと思っている時
体調には波があります。たまに「調子がいい」「もう治ったみたいだ」と感じる時が突然やってくると思います。この感覚は神出鬼没です。いきなり現れて、いきなり消えていきます。
この感覚は「アドレナリンが出ていて状態が悪いことに気がつけない状態」だと思ってください。よく考えて欲しいのですが、3ヶ月くらい寝込んでいた人が急に真夏の引越しのアルバイトができると思うでしょうか?
今までずっと寝たきりだった人がいきなり1日中外出したら…どうなるでしょうか。想像したら分かると思うのですが、それが自分ごとになると分からなくなるのが人間です。寝たきりになるほど重症だった人が急に元気になったとしても、その体調を信用してはいけません。
この段階で目指すべきことは身体が全く動かなかった時と同じ。「何もしないこと」を意識してください。
多くの人はここでも朝散歩をしてしまったり、今までやれなかったことを体力の限界までやる人が多数います。正確には完全にダメというわけではないのですが、この状態で活動することはリスクが大きすぎます。
この状態を例えるのであれば「マリオのスター状態」どんな敵も当たるだけで倒せる無敵の状態に近いのですが、実際の身体はダメージを受けています。そればかりか効果が切れた段階でダメージを精算することになるのです。
クリボーに100体。ノコノコに50体当たったのでHPを100もらいます。みたいな感じで借りたお金を返済するようなイメージです。そのため、行動しすぎたら後で大変なことになります。
感覚として「少し調子が悪いな」と感じるくらいが正常です。
良すぎる体調は自分の限界を超えてしまうので、少し体調が悪いくらいにリハビリをほどほどにやるくらいが最も安全です。そして、先ほども記載をした「翌日にダウンしない程度の行動量」を積み重ねること。
そして、良すぎたら行動を温存すること。エネルギーを余らせて、体力をストックするような感覚を身につけて欲しいです。これが反動でダウンしないために必要なことなので、絶対に守って欲しいことになります。
焦らずに少しずつ前へ
3つのフェーズを紹介しましたが、この3つは流動的に変化していきます。前日までは寝たきりだったとしても、翌日になったら最強に元気なこともあります。
そのため段階ごとに療養のポイントは変わるのは事実なのですが、正確には場面に応じて「意識するポイント」も変化していきます。
そして、3つ全てに該当することは焦ってはいけないこと。時間をかけて再発を防ぎながら少しずつ回復するための階段を登っていくイメージです。
自分が今どの状態なのかを推測しながら、その時に必要なことをしていく。そして、判断が難しいと思ったら行動せずに動かない方が無難です。多くの人はオーバーワークで大変なことになっています。
ボクも1000回くらいは後悔したと思います。あの時…頑張りすぎた…って後悔しました。その数が多ければ、多いほど回復までの時間が長くなります。ボクはあれから10年が経過しても調子を崩したりしています。それほど難しい病気でもあるので、とにかく行動を抑えること。そして、自分が行動できる量を知ること。その量を守ること。
この地道な積み重ねをキープし続けることで当たり前に動ける日常に戻ることができます。この記事を読んでいる方には、自分の折れている心を少しずつ戻して欲しいなと思います。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!
デラさん ただの31歳。うつ病の感覚&気持ちを言語化して発信するフリーランス。Twitterフォロワー25000。ココナラにて「うつ病の恋愛相談」の販売実績250件。著書「うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと」 Twitter:https://twitter.com/dera3daze うつ病彼氏の恋愛相談:https://coconala.com/users/513770