「自分は記憶力が悪い」「なんとかして記憶力を高めていきたい」と考えていませんか?
記憶力が高い人の特徴を知り、同じような意識を持てば、あなたの記憶力も変わります。記憶が定着しやすい人がやっている手法を方法を学ぶことで、記憶力アップが期待できます。
この記事では、記憶力がいい人、悪い人の特徴や、具体的に記憶力を高めるためのアクションを紹介します。ぜひ最後まで読んで、自分に合った記憶の方法を見つけてください。
目次
記憶の種類にはどんなものがある?
記憶には、忘れやすい記憶(短期記憶)と残りやすい記憶(長期記憶)があります。ここでは、記憶の種類について説明していきます。
少しの時間で消えていく短期記憶
短期記憶は、覚えていられる期間が数十秒程度と言われている記憶です。数字や文字など、少ない情報を記憶します。たとえば、初めて聞く番号に電話をかけようとしたとき、電話をかけるまでの短い時間だけなら電話番号を覚えていられます。電話がつながれば、覚えた番号は忘れてしまうでしょう。
短期記憶は覚えていられる量に限界があり、干渉に弱いことが特徴です。番号を覚えたと思っても、別の数字を言われると覚えたはずの番号を忘れてしまうこともあります。
脳に保存されて残る長期記憶
年単位で覚えておくことができるのが長期記憶です。長期記憶は性質の違いからさらに分類することができます。言葉で表現できる陳述記憶と、言葉で表すのが難しい非陳述記憶とに分けられます。
具体的に言葉で伝えられる陳述記憶
陳述記憶とは具体的に言葉にして説明できる記憶のことです。陳述記憶はさらにエピソード記憶と意味記憶に分けられます。
エピソード記憶とは、思い出などの自分が体験した出来事の記憶です。比較的忘れにくいと言う特徴があります。
「高校2年生の時に修学旅行で沖縄に行った」「先月、友人とBBQをした」などは、頑張って覚えようとしなくても覚えているのではないでしょうか。
意味記憶は知識や事実の記憶のことです。一般常識や勉強で覚えた知識を指します。
「猫はニャーと鳴く」「源氏物語の作者は紫式部である」など、「知っている」と言う感覚を持つものだといえるでしょう。
長期記憶に分類される意味記憶ですが、勉強などで興味がないことに対しては記憶に残りにくいこともあります。そのため、記憶に残りやすくする工夫をすると定着しやすいでしょう。
体が覚えている非陳述記憶
非陳述記憶は言葉では説明しにくい記憶のことを言います。非陳述記憶のひとつである「手続き記憶」は、自転車の乗り方や箸の持ち方など体で覚えたもののことです。
ほかには、前に入ってきた情報の記憶がその後の情報に影響を与える「プライミング記憶」や感情的な記憶である「情動記憶」なども含まれます。
記憶力がいい人の特徴
ここからは、記憶力がいい人にどのような特徴があるのかをみていきましょう。
興味を持って取り組んでいる
記憶力がいい人の特徴として、興味を持って記憶していることがあげられます。興味を持って取り組んでいると、無意識のうちに繰り返し記憶するようになると言われており、脳が重要な情報だと判断するので記憶に残りやすいのです。
脳は生命の維持を使命としていますから、生存に関わる記憶は長期記憶として残そうとします。繰り返し入ってくる情報は生きていくのに重要なものだと判断するので、記憶に保存しようとするのです。
ほかにも、興味があることには集中して取り組めるので記憶力が上がる傾向があります。
情報の分類ができ、共通点を見つけている
記憶力がいい人は、頭の中で情報を分類して共通点を見つけています。
たとえば、47都道府県の県庁所在地を覚えるとき、都道府県名と同じ都市名の場合と都道府県名と異なる都市名の場合があるとわかります。
都道府県名と異なる都市名なのは19個なので、19個の都道府県庁所在地を覚えれば47すべての都道府県庁所在地が覚えられるということがわかるのです。
また、得た情報を理解して自分の中で整理しているので、意見を求められてもすぐに答えることができたり、質問したりできます。
意見を持ったり質問したりすると脳を刺激するので記憶に残りやすくなります。さらにきちんと理解ができているので記憶が定着しやすいのです。
覚えることを楽しんでいる
記憶力のいい人は、覚えることで得られる楽しさを知っています。記憶は繰り返し思い出すことで定着していきますが、楽んで覚えていると無意識のうちに繰り返しながら記憶しているのです。
人の名前や特徴を覚えていれば会話が弾みますし、知識量が多ければ誰かと深い会話を楽しむことができます。
新しいことを知りたい気持ちが強く、好奇心が旺盛で知識を得ることに楽しさを見出せる考え方を持っています。
記憶力が悪い人の特徴
ここからは、記憶力が悪い人の特徴を見ていきましょう。
覚えることに集中できていない
記憶力が悪い人は、覚えるときに他のことを考えてしまったり、違うことをしていたりします。意識が違う方に向かっているので、脳は記憶として定着させようとしません。
とはいえ、興味がないことに集中するのは難しいものです。そのため、時間制限などを行うことで集中力を保つ工夫をする必要があります。
自分は記憶力がないと思い込んでいる
記憶力が悪い人は、自分の記憶力が生まれつきのものであり、努力しても改善しないと考えていることが多いようです。覚えられなくて当たり前だと思っているので、忘れてしまっても覚え方を工夫しようとは思わないのです。
人は記憶力がないということはありません。生きていくために、記憶することは必要からです。先に述べたように、記憶には種類があります。記憶の仕組みを知って改善すれば、記憶力を高めることは可能なのです。
無関心で興味を持とうとしない
覚える対象に興味が持てないと覚えにくくなります。記憶力が悪い人は、無関心な状態でやみくもに覚えようとする傾向があります。興味がないので、他の知識と紐づけることができず、記憶が定着しにくくなってしまいます。
効率よく覚えるには、記憶したいことと持っている知識を連動させることがポイントです。覚える対象に興味が持てれば、集中力も増し、理解しようとするので記憶力が高まります。
覚えることではなく、覚えた後にある楽しさを目標にして取り組むとよいでしょう。
効率よく記憶力を高める・アップさせる方法とは?
記憶の仕組みや記憶力のいい人・悪い人の特徴をみてきました。ここからは、記憶力を高める方法を紹介します。自分に合った方法をみつけて、記憶力アップに活用してください。
イメージをして映像で覚える
脳は絵や映像などのイメージの方が覚えやすくできています。文字ではなく、イメージを記憶するように意識するとよいでしょう。
先に説明したエピソード記憶は、自分が体験した記憶であり、忘れにくいと言う特徴がありました。脳はイメージしたことと現実の体験を区別できないと言われており、実際には体験していなくても、イメージすることで体験したかのようになり忘れにくくなるのです。
イメージするときは、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚など五感を意識することがポイントです。できる限り具体的にイメージすることで効果が高まります。
感情を利用する
恐怖感を伴って得た知識は記憶に残りやすいと言われています。嬉しかったことや怖かったことなどの強い感情を持った出来事は覚えていることが多いのではないでしょうか。
喜び・怒り・悲しみ・楽しみなどの感情を利用すれば記憶力のアップが期待できます。利用するなら、喜びや楽しみなどポジティブな感情を利用するとよいでしょう。
特別なことをしなくても、気分が上がる文房具や場所を使ったり、好きな音楽を聞いたりするだけでも効果が期待できるでしょう。
睡眠をしっかりとる
記憶は寝ている間に定着すると言われています。4時間程度の短い睡眠では、記憶の定着ができないとも言われており、睡眠をしっかりとることは記憶力の向上によい影響をもたらしてくれます。
10分〜20分程度の昼寝も集中力を回復させる効果があります。ただ、長すぎる睡眠は逆効果になりますので注意しましょう。
寝不足にならないように心がけ、生活を改善することで脳の血流をよくすれば記憶力の向上にもつながるはずです。
2週間で3回以上使って定着させる
脳は重要な記憶は長期記憶として保存し、重要でないと判断したものは忘れるようにつくられています。覚えたあと何度も繰り返し使う情報は重要だと脳が判断し、長期記憶として保存するので忘れにくくなります。
覚えた情報を使うというのは、アウトプットをするということです。誰かに話したりノートに書いたりすることがアウトプットになります。2週間で3回以上アウトプットをすると効果が期待できるでしょう。
また、アウトプットをするためには覚えたことをきちんと理解する必要があります。アウトプットをする前提で覚えると記憶に定着しやすくなる効果も期待できます。
運動神経を使って記憶に残りやすくする
自転車の乗り方や箸の持ち方は、しばらく使っていなくても忘れることはありません。筋肉や腱を動かした記憶は小脳から海馬を経由し、大脳連合野に蓄積されます。記憶する経路が複雑になり、多くの神経細胞が働くので記憶に残りやすいのです。
運動神経を使うといっても、ランニングや筋トレをするということではありません。手の筋肉を動かして「書く」、口や喉の周りの筋肉を使って「話す」ことで運動神経を使うことができます。書いて覚えたり、声に出して覚えたりすることで記憶に残りやすくなるのです。
覚えたことをメモに書き、読み返すことを繰り返すと記憶が定着しやすくなるでしょう。
まとめ:アウトプットすることで記憶力アップ!
記憶の種類から記憶力を高める方法まで説明してきました。記憶力は誰にでも備わっているものであり、トレーニングすることで向上させることができるはずです。
イメージや感覚と紐付け、繰り返しアウトプットすることで記憶に定着させることができるでしょう。
精神科医である樺沢紫苑著の『学びを結果に変えるアウトプット大全』では、結果が出るアウトプット術を紹介しています。この本を読めば、記憶に残るだけでなく、結果も出せる正しいアウトプット術を身につけるられるはずです。