「自分」を生きたい人に片づけをすすめる理由

オシャレ迷子を救った片づけの考え方

#連載エッセイ
#「自分」を生きたい人に片づけをすすめる理由

なぜなら、私はそれまで自分のことを「カジュアルでボーイッシュ」だと思ってたんです。一つもかすってなかった。子どもの頃から今までに人から言われたこと、見聞きした情報、他人との比較で自分が感じたこと、色んなラベルを自分に貼り付けていて、内面と外見の認識がごちゃまぜになっていたんです。

そのラベルを一旦全部はがして、外見だけで見たらフェミニンタイプ。それを知らずにずっと服を選んでたなんて!

「毎日顔を合わせてるのに、ずっと見えてなかったんや」
「知らんかったんや、自分のこと」と本当に衝撃でした。

そして、またそこからラベルを選び直していきました。

「こうありたい(はい、かっこいいオシャレなおばさんです)」を軸にして、「このラベルは外見に取り入れよう、このラベルは内面だけで十分だ」という取捨選択ができるようになり、

「シンプルさ」は外見にない要素だけどファッションでは好き。だから外見の曲線甘め要素は、髪の毛の曲線やメイクの色みで補ってみようという工夫もできるようになった。

そんなオシャレ迷子脱出作戦を経て、私は私でいることが前よりずっと楽しめるようになりました。体形で選択肢を狭めることもなく、診断結果に囚われることもなく、数カ月に一回髪型を変えて自由にやっています。

これは、完全に「片づけ」のステップだったと思う。

「どうありたいか」「どう見せたいか」を自問する。
「私はこういう素材なんだな」と知る。
両方を活かし、必要ないものを手放し、整える。

部屋も外見もいっしょです。
自分という空間の特徴や不要なものを直視しないまま、好みだけで外見を選んでいたらチグハグになる。

例えるなら、自分の部屋は和室で、いらないものもけっこうある。でもそれを無視して「北欧っぽいのが好き~!」って「ぽい」インテリアをただただ集めてる。結果、雑然としていて全然きまらないみたいな感じ。

それはただ「好きなものを買えた」だけ。
部屋の魅力もインテリアの魅力もどっちも埋もれてる。
それで満足なはずがないのです。

「北欧っぽいのが理想」と決めて、「自分の部屋は和室」と認識した上で、いらないものは手放して、似合う形で北欧の要素を取り入れる。すると、和室の良さも北欧の良さも引き立って整うよな。Japandiスタイルって言ったりする。

外見もそれと同じだと思う。

「こう在りたい」を描いて、在りたい姿を遠ざけるものは手放し、自分という素材をきちんと知って活かしながら在りたい姿に寄せていく。

そんなステップを踏んだことで、クローゼットも鏡の前の時間も気持ちよくなっていきました。

私はこの経験から「なりたい」には「なれる」と確信できたし、自分を「なりたい自分」にならせてあげられるのは他の誰でもなく、自分でしかないと体感した。それが他の挑戦の時の大きな勇気の土台になったと思っています。

「外見の片づけ」は、自分の理想を知って、今の自分を知って、<自分>を生きるための整えです。

今、「何を着てもピンとこない」って感じてる人がいたら、まずは「理想」を描いて、今の自分を直視するところから始めてみてください。

嫌かもしれないけどね。「なりたい自分」にならせてあげられるのは、結局、自分しかいないんで。

次回は「時間の片づけ」の話をしましょう。
諦める時はいつも「時間がない」が理由な人は読みに来てください。

このコラムを読んで「なんかいいな」と思ったあなた。「あの人にも読んでほしいな」と思い浮かんだ誰かにどうぞ伝えていただけると嬉しいです。中学校や高校の頃、授業中に手紙を回したみたいに。ほなまた。


かとう麻子
1984年高知県生まれ、大阪府在住。
8年間の専業主婦生活を経て、2020年に整理収納アドバイザーとして起業。
現在は社会人学生として仏教を学びながら、落ち着いてるのに落ちない心と尽きない行動力を引き出すモチベーターとして活動中。
オンラインサロンやトークイベントなどを多数開催。一児の母。