「一生モノ」って聞いて、何を思い浮かべますか?
家。家具。宝石。
高額で一生に一度くらいしか買う機会ない大モノって感覚ないですか?私はそう思ってたんだけど、実は「一生モノ」ってそれだけじゃないんですよね。

例えば、あなたが死ぬ前最後に爪を切るのは、今使ってるその「爪切り」かもしれません。
こんにちは。モチベーター・整理収納アドバイザーのかとう麻子です。
私「片づけ」は単なるモノを整理整頓する手段じゃなくて、「<自分>を生きる」ためにとても大事な考え方だと思っていまして、これまで6回の連載で「<自分>を生きたい人に片づけをすすめる理由」と題してお伝えしてきました。
なんでこんなことを伝えてるかっていうと、私自身が片づけの考え方を使ってから「<自分>を生きられるようになった」と実感しているから。
子どもが生まれてから8年間専業主婦をしていた私は、「得意なことを仕事にできたらいいな。パートに出るくらい細々とで十分だから」そんな気持ちで発信をはじめ、起業しました。
でも、モノを越えた部分に「片づけ」の考え方を使い始めてから、考え方を伝えることを仕事にすることができ、たくさんのお客様に出会えるようになり、長期講座が数分で満席になるように変化し、フォロワーさんが3万人を超えました。

今日からの6回は私自身の体験もからめて「どうやって片づけの理論を<自分>に応用するか」を具体的に話していこうと思います。前の6回も読んで、モノの片づけ進めておいてもらえると嬉しいです。
本題に戻りましょう。今日は「一生モノ」の話。
さかのぼること7年前の2018年。私は「片づけ」を仕事にしようと思って、まずは「整理収納アドバイザー2級」を受講しました。そこで衝撃を受けた言葉、それが冒頭の「一生モノ」でした。
それまでの自分にとって「一生モノ」は高額なモノとか贅沢なモノってイメージだったけど、講座では「爪切り」や「靴べら」みたいな日常に寄り添うモノが例として出てきたんですよ。

これがけっこう衝撃で…。
最初「え?」って思ったんですけど、思い返してみると実家にはいつ買ったのかわからないようなテープカッターがあった。ゴミ箱だって私の生まれる前から存在していたし、私自身も小学校入学の時にもらった持ち手が赤いハサミをずっと使っていたりした。
何が衝撃かってさ、それらがたぶんそこまで意図もなく、こだわりもなく、そこにあるっていうこと。
家を買うとか、高い家具を買うんなら、きっとこだわって色々比較して検討して選択して手に入れるんだけど、そこまで考えないモノでも「一生モノ」として人生付き従っているっていう衝撃。
これが「目線を変える」きっかけになったんよなぁ。
ものすごく好きなモノ以外は「何を基準に選んでるか」ってそこまで意識しないのが普通だと思う。少なくとも私は、この話を聞くまではそうだった。でも、この話で「それじゃヤバいやん!」って気づいた。

なぜかって、「必要だったから、手頃だったから、そこにあったから…だから別にこだわりとかない。考えたこともない。」そうやって選ばれた(いや、選んでもないんだけど)モノたちに囲まれていたら、意図なきチョイスに埋もれていたら、「意図なき一生になるじゃないか!」くらい思ってしまったんですよね。
それ以来、いろんなところにその新しい目線が入り始めたわけです。