聞いてるつもりなのに、相手の話が頭に入ってこないことはありませんか?
相手の話が入ってこない状態が続くと、仕事でミスをしてしまったり、人間関係にヒビが入ってしまったりすることもあるので、人の話はきちんと聞けるようにしておきたいものです。
この記事では、人の話が頭に入らない原因や影響と、対処法を解説しています。相手の話をきちんと聞いて理解できるようになれば、人間関係が円滑になり、知識も深まります。ぜひ最後まで読んで、改善に役立ててください。
目次
人の話が頭に入らないことで生じる3つの問題
人の話が頭に入らないと問題が生じることがあります。ここでは、影響が大きい3つの問題について説明します。
- 仕事でのミスや効率が低下する
- 人間関係が悪化してしまう
- 自己肯定感が下がり、ストレスが増える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.仕事でのミスや効率が低下する
人の話が頭に入らないと、上司からの指示や説明を適切に理解できないため、業務内容を誤認したり、重要なポイントを見落としたりしてしまいます。その結果、ミスが増え、仕事の質が低下してしまうでしょう。
ミスが多発したり、仕事が滞ったりすることで、上司や同僚からの信頼を失い、自分の評価が下がってしまう可能性もあります。
2.人間関係が悪化してしまう
人の話を聞かないと、相手に無関心だと思われ、人間関係が悪化してしまいます。会話が成立せず、コミュニケーションが取れなくなるので、孤立感を感じたり人付き合いが苦手になったりすることもあるでしょう。
良好な人間関係を築くためには、相手の話に興味を持ち、理解しようとする姿勢が欠かせません。人の話が頭に入らない状態が続くと、信頼関係が損なわれていくのです。
3.自己肯定感が下がり、ストレスが増える
人の話が頭に入らないことで、自分の能力に対する自信を失い、自己肯定感が低下してしまいます。自分は人の話を聞くことができないと否定的な自己評価をしてしまい、自己肯定感が低下してしまいます。
また、会話についていけない焦りや理解できないことの不安から、ストレスを感じることもあるでしょう。人と関わることに恐怖心が芽生え、精神的な負担を感じることもあります。
人の話が頭に入らない原因
ここからは、なぜ人の話が頭に入らないのか、その原因を見ていきましょう。
脳の疲労やストレス
人の話が頭に入らない原因の一つに、脳の疲労やストレスがあります。仕事や勉強で脳を酷使していると、集中力が低下し、人の話に耳を傾ける余裕がなくなってしまいます。
また、心配事やトラブルなどでストレスを抱えている状態では、思考がネガティブな方向に向きがちです。そのため、相手の話を聞いても内容が頭に入ってこないのです。
相手の話に興味を持てない
相手の話に興味を持てないと話が頭に入ってきません。話の内容が自分の関心ごとから離れていたり、難しすぎたりすると、集中力が続きません。自分の関心事とは異なる話題を聞く気にはなれないものです。
また、話の内容だけでなく、相手との関係性や話し方にも左右されます。相手との関係性が希薄だったり、話し方が単調だったりした場合も、話に引き込まれることができないでしょう。
聞き方や環境によるもの
相手の話に集中できない姿勢でいれば、内容が頭に入ってきません。スマホを見ながら話を聞いていたり、聞いているつもりで別のことを考えていたりすると、話の内容を理解するのは難しいでしょう。
周囲の雑音が大きい・温度が高すぎたり低すぎるなど、環境が整っていないことも話が頭に入ってこない原因となるのです。
人の話を聞けるようにするための対処法5選
人の話が頭に入らないと感じている方におすすめの対処法を5つご紹介します。
- メモを取って重要ポイントを押さえる
- 質問をして理解を深める
- 睡眠や運動で脳の疲労を回復する
- 相手の話に興味を持つようにする
- 聞くための環境を整えて話に集中できるようにする
次から詳しく説明していきます。
1.メモを取って重要ポイントを押さえる
人の話を聞く際には、メモを取ることが効果的です。話の中で重要だと感じたポイントをメモに書き留めることで、内容を整理し、理解を深めることができます。また、メモを取ることで集中力も高まるため、話に耳を傾けやすくなるでしょう。
メモを取るときは、相手の話に集中することを優先し、書き留めるポイントを厳選するようにしましょう。メモを取ることに夢中になりすぎると、かえって話の内容が頭に入らなくなってしまうからです。聞きながら重要な言葉だけをメモするようにしましょう。
2.質問をして理解を深める
相手に質問をすることは理解を深めるために重要です。わからない点や気になった点を質問することで、相手の考えや意図をより明確に把握できるでしょう。相手の話の内容が理解できると、集中して聞くことができるようになります。
質問をする際は、オープンクエスチョン(答えが「はい」や「いいえ」だけでは終わらない質問)を使うと効果的です。
「なぜそのように考えたのですか?」
「具体的にはどのようなことを指していますか?」
など、相手に詳しく説明してもらうような質問を心がけるとよいでしょう。
質問をすると理解を深められるだけでなく、相手との対話が生まれてコミュニケションが円滑にできるようになります。
3.睡眠や運動で脳の疲労を回復する
人の話が頭に入らない原因の一つに脳の疲労があります。十分な睡眠をとり、適度な運動を行うことで、脳の疲労を回復させ集中力を高めることが可能です。
睡眠は脳の疲労を取り、情報の精霊や記憶の定着を促します。運動は脳に酸素や栄養を送り込んでくれるので、ストレス解消にも役立つでしょう。心身ともにリフレッシュすることで、人の話を聞く準備が整うのです。
4.相手の話に興味を持つようにする
人の話を聞くためには、相手の話の内容に興味を持つことが大切です。
「この話は自分にとって役に立つかもしれない」
「相手の経験談は参考になる」
など、前向きな姿勢で話を聞くようにしましょう。
興味を持つためのポイントは、相手との関連性を見つけることです。相手の話の中に自分の経験や知識と共通する部分がないか探ってみましょう。相手の話から新しい発見や学びを得られそうだと期待と持つことも効果的です。
日ごろから、幅広い分野に興味を持ち、知識を深めておくことも大切です。自分の関心ごとを広げておくことで、どんな話題でも関連性を見出しやすくなります。
5.聞くための環境を整えて話に集中できるようにする
人の話を聞くときは、静かで落ち着いた場所を選び、話に集中しやすい環境を作りましょう。さらに、姿勢を正し、相手に体を向けることで話に集中する態度を示すと相手にも「聞いてもらえている」と感じてもらえます。
スマホなどの気が散るものは手元から遠ざけましょう。メールやSNSの通知をオフにしたり、机の上を整理整頓したりするのも効果的。目に入る情報を最小限に抑えることで、相手の話に意識を向けやすくなります。
静かで落ち着いた場所を選び、適度な温度(20〜25℃程度)であることが理想です。高すぎる温度は眠気を誘発して集中力を途切れさせてしまいます。集中力を保つには、快適だと感じる温度より少し低めがよいでしょう。
人の話を聞けるようになるための練習法
ここでは、人の話を聞けるようになるための効果的な3つの練習法をご紹介します。日々の練習を積み重ねることで、話を聞けるようになるでしょう。
アクティブリスニングで相手の話を理解しようとする姿勢を持つ
アクティブリスニングとは、相手の話を積極的に理解する聞き方のことです。単に話を聞くだけでなく、相手の気持ちや考えを汲み取ることを目的とします。
アクティブリスニングの基本は、相手の話に集中して途中で口を挟まないこと。相手の話が終わったら、内容を要約したり、質問したりして理解を深めます。
普段の会話の中でもアクティブリスニングを積極的に実践してみましょう。相手の話を真剣に聞こうとする姿勢が身につき、人の話が聞けるようになるはずです。
要約や言い換えで理解度を確認する
人の話を聞いた後、内容を要約したり、自分の言葉で言い換えたりすることは、理解度を確認するために効果的な方法です。
相手の話を聞いているときは、頭の中で内容を整理し、ポイントをまとめる習慣をつけましょう。相手の話が終わったら、「つまり、〜ということですね」などと要約や言い換えを使って内容を確認します。
自分の理解が正しいかどうかを相手に伝えることで誤解を防ぎ、より深い理解につなげられるようになるでしょう。また、自分の言葉で話の内容を再現する練習を繰り返すことで記憶にも定着しやすくなるのです。相手の話を理解することに重点を置くことで自然と話が頭に入ってくるようになるでしょう。
相づちや表情などで傾聴を心がける
傾聴とは相手の話を積極的に聞き、理解する姿勢のことです。相づち・表情・姿勢などの非言語コミュニケーションも取り入れ、相手の話を理解しようとする姿勢を示しましょう。
相づちは相手の話に合わせて適度なタイミングで打つようにします。「はい」「なるほど」「そうですね」など、短い言葉を使うことで相手の話を邪魔することなく聞いている姿勢を示せます。また、表情・アイコンタクト・姿勢にも気を配りましょう。
非言語のコミュニケーションも通して相手の話を理解しようとすることで、話の内容が自然と頭に入ってくるようになります。普段の会話の中でも積極的に実践してみましょう。
人の話が頭に入らないならアウトプットも意識してみよう
人の話が聞けないと、自分の評価やコミュニケーションに悪影響を与えてしまうことがあります。相手の話に興味を持ち、聞く姿勢を整えて集中して話を聞くようにすると改善できるでしょう。
質問をする前提で話を聞いたり、要約や自分なりに言い換えたりすることを習慣にすると、相手の話を理解しようとする意識が生まれて自然と話に集中できるようになります。アウトプットを意識することで、相手の話が頭に入ってくるようになるのです。
精神科医である樺沢紫苑氏の著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』では、結果を出すアウトプットの方法を、脳科学の観点から丁寧にわかりやすく解説しています。続けるコツやアウトプットする楽しさを知れば、人の話を聞く姿勢がおのずと整うようになるでしょう。