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相手のモチベーションをあげる!ほめ言葉の力を最大限に引きだす方法とは

頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術
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相手をほめることは得意ですか?ほめることをあまり得意としない方は多いですが、実は交渉が有利になることがあります。ほめ言葉が最大限の効果を発揮するのは、どのよう方法なのでしょうか。

この記事では、ほめることで相手のモチベーションを上げる方法を、対人関係の全技術を凝縮した「頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術」よりご紹介します。ほめるときは、ちょっとしたコツを知っておくことで効果が大きく変わります。ぜひ最後まで読んで、ほめ上手な人になってみてください。

効果的にほめるには

相手のモチベーションを上げる、効果的なほめ方についてみていきましょう。

誰かを経由してほめること

ほめるというのは相手の「承認欲求」を満たす行為。承認欲求とは、自分が集団から存在価値を認めてもらいたいという欲求のこと。この欲求が満たされることでモチベーションを高め、動きやすい状態にしてくれます。素直にほめることで交渉もスムーズに。

ほめることが苦手だという人もいるかもしれませんが、そんな人にも役立つほめ言葉の伝え方があります。それは、第三者を介してほめること。

交渉の場面では、こちらと相手との間に必ず何らかの利害が生じるはず。そのとき、利害関係のない第三者のほめ言葉が相手に伝わると交渉に有利に働きます。ほめ言葉以外にもなんらかのエピソードや誰かの感情を伝えても信用度や信憑性が増すでしょう。

人を経由してほめられると、相手はその言葉を信用しやすくなるのです。

ほめたことを伝えてもらう、ほめられていたことを伝える

第三者を介する伝え方として、以下のような2つがあります。

  • 自分が後輩や部下をほめた言葉を第三者を介して本人たちに伝える

あなたがある店の店長で、Aさんをほめるとします。あなたは第三者であるBさんにこう伝えます。「Aさん、仕事の覚えがすごく早くて教えやすいよね。Bさんからも、店長がほめていたと伝えておいて」。そして、BさんがAさんに対して「店長もAさんの仕事の覚えが早くて助かるって言っていたよ」と伝えると、Aさんには効果的にほめ言葉が伝わります。

  • ある人がほめていたと目の前の相手に伝える

あなたが「B先輩が、『Aさんがいると場の雰囲気が明るくなっていいよね』って大絶賛していたよ」とAさんに伝えると、信用度が高まります。

ポイントは具体的に伝えること

第三者を介してほめるときは、「誰が」「何を」言っていたのかをできるだけ具体的に伝えることがポイント。「人」と「内容」に分けて具体化しましょう

「人」に必要なのは、相手がイメージできる具体性。「誰かがキミのことをほめていたよ」よりも、「うちの役員の〇〇がキミのことをほめていたよ」と伝えた方が効果があります。

さらに、ほめる相手の尊敬する人や好意を寄せている人であればより効果的。知らない人であっても役職・肩書き・実績などの専門性を伝えるとよいでしょう。専門性が交渉相手にかかわるものならばベストです。

「内容」は、能力や結果よりも、その結果に至るプロセスや過程をほめると効果的です。たとえば「賞を受賞したの、すごいね」よりも「賞を受賞するために毎日6時間のトレーニングを続けたの、すごいね」と伝えるのがポイントです。

こんなときは注意が必要

ほめるときに注意することを覚えておきましょう。

やりすぎに注意

「ある事柄について当事者が自ら発信する情報よりも、他者を介して発信された情報のほうが、信頼性を獲得しやすいとする心理効果」(『経営心理学用語集』より)のことを「ウィンザー効果」といいます。マーケティングの世界では「口コミ効果」とも呼ばれるもの。

このウィンザー効果を使って、ほめ言葉の力を最大限に引き出すのです。

ウィンザー効果をつかうときに注意すべきなのは、やりすぎないこと。多少盛るくらいならよいのですが、捏造は避けましょう
事実無根の内容を伝えてしまった場合、あとで何らかのトラブルが起こらないという保証はないのです。

また、相手をほめるときのシチュエーションにも気を配りましょう。多くの前でほめると喜ぶ人もいますし、みんなの前ではほめないでほしい人もいます。

一度、他の人もいるシチュエーションで軽くほめてみるとよいかもしれません。相手が戸惑ったり、迷惑そうな雰囲気をだしたりしたら、次回以降は1対1のときにほめるようにしてみましょう。

交渉内容とほめられた内容は切り離すこと

ウィンザー効果は強力なので、相手が使ってきた場合は注意が必要です。交渉内容とほめられている内容は無関係なはず。ほめられた高揚感で、つい相手の提示する条件を飲んでしまった……なんてことのないように気をつけましょう。

交渉内容とほめられた内容は切り離して考えることが大切です。

まとめ

ほめるときは、第三者を経由すると信用されやすいでしょう。結果よりもプロセスをほめるとさらに効果的。相手のパフォーマンスもあがります。

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