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あなたの弱みは一瞬で強みになる/権藤優希(@yuki_gondo_)

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性格は生まれたあとも変えられる!

脳には可塑性がある

弱みを強みに変えていくにあたって、強みにフォーカスを当てやすい自分にするために大切な3つの要素があります。「脳の可塑性」「腸内環境」「エピジェネティクス」です。

「脳の可塑性」というのは、要はポジティブ脳の鍛え方というイメージです。もともと、1990年くらいから遺伝子学とか脳科学とかが発展して「この要素さえ押さえていけば後天的にポジティブになれる」というポイントが分かってきました。この考え方自体は、僕の親の世代ではまだ一般的ではなかったので、生まれ持った遺伝子の要素がほとんどだと思われていました。僕も両親からは、経営者がいる家系ではないので「お前が経営者になれるのか」といわれてきました。

ですが、普段どういう言葉を自分に投げかけているかに、人はすごく影響を受けます。先天的、遺伝子的にネガティブな人だったとしても、ポジティブな人といたり、考えに触れたりしていると、解釈がポジティブになっていくのです。

腸内環境と脳は連動する

次に大切なのが「腸内環境」です。セロトニンなどのホルモンが育ちやすいヨーグルトや、ビタミンが多い野菜、サプリメントを摂ることや、太陽の光を浴びたり屋外で運動したりすることなどで、腸内環境を良くすることが大切です。セロトニンの90%以上は神経細胞を通って脳にいくそうです。腸内環境と脳は連動しています。腸内環境が荒れている人がポジティブになりにくいのはそのためです。

エピジェネティクスを広げる

もうひとつ大切なのが「エピジェネティクス」という要素です。自分の脳で「この場所が安全な場所だ」と感じる自分の安全・安心ゾーンを広げていくトレーニングです。例えば、家庭環境があまり良くない人が不良になりやすいのは、この影響です。この場所が安全だというスイッチがどこでもオフになってしまうのです。

自分を安心させるゾーンを広げるのは大切です。普通に生活したらいいのですが、現代ならではの気を付けないといけないポイントが、ネガティブな情報を受け取り過ぎないということです。テレビや雑誌で悲惨なニュースを見たり、SNSなどでも他人の誹謗中傷ばかり見てしまったりと情報の選択を間違い続けてしまうと、この世の中は危険だというスイッチが入ります。そうすると、弱みを強みに変えていくトレーニングがしにくくなっていきます。現代的な生活をしていくなかで大事なことではないかと思います。

強みを見つけ、強化する方法

すごい変換リスト50

この本では、具体的に弱み50個を強みに変えています。このページだけを見てもすごく参考になります。
例えば、「ネガティブ思考」は、メタ思考でみると、常にこの場合どうするのと最悪の場合を想定してしまうということになります。逆にそこに長けている。だから「最悪の場合を考えられる人」と言い換えることができます。
「話下手」は、一歩引いている、聞き上手。つまり、よく聞いているということは「洞察力があり、物事を冷静に判断できる人」です。僕は、オウム返しが得意です。商談のときも、僕は余計なことが話せないタイプでした。営業は軽快にとぎれずにしゃべれる人が向いていると思っていました。僕は挨拶のあと、何もしゃべれない。

ですが、僕が話せないでいるとお客さんも気を使ってくれるのか、自分の話をしてくれるようになります。一番大事なのはお客さんが何を求めているかという情報を引き出すことです。お客さんの情報を持ち帰っていたので、僕は提案がめちゃくちゃ当たりました。逆に、アイスブレイクが上手で会話が盛り上がる同期は、間が怖いために話し続けていたそうです。だから、本題になかなかたどり着けない。薄い会話で、2時間盛り上がったけど、お客さんが何を考えているか分からないまま帰ってきていました。これって、商談と考えたら聞き上手の方がよいのではと思いました。こうやって、考え方を変えるトレーニングをしてきました。修正の仕方も本には書いてあるので、参考にしてほしいです。

強みと弱みは表裏一体

弱みばっかりだという人は、メタ思考や認知行動療法を用いて強みに変えましょう。そして、弱みを強みに変えたら、その強みの強化をしていくことが大事です。これは一緒に仕事をする人を選ばないとなかなか難しかったりします。

強みを強化する方法は2つです。ひとつはフィードバックを受けること。もうひとつは、真逆の人といるということ。自分の強みと真逆の強みを持っている人といることで、自分の強みは強化されます。真逆の人と組むと、自分の良さだけを出しやすいです。その結果、自分の強みが進化します。強みと弱みは表裏一体なのです。

大切なのは、人の前にいるときどちらが表面に出ているかということ。僕は欠点がたくさんありますが、強みが表になるように仕事をしているし、そうなれる人と組んでいます。仕事で成功しているイコール弱みがないということではありません。弱みがいっぱいあるけど、常に表に強みが出ているということです。仕事で表が出たり裏が出たりしていたら、なかなか成果がでません。

「好きなこと」より「やる価値のあること」

好きなこと・やりたいことから自分のなりたいものを決める人は多いです。僕も実体験があります。僕は野球が好きすぎて、大学生のときに福岡ドームでビールの売り子のアルバイトをしていました。結構売れましたが、頑張れば頑張るほど、大好きな野球が観られないことに途中で気が付きました。

これは、好きなことの分析が不足していたということです。僕は野球をやることも好きですが、よく分析すると観る方が好きというタイプでした。今でも高校野球とかソフトバンクホークスとかの試合をずっとチェックしています。好きなことの分析が甘いと、こんなはずではなかったとなりやすい。そもそも、会社って好きなことができないと思いませんか。車が好き、飛行機が好きといっても、好きなことだけできるわけではありません。

だから、好きなことより「やる価値があること」を選択した方がいい。やる価値があることはどうやって見つけるのか。自分の強みを見つけてください。そして自分はどういう人間か、人に聞いてみてください。自分が尊敬する人のその要素を挙げてみてください。そこに自分の感じる価値があるはずです。

大義名分をもって取り組む

「やる価値があること」は言い換えると、仕事の大義名分です。自分の大義に感じていることは少々のことではやめません。だいたい継続します。僕みたいに不器用な人は最初からうまくいきません。野球と同じで何回も空振りして、かすり始めてから面白くなってきます。

僕は講演会では原稿を見ずに話せていますが、何度もかんだり、頭が真っ白になったり、いいたいことと全然違うことを話したり、人前でたくさんの失敗をしながらだんだんできるようになりました。やめなかったのは自分の大義があったからです。

不器用な人ほどなかなかうまくいかないので、やる価値があることからアプローチしたほうがいいです。強みと価値を掛け合わせるのが、僕のおすすめです。自分の一番なりたいものが見つかるのではないかと思います。僕はそうしてきました。

僕の強みは、客観的に物事が見られることです。聞き専なので、家でも98%くらいは奥さんが話しています。冷静に聞くことで、話全体の構成がつかみやすい。分析できる。こうしたらという作業に落とし込むことができる。

人の可能性に貢献すること

やる価値があることについては、尊敬する人を見て僕が響いた要素は「人の可能性に貢献している人はかっこいい」ということでした。僕は小中高と野球をしてキャプテンも経験しました。その後、大学受験で第一志望の国立大学に落ちました。なぜかというと、高校3年生の夏で野球部の活動が終わったあと、秋の運動会まで応援団に力を入れていたからです。運動会が終わってから1か月くらいいろんなところで打ち上げをして、センター試験の勉強を始めたのは12月に入ってからでした。センター試験までは1か月しか時間がなく、受かるはずがありません。

でも、コミュニティが好きなんですね。大学に入ってからも、ビールの売り子のバイトリーダーをやったり、就職活動支援サークルの会長をしたりしていました。
もともと人の可能性に貢献することに価値を感じるから、尊敬する人のやっている事業に興味を感じたのだと気が付きました。

そう思ったときに、作家の仕事っていいな、コミュニティ運営っていいなと考えました。自分のプロセスを分析しながら、ひとつひとつ弱みから強みに変えてきたタイプです。それを体系化したらお役に立つかな、それを役に立つ人たちがコミュニティで集まって何か一緒にできたら面白いかな、そういう人たちも会社で出世したり起業したりするようになったら、キャプテンやリーダーをしてきた自分が大人になってからも楽しく仕事をする姿になれるかなと思いました。

今日お話ししたのは僕の体験からいえる、弱みを強みに変える方法、なりたい自分の見つけ方です。願わくば、みなさんも弱みから強みを発見して、それを強化しながら強みとやる価値があることを掛け合わせて、この先自分のなりたい姿を明確にしていけるきっかけになったらと思っています。

以上


権藤優希さんのイベント動画が視聴できます。
https://www.sanctuarybooks.jp/event_doga_shop/detail.html?id=388



権藤優希

株式会社シーマネジメント代表取締役。
東京都内で飲食店、オーガニックショップ、講演会・ビジネストレーニング事業などを多岐にわたって展開する。
福岡県久留米市生まれ。大学卒業後、日本電気株式会社(NEC)に入社。
新人最速で大型案件を受注し、注目を集める。NECにおいてさまざまな賞を獲得した後、4年目に独立。
起業後はNEC時代のノウハウを活かし、営業の事業において、半年間で業界内世界第2位の記録をつくる自身の経験をもとに行われている講演会は大人気で、20〜30代の若者を中心に、大きな注目を浴びている起業家。
また、オンラインサロン「ごん×櫻井のモテモテ塾」は、多くのメディアに取り上げられ、話題を集めている。
著書に『自分で決める。』『心が強い人のシンプルな法則』『「話すのが苦手、でも人に好かれたい」と思ったら読む本』『損をしない人の考え方』がある。