この本は
「日本がもしも
100人の島だったら?」
と例えることによって、
難しい経済の仕組みを、
超シンプルに理解して
いただくための本です。
金利? 国債? 為替? インフレ?
今まで経済ニュースを見ても
チンプンカンプンだった人も、
この一冊を読めば「わかる! 」
というレベルに達し、
しかも「私はこう思う」という意見まで
持てるようになることをお約束します。
経済がわかりにくいのはなぜか?
それは話のスケールが大きすぎて
全体像が見えにくいからだと
考えます。
そこで日本を「100人が住む島」
と想定することで
経済の仕組みを解説してみました。
さあ、100人の島とその住人たちと、
一緒に経済の世界を楽しみましょう。
編集者コメント
ムギタロー著
『東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!』
担当編集者より、
経済のなにがわからないのかも
よくわからない人たちへ
この本は経済の本です。
ぼくは経済には興味がなかったです。
なんか経済とか、大人として知っておかないと、恥ずかしいんだろうなとは思っていましたが、興味がないものはないんですね。
ガソリンやパンやラーメンの値上がりには興味があっても、「タックスヘブン!」とか「アベノミクスで異次元金融緩和!」といった話はスルーしてました。
経済ニュースがなにいってるのかさっぱりわからないから、そうです、政治家の言っていることもよくわかっていなかった。いや言っている意味はわかったとしても、なんで金利とか関税とか真剣に議論しているのか、いまいちピンときてなかった。
ただなんとなく、借金だらけの日本って大丈夫?……汗。
景気が悪いっすな。まあ日本は借金だらけだから、増税されてもしょうがないか。なのに、給付金とか助成金とか補助金とかやばくね? 未来へのツケにまわしてOK? とは思っていました。
そりゃ、たくさんお金を稼ぐ人は偉いでしょう。
だって税金をいっぱい払って、わが国に貢献してくださっているのですから。
今日もパトカーが走ったり、ゴミを持っていってくれたり、信号がチカチカするのは、お金持ちたちがたくさん税金払ってくださっているおかげ。
そういう人たちを支えることが、我々日本国民にとって有益であるということは疑いの余地もない。
お金を稼げない人は、とても残念な人だ。
そう信じていました。
でもこの本の編集後、変わりました。
経済ニュースが少しわかるようになっていました。
経済ニュースで言っていることが、ただの情報ではなく「どうしてそういうことが起きているのか」がわかるようになってきました。
そもそも「日本の借金」というものは、そんなに悪いものでもないかもしれない。国の財政を、家計や会社の経営と同じ感覚で見ちゃいけない。冷静に考えれば、黒字をめざす必要なんてないじゃない。だって国は自分でお金を印刷できるんだから。
景気を良くするには「国の経営をうまくやること」ではなく、お金をかけるべきところにかけ、シンプルに国内外問わず「日本のってやっぱいいね〜」と感じてもらえるような、モノやサービスを作る応援をすればいいんじゃない? と思えるようになりました。
経済が少しわかると、たぶん政治も少しわかってきます。
自分でも驚いたのは選挙のときのことで、宗派も党派も持たないぼくは、いままでなんとなーくの消去法で選んでいた感じなのですが、それが「この人に当選してほしい」という強い意思を持って票を入れられるようになっていました。おかげで、夜の開票速報番組が楽しかったな。
あとそう。お金はそもそも人生の勝敗を決めるものではない。
本来はみんなが「合理的にハッピー」になるためのアイテムなんですよね。
お金はいっぱい持っているけど残念な人もいる。その一方で、いっぱいお金を稼げてはいないかもしれないけれど、介護士さんとか看護師さんとか保育士さんとか肉体労働者の方とか日本に不可欠な人はたくさんいる。
そういう人たちを支えることが、最終的には自分たちにとって有益になるんだぜ。
ぼくだけじゃなくて、多くの人がそう思ってくれないと、ぼくたち全員もろともオワコンになっていくような気がします。
民主政治は、民意が反映されているから。経済を知らないと、知らない人たちにウケるようなことを言う人が当選し、政治を動かしていくから。
なんていうと、なにか特定の思想に影響されたの?と思われるかもしれませんが、否めません。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれません。
ただね、あっち寄りとかこっち寄りとか、そういうややこしい話は抜きにしても、みんなが経済について知れば知るほど、みんなのハッピーはどんどん底上げされていくだろうなと、いまでは強く思っています。
ぼくたちは今、お金を稼ぐゲームの中で活動しています。
でも……そのゲームを少し上から俯瞰してみれば、あらたに気づけることがいっぱいです。
ぜひこの本を、そのきっかけにしてくれたらうれしいです。
目次
<1>ケイザイ以前の話
言葉を使おう
役割分担をしよう
どうやって分ける?
政府と公務員を作ろう
ルールとお金を作ろう
景気と物価
値段の決まり方
<2>国家とお金
お金にはなぜ価値があるの?
お金の増え方(政府が発行する場合)
むかしの税といまの税
お金の増え方(国債の場合)
自分の財産ってなに?
お金の増え方 (民間銀行による信用創造の場合)
ぎりしゃ島の破産
<3>国の役割と政府のお仕事
国の役割って?
ルールの穴をふさごう
政府の仕事ってなに?
政府にできること、できないこと
お金のバランスを取ろう
<4>景気と物価
値段の決まり方
物価の決まり方
物価を上げよう
景気を良くしよう
ハイパーインフレーションってなに?
<5>投機と債券
投機バブルってなに?
住民の債券ってなに?
金融危機ってなに?
株券ってなに?
<6>貿易と為替
貿易をしよう(お金がない場合)
貿易をしよう(お金がある場合)
為替レートってどうやって変わるの?
通貨発行は為替にどう影響するの?
関税ってなに?
変動(固定)相場制ってなに?
島の力を強くしよう
<7>課題と未来
国のシステムってなに?
資本主義の課題
持続可能にしよう
理想の主義ってなに?
大切なもの