経済という言葉自体は、誰でも一度は耳にした経験があるほど身近なものですが、経済が具体的に何を指すのか、実はよく分かっていないという人は多いのではないでしょうか?
大学などで勉強する「経済学」とは具体的にどのような勉強をするのかイメージがわかないという人もいるのではないでしょうか?
この記事では、「東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!」より、経済を学ぶ大学生から社会人が簡単に経済を理解できるように、そもそも経済とは何なのか?経済学は何を学ぶ学問なのかについてわかりやすく解説します。
東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!
ムギタロー(著)、井上智洋、望月慎(監修)
定価:1,400円(税込1,540円)
金利? 国債? 為替? インフレ? 今まで経済ニュースを見てもチンプンカンプンだった人も、この一冊を読めば「わかる!」というレベルに達し、しかも「私はこう思う」という意見まで持てるようになることをお約束します。
目次
経済とは何か?簡単に解説!
経済とは、人々が生活するために必要となる物やサービスを生産し、分配、消費する活動や流れを意味します。
さらに、生産・分配・消費活動における、それぞれの活動のなかで営まれる社会的な関係も、「経済」と表現します。
経済の仕組みとなる生産・分配・消費については、以下で詳しく解説します。
経済の仕組み1.生産
経済活動における「生産」とは、物やサービスを作り出す行為を指します。生産には、形のある生産と、サービスなどの無形物としての生産に分けられます。有形物の一例として、以下のものがあげられます。
・農産物
・工業製品
・建築物
一方、無形物であるサービスには、以下の例があります。
・ホテル
・交通
・医療
経済の仕組み2.分配
経済活動において「分配」とは、生産した物資やサービスの販売、提供により得られる所得を、生産にかかわった労働者や地主、資産家などで分ける行為を指します。
分配される所得に該当するのは、労働者に与えられる賃金、地主が土地を貸している相手から支払われる地代、資本家に配当される利潤などです。
経済の仕組み3.消費
労働の仕組みにおける「消費」とは、社会に暮らす人々が、毎日の生活のために購入した商品を食べたり、使用したり、消耗したり費やしたりする活動を指します。
商品の購入だけでなく、電気やガス、水道などライフラインの使用や病院での治療など、生活に必要なサービスも消費の一環です。
経済活動は3つの経済主体で成り立ってる!
経済活動における基本単位は、経済を循環させている経済主体です。
3つの経済主体について、それぞれの関係性を解説します。
3つの経済主体
経済主体とは、家計・企業・政府の3つの経済活動です。
家計は、家族や個人など、消費を通して経済活動を行う経営主体です。企業は、生産や販売により、経済活動を行う経済主体を指します。政府は、3つめの経済主体である政府は、財政をつかさどり、経済活動を担います。
経済主体の関係性
家計・企業・政府の3つの経済主体は、お互いに経済循環する関係性で成り立っています。
家計と企業の関係
家計と企業は、2つの関係で成り立っています。
1つめが、生産要素と報酬です。資本や土地といった「生産要素」は、家計から企業に提供されます。企業からはそれらの提供への対価として、賃金や地代、配当などの「報酬」が支払われます。
2つめが、消費財支出と消費財生産です。企業は物やサービスといった「消費財の生産」を行い、家計は消費財の対価として代金や料金を受け取ります。
企業と政府の関係
企業は、政府に税金を支払い、政府は、企業に公共サービスや公共財、補助金を提供します。
企業が政府に納める税金は、法人税や消費税、事業税などです。政府は、企業から得た税金で財政活動を行います。
財政活動として提供されるのが、治安維持や道路の整備、水道事業などの公共サービスや公共財です。環境保護を促進する企業に、補助金が支払われる場合もあります。
政府と家計の関係
政府と家計も、家計が政府に税金を支払い、政府が対価として公共サービスや公共財、社会保障などを提供する関係です。
家計から政府に支払う税金には、個人所得税や消費税、贈与税などがあります。
政府から家計へは、道路の整備、街路樹の植樹、警察による見回り、医療サービス、水道設備管理など公共サービスや公共財、年金や健康保険などの社会保障が提供されます。
いわゆる「経済学」で学ぶ範囲の内容とは?
経済学は、個々の意思と社会全体の動きをデータにより分析し、生活改善に適した資源の分配を論理的に説明し、証明する学問です。
大学や専門学校の経済学の授業では、経済の歴史、経済活動の仕組み、経済学の基本領域、国際経済や雇用、労働など幅広いジャンルを学びます。
経済の歴史や法則性などを明確にし、より良い生活を送るための手段や方法も探究します。
経済学はミクロ・マクロの2つに分けられる!
経済学は、経済のメカニズムを広く分析するマクロ経済学と、マクロ経済学よりもさらに細かい経済の動きを分析するミクロ経済学に分類されます。以下で詳しく解説します。
ミクロ経済学
ミクロ経済学のミクロは「micro=微視的」を意味し、過程の消費や企業の活動など、個々の経済活動に焦点を当てて観察・研究する学問です。
価格や価値がどのように決定されるのかといった考察や、市場にある資源をどのように分け合えば効率的であるかの分析が、ミクロ経済学の目的です。
マクロ経済
マクロ経済学のマクロは、「macro=巨視的」を意味します。経済を個々ではなく、日本全体や首都圏など広域な経済圏を総合的な視点でとらえ、政府や企業、家計をひとまとめにして、経済主体の動きを分析し考察する学問です。
マクロ経済学では、物や人など個々の活動に焦点を当てるのではなく、経済社会全体の動きを労働市場、財市場、貨幣市場として扱います。
「経済学」と「経営学」はいったいなにが違うの?
経済学と似た言葉に経営学がありますが、学習内容は大きく異なります。
経済学は、サービスの提供や物の消費、生産、売買など、お金の取引が発生する経済活動の仕組みを学んだり、探究したりする学問です。
経営学は、企業や病院、商店など組織の運営が対象です。事業の発展や目的達成のための経営活動について学び、探究します。
経済学を勉強すると身に付くスキルは?
経済学を学ぶと、経済に関する専門知識が身につきます。
経済に関する動向や、ニュースの意味合いや重要性を論理的に考えるため、物事の根底や本質の理解にもつながります。
個々の事象や身近な現象が、社会にどのような影響を及ぼすのかをマクロな視点で考察できることから、経済的な社会の動きが明確になるでしょう。
勉強を初めてでもわかりやすい!経済・経済学の入門本5選
経済や経済学について簡単でわかりやすく書かれたおすすめの本を、5冊紹介します。
おすすめ本1.東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!(サンクチュアリ出版)
経済評論家であり、YouTuberやラッパーとして多方面で活躍しているムギタロー氏の著書です。
中学生や高校生から大人まで、幅広い層に向けて、わかりやすく経済の仕組みを解説しています。経済を全体像で捉えるのではなく、「100人の島で起きた出来事」に例えているため、経済を短期間で簡単に理解できます。
東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!
東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!
ムギタロー(著)、井上智洋、望月慎(監修)
定価:1,400円(税込1,540円)
おすすめ本2.スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編(かんき出版)
経済学者でもあり、全米各地の有名大学で講師経験もあるティモシー・テイラー氏の著書です。
経済学の基本を難解な言葉や用語を使用せず、身近な具体例をあげてわかりやすく解説しています。ミクロ編のほかに、マクロ編もあります。
おすすめ本3.人生をぐるっと変える まるっと経済学(リピックブック)
経済用語が理解できると話題のラジオ番組「ジュグラーの波」を書籍化した経済本です。
ストーリー仕立てで経済用語がわかりやすく解説されており、本を読み進めながら世界経済の特徴や現状を理解できます。
おすすめ本4.たった1つの図でわかる! 図解経済学入門(あさ出版)
大蔵省の要職や内閣府参事官、内閣参事官などを歴任した、経済の専門家である高橋洋一氏による経済本です。
ミクロ経済学の需要供給曲線の図を用いて、物の値段の決まり方からTPPや金融政策に至るまで、幅広い分野を解説しています。
おすすめ本5.大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる(KADOKAWA)
東京大学で20年以上に渡り教鞭を執る井堀利宏氏による、マクロ経済とミクロ経済が網羅された経済本です。
大学4年間で習得する経済学を、1日30分×20項目、計10時間で学べるように内容が凝縮されています。
まとめ
経済とは、人が生活をするために必要な物やサービスを生産し、所得や利益を労働者や投資家に分配、商品の購入やライフラインの利用などで消費するライフサイクルを指します。
経済学は、家庭の消費や個々の活動など小さな視点から、国や経済圏をはじめとする大きな視点まで、幅広い修得が必要です。
経済について簡単に理解したいなら、国を100人の島に例えた「東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!」がおすすめです。経済を身近な事象に置き換えているので、中高生から大人まで幅広い世代の経済理解に役立ちます。
(画像提供:iStock.com/Andrii Yalanskyi)