お金

日本人の生活レベルって結局どうすりゃ上がるの?

ムギタロー
#お金

―もしも、日本が100人の島だったら?―
そんな設定で経済をわかりやすく解説した本、『東大生が日本を100人の島に例えたら面白いほど経済がわかった!』から、内容を一部抜粋してご紹介します。
今回のテーマは「お金のバランスを取ろう」です。国の文明発展と平和を実現させるために必要な考え方について解説していきます。

ただお金を配っただけでは生活は豊かにならなかった

島の住民は、1人100万エンしか持っていません。
そんな時、島の代表者会議で、「100億エンを印刷して、みんなに1億エンずつ配る」ことに決めました。
その分、住民が支払う税も100エンから1000万エンに変わりました。
しかし、みんなの生活は良くなりません。みんなの財布に入っているエンが増えただけで、島のモノ・サービスの質や量はまったく変わりませんでした。
リンゴの価格が100エンから100万エンに上がっただけで、島にあるリンゴの数も、車の数も技術も何も変わっていないからです。
つまり、人々がお金を手に入れたからといって、国の文明が発展するとはかぎらないと言えるでしょう。
国の施策は、お金を増やすことを考えるよりも「文明発展と平和を達成するためには」どうすればいいのか考える必要がありました。

国は施策やルールを定めてお金のバランスを取ろうとした

そこで島の政府は、住民にただエンを配るだけではなく、施策やルールを定めて文明発展を進められるようにお金のバランスを調整することにしました。
たとえば、島にとって大事なイモにおいては、おいしくて安価なイモを多く生産するために次のような施策やルールを定めたのです。
 イモ業に補助金を出す
 イモ農家の人数を増やす
 新しいイモの開発に、イモ研究所を設立する
 外国から入って来るイモの量を制限する
このように、「もっとおいしいリンゴ」「もっと快適な車」「もっと面白い映画」を作り出すために、お金のバランスを取ることが大切だと言えるでしょう。

文明の発展に必要な「競争」を促す

国の文明発展を進めるために施策やルールを定めましたが、放っておくと再び崩れてしまいます。
一度お金持ちになった人はどんどんお金持ちになり、逆に貧乏になった人はますます貧乏になっていくのです。
そのため、常に政府がお金のバランスを取る必要があります。
お金のバランスが崩れると、文明の発展に必要な競争が少なくなってしまうのです。
たとえば、これまでにない素晴らしいパソコンのアイデアを持っている住民が、貧しすぎて生きることに精一杯だとします。
すると、パソコンを作るヒマがなかったり、大金持ちのパソコン屋のトラに邪魔をされたりしまったら、素晴らしいパソコンが出来上がりません。
政府は、この住民がパソコンを作れるように、補助金を出したり開発に必要な人員を増やしたりといった調整を行うと良いでしょう。
このように、「島の文明発展と島の平和」を達成する方法やお金のバランスを取る方法について、常に考えて施策を決めることが大切なのです。

まとめ

島の住民が豊かな生活を送るためには、ただエンを手に入れるだけでは実現できません。食糧やモノ、サービスの発展は、ある程度の競争があった方が良いと言えるでしょう。そこで、国は施策とルールを定めて、お金のバランスを取ることにしました。

このように、日本を「100人が住む島」に例えると、難しい経済の話がグッと身近なものになりませんか?
今回ご紹介した内容の他に、「経済というシステムが生まれる前の話」「お金の増え方」「国や政府の役割」「景気と物価」など、シンプルに分かりやすく解説しています。

興味がある方は、ぜひ本書をご覧ください。

文/石山 亜由美

(画像提供:iStock.com/kool99)


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