「彼氏が欲しい」それだけなんだ!
彼氏にフラれた勢いで、マッチングアプリ7つを同時ダウンロード!自身の恋愛体験をもとに、恋愛小説家・恋愛ライターとしても活躍するくしゃ美さんが、真実の愛を手に入れる(かもしれない)までのマッチングアプリ体験記です!
私の王子様
7つのマッチングアプリをダウンロードした私。
次の日からは、怒涛のメッセージラッシュ!
【スワイプ→マッチング→メッセージ】をひたすら繰り返しました。
今日も私の親指が忙しい!
一通り来ていたメッセージを返し終えると、自分からも積極的に「いいね」をしにいくことに。
「いいねが多い順」で並べ替えて男性を表示してみると、皆さん外見もスペックも素晴らしい!
「うっわ~!こんな人たちと付き合いたい…!」とテンション上がりまくりの私!
流れるように「いいね」を押しまくったわけですが…
ぜんっぜん!「いいね」が返ってこない!(泣)
そりゃそうか。「いいね」をたくさんもらってる男性は、よりどりみどりの女性から選ぶことができるもんね。
もっと若い子とかいくよなぁ……。
私は「はぁっ」とため息を吐くと、「並べ替え」を「登録日順」に変更した。
こうすれば、最近新しく登録したばかりの男性が表示されるはず。
次はこれで「いいね」を押しまくるぞ!
ちなみにこの探し方、まじでオススメです!(私は心の中で「新規狩り」と呼んでいます。笑)
ハイスペック男性が、他の女性からたくさんの「いいね」をもらって手の届かない存在になる前に、マッチングしてしまおうって作戦です!
例えハイスペック男性でも、登録したてはまだ「いいね」がほとんど来ていない状態なので、メッセージを返してくれる可能性が高いんです。
早々にLINE交換や会う約束までこぎつけられれば、なおよし!
そして――見つけました!私の王子様!
【外見】1枚目:顔アップ。横顔だけど、鼻筋が通っててイケメン!
2枚目:全身写真。後ろ姿だけどスタイルよさそう!
【年齢】33歳
【学歴】大学卒
【職種】経営者・役員
【年収】800万~1000万
【身長】173cm
良いいいい!君に決めた!(ポケモン風)
私はすぐさま「いいね」をタップ!
彼からもすぐに「いいね」が返ってきて、メッセージのやりとりを開始しました。
そこから何日かメッセージをした後、LINEに移行。
さらには来週末に会う約束まで、トントン拍子に決まりました。
順調すぎて怖い…!もしかしてこれが「運命の出会い」ってヤツ……!?
初デート
初デート当日。
待ち合わせ場所に現れたのは、写真以上のイケメン!
「はじめまして!くしゃ美ちゃんですか?」
声優しい!笑顔かわいい!好きなタイプ過ぎる!
「はい、くしゃ美です!ユキナリくん?」
「ユキナリです!じゃあ…行きましょうか!」
そして、事前にユキナリくんが予約してくれたオシャレなイタリアンのお店へ。
1杯目のビールが空く頃にはお互いだいぶ打ち解けて、私は気になっていた「経営者・役員」の仕事について聞いてみることにしました。
私「そういえば、ユキくん(と呼ぶことにした)ってどんなお仕事してるの?」
ユキ「今は父親がやってる会社で、専務をやらせてもらってるよ」
!?
「父親がやってる会社」!? 何そのパワーワード!
ってことは、もしかして……ユキくんって次期社長!?
私「え、すごいね!何の会社なの?」
ユキ「繊維系の会社だよ。俺は何もすごくないんだけどね~」
謙虚!
ていうかこんな人に彼女がいないってあり得るの?
絶対モテるじゃん!
それから仕事の話や恋愛の話、アプリの話なんかで盛り上がり、2軒目はちょっとオシャレなバーに連れて行ってもらいました。
私のユキくんへの好感度は、もう爆上がり!
終電でバイバイする頃には「あぁ!もう、好きー!」となっていました。(チョロい)
2回目のデート
2回目のデートは、翌週の平日、仕事終わり。
地下街をぷらっとして見つけた焼鳥屋さんで、3時間ほど飲みました。
ユキ「じゃあ明日も仕事だし、そろそろ帰ろうか?」
あ…今日は2軒目はない感じなのね?(しゅん)
ユキ「くしゃ美ちゃん、S駅だっけ?」
私「うん!S駅だよ~」
ユキ「そっか~…。オレ明日、S駅から行けたら会社も近いのにな~(笑)」
……ん?
ちょっと待って。
それって、どういうこと?
私の家に泊まりたい、と…?
私「あ…あはは…?」
何て答えたらいいか分からなくて、愛想笑いをしていると
ユキ「――ははっ!じゃあ、気をつけてね~!」
と、さっきの発言が冗談か本気か分からないまま、ユキくんは帰って行きました。
え。あれってつまり…
私が「いいよ」って言ったら、家に泊まりに来てたってこと?
だって…付き合ってもないのに?
あれ?ユキくんってもしかして、チャラい…?
「…いや、ただの冗談でしょ!」
私はせっかく出会えたドンピシャにタイプな彼を疑いたくなくて、そんな疑念を無理矢理振り払って、眠りにつきました。
あやしい雲行き
しかし、翌日から。
明らかにユキくんの連絡頻度が減っていきました。
1日に何往復もやりとりしていたLINEが、24時間経っても返って来ない、なんてことが増えました。
「…なんでぇぇ~?」
2回目もあんなに楽しく飲んだじゃない!
…やっぱり、帰りのアレがまずかったの?
ヤバイ。このままじゃ…終わる!
焦った私は「とりあえず会ってしまえば、ユキくんの気持ちも復活するんじゃ?」という浅はかな考えのもと、乗り気じゃないユキくんに、しつこいまでのアプローチを繰り返し、何とか会う時間を作ってもらいました。
そして、木曜日の21時。
何とかこぎつけた3回目のデート!
時間も時間なので、駅近の超リーズナブルな居酒屋に。
何か…
1回目→2回目→3回目
って、お店のグレードがどんどん下がってる気はするんだけど…
――いやいや!
毎回おごってもらっといて、そんなこと思っちゃダメだよね!
私のために時間もお金も使ってくれてるんだから!
だんだん自分の扱いが雑になっているという事実に、私はそっとフタをしました。
2時間半ほど飲んで、いい感じに酔っぱらった私たちは、お店を出ました。
ユキ「あ~そろそろ終電だわ~」
私「え~…(寂しい)」
ユキ「もうちょっと一緒にいたいな~」
私「!う、うん!」
ユキ「くしゃ美ちゃん家で飲み直さない?」
!
そ、それはもう…
終電もないことを踏まえると…
家に泊まるってことだよね?
でも私たち、まだ付き合ってもないし…
いいのか?家に呼んじゃって?
私が戸惑っていると
ユキ「ダメ…?」
ああああざとい!かわいい!
できれば家に呼ぶのは付き合ってからがよかったんだけど…
でも、これを断ったらもう、ユキくん会ってくれない気がする…。
私「…いいよ!家で飲みなおそっか!」