マッチングアプリ37歳ガケっぷちOLの話

【1人目】Pairsで出会った イケメン次期社長

#連載エッセイ
#マッチングアプリ37歳ガケっぷちOLの話

お泊まりデート

結局、コンビニでお酒やおつまみ、デザートを買い込み、私の家に2人で帰りました。
軽く飲んだ後、明日も仕事なので、当然 寝る流れに。
ベッドは1つ。酔っぱらった男女が2人。
まぁ…、一緒に寝る感じになっちゃいますよね。

いや、でも!
私には心に決めていたことがありました。
『付き合う前に体の関係は持たない!』

今までの恋愛経験上、付き合う前にヤってしまって、ロクなことはなかった。
結局付き合ってもらえないまま、セフレみたいな関係がズルズル続くことがほとんど。

ちゃんと「付き合う」って確約をとるまで、絶対にヤらない!

とか酔った頭で考えていましたが、今考えると、家に呼ぶ時点でもうアウトじゃね~かって話なんですけどね…。
向こうからしたら、家に入れた時点で「いけるだろ!」と思ってるし、それでグダられても、「まぁヤりたいから、とりあえず付き合うって言っときゃいいか」ってヤツもいるわけですよ。
ヤる直前になってからの「付き合ってくれなきゃヤらなーい♪」は、もはや完全な悪手!
でももう、私には戦うカードがコレしかなかったんです…。

ベッドに入ってすぐ、ユキくんがひっついてきて、予想通りの怪しい流れに…。
私がそれとなく拒否っていると
ユキ「くしゃ美ちゃん、オレのこと嫌い…?」
…く!このあざと王子め!(かわいいな!)
私「嫌いじゃないけど…付き合ってもない人と、そういうことはしたくないし…」

はい!出ましたー!男性が一番嫌うであろう、グダりワード!(くしゃ美調べ)
「付き合ってない人と、そういうことはしたくない」!
「今さら何言ってんだコイツ!?」と思われること、必至ですよ!

案の定、ユキくんの顔が見る見る引きつっていきます。
…知るもんか!私は「付き合う」の確約が欲しいんだ!

ユキ「ん~…え~、でも…」
バツが悪そうに口ごもるユキくん。
私「ユキくんは、私と付き合いたくないの…?」
もう直球でいっちゃえ!
ユキ「う~ん…じゃあ、付き合う…?」

!!!
やったー!?
「付き合う」って、言ったよね?今!
(「じゃあ」は聞かなかったことにするね!)
…ってことは、私はユキくんの彼女!

私「う、うん!じゃあ、これからよろしくね!」
ユキ「うん~…」

――あれ?何か…「付き合う」ってこんなアッサリな感じだったっけ?
ま、まぁいいか!(よくない)

結局その後、サラッとやることやって、私たちは眠りにつきました。

彼女とは…?

晴れて「彼女」になった!はずの私!
なのに、相変わらず…

LINEは返ってこない。
電話もかかってこない。
会おうとも言われない。

…あれ?何この「思ってたんとちゃう」感…?

翌週。何とか会う約束を取り付けて、ドライブに連れて行ってもらいました。
と言っても、ドライブ自体は30分ほどで、そのまま私の家に来てお泊まりコース。

さらに翌週。
2日ほどLINEを放置された後、突然22時頃に
ユキ「今からくしゃ美ちゃん家に行っていい?」
とLINEが来ました。

この2日間、私が送った「元気?」や「何かあった?」なんかの質問は、フル無視!
もうね、さすがに気づいていましたよ。
自分が大事にされてないことくらい。
でもね、私は体の関係を持ったことで、ユキくんへの気持ちが、むしろ加速していたんです。

どんどん冷めるユキくんと、どんどん熱を上げる私。
もうね、この温度差、本当にしんどい!
【追いかける→冷たくされる→不安になる→さらに追いかける】
の負のループのできあがり!
でも、私は引き下がれなくなっていました。

私「いいよ!待ってるね」

そして、その日もやることやった後、来週に差し迫ったクリスマスの話題を振ってみることに。

私「クリスマスはどうする~?」
ユキ「年末だし、たぶん仕事かな~」
私「何時まで?24日も25日も?」
ユキ「両方仕事だね~」
私「どっちの方がまだ早く終わりそう?」
ユキ「…まだ25日かな~?」
私「じゃあ25日にクリスマスしよ!24日はもし会えたらで大丈夫!」

ってことで強引に約束を取り付けました。

メリー・ドタキャン・クリスマス★

そして12月24日、クリスマス・イヴ。
ユキくんから連絡は…ありません。

今日は仕事が忙しいって言ってたし、LINEこないかぁ…。
と、思っていたら!

きた!ユキくんからLINE!

LINEはそこで途切れてしまいました。

私の予定を聞いてきたってことは…
もしかして、私が他の男の子と会ったりしてないか気にしてる?
え、ヤキモチ!?

能天気な私は、そんなことを思っていたわけですが――

翌日。クリスマス当日。
19時頃まではいったんおとなしく待って、ユキくんにLINE。

 

…ん?またその質問?
「何してるの?」とか「誰といるの?」じゃなくて「どこにいるの?」ばっかり聞いてくるのが、妙にひっかかる…。

本当は家でユキくんを待ってるんだけど、何かユキくんをただ待ってるのって、重い女っぽい…?(こんなこと考えてる時点で、もう十分重い)
友達といることにしちゃおう!

ここでLINEは途切れた。

…んんんんん?
何かこれって、もしかして…私の居場所を確認したかったの?

――ハイ!ここで勘のいい方ならお気づきでしょうか!?
ユキくんは、私にヤキモチを焼いていたわけではありません。
私と外で鉢合わせるのを避けたかったんです!

その理由はとは!?
【正解】ユキくんはこの日、他の女とイルミネーションデートに行ってたから!

他の女の子とデートしている時に、私と鉢合わせようもんなら、それはもう修羅場ですよね!
それを何としても避けたかったわけですね!最低か!

結局、私はクリスマスを2日間とも1人で過ごし、やたらと「居場所確認」をされたことで、自分が本命じゃなかったことを悟ったわけです。

何だかんだ理由をつけて、クリスマスや誕生日なんかの大切なイベント日に会ってくれない男は、マジで信用しちゃいけない、とこの時に身を持って学びました。

そして、私。ようやく覚醒の時!

…うん、なるほど?ユキくん、どう考えても他に女いるよね?
っていうか…むしろ私が浮気相手だろ!

そして10日後。
それは確信へと変わることになります。

アヤちゃん

年末年始も、親戚が来たりで忙しいらしく、私と会う気がなさそうだったユキくん。
細々とLINEはしていましたが、私の気持ちも少しずつクールダウンしていた、その時!
事件は起きました。

2日ぶりにLINEでお互いの近況報告をしていた時でした。

ア ヤ ち ゃ ん ?

――ちょーっとお待ち下さい!?
私の名前は「く し ゃ 美」!
「アヤ」なんて名を授かった覚えはありませんけど!?

いや、コイツ…
他の女と名前 間違っとるがな!
…何かもう、ちょっと笑えてきたよ。

プルルルル!
焦ったのか、ユキくんからすぐに電話がかかってきました。

ユキ「ごめん、くしゃ美ちゃん。何かオレ…打ち間違い?しちゃったよね

…え、苦しい!
もうちょっとマシな言い訳考えろよ!
「くしゃ美」と「アヤ」、どうやって打ち間違えるの?

私「あ~…そうなんだ?」
ユキ「うん、本当にゴメンね…。あ、くしゃ美ちゃんはお正月さ、どうしてたの?」

そこから、ご機嫌とりみたいな電話が10分ほど続き
ユキ「ごめん、オレそろそろ家族のところ戻らなきゃ…」
私「うん、またね!」

こうして電話が切れるのと同時に、私の気持ちも完全に切れてしまいました。
もうコイツ、いいやぁ……!

「名前間違え事件」の後、ユキくんの方から連絡をくれたことが一度だけあったけど、さすがにもう会う気になれなくてシカトしたら、それから連絡もこなくなりました。

やっぱり口約束でムリヤリ付き合ったって意味なかったし、やたらと居場所を聞いてくる男には気をつた方がいい、ってことは学べましたよ、どうもありがとう。

こうして、イケメン次期社長との短い恋は終わりを告げたわけです。
バイバイ!私の初めてのマッチングアプリ彼氏!

最後までご覧頂き、ありがとうございました。
私のアプリ体験談が「これからマッチングアプリを始めようかな?」という方や「マッチングアプリを使っているけどうまくいかない!」という方の参考になれば、とっても嬉しいです!
読んでくださった皆様(と私)に、素敵な出会いが訪れますように~♪

(画像提供:iStock.com/AsiaVision)


くしゃ美
恋愛小説家・恋愛ライター。ガケっぷちの37歳独身OL。
実体験をもとにした恋愛小説が全国東映系にて映画化!過去のどうしようもない恋愛や遊びまわっていた時代の経験などを活かし、恋愛ライターとしても活躍中。
最近の日課は、彼氏にフラれた勢いで始めたマッチングアプリにメッセージを返すこと。スマホを操る親指使いだけが日々極まっていく。誰か助けて。(絶賛彼氏募集中)

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