日々の生活の中で、不満や怒りを感じることはあります。イライラしてしまい、負の感情とに蝕まれてしまうことも少なくありません。しかし、その怒りをポジティブなエネルギーに変えて目標を達成する原動力にする人もいるのです。
この記事では、怒りを原動力に変えて活躍する人の特徴や、最終的に結果に繋げるための方法を解説します。
「怒りをうまくコントロールできない」「怒りをどうしたら原動力にできるのか分からない」と悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。最後まで読めば、怒りをただの感情ではなく、自身の成長を加速させるための燃料として活用できるようになるはずです。
目次
怒りが原動力になる人の特徴
まず始めに、怒りが原動力になる人の特徴を見ていきましょう。
精神的な強さがあり信念を持っている
精神的な強さは、困難な状況に直面しても、簡単に諦めない粘り強さにつながります。そして、自身の信念は、怒りの感情を単なる不満ではなく、目標達成のためのエネルギーへと転換させることができます。
怒りは自分の価値観が侵略された時に生じやすい感情です。強い価値観や信念を持つ人ほど、怒りをエネルギーとして行動に変えやすい傾向があります。また、信念を強く持つ人は、周囲の意見に流されることなく、自分の信じる道を突き進みます。そして、その過程で感じる怒りを、自身の信念を強化するための力として活用するのです。
自己肯定感が高い
自己肯定感が高いと、自身の能力や価値を信じることができるため、怒りの感情に振り回されず、建設的な行動へとつなげやすくなります。
自己肯定感が高い人は、「自分ならできる」「必ず乗り越えられる」と信じているため、怒りをネガティブな感情として捉えるのではなく、課題解決のためのエネルギーとして活用できます。
たとえば、仕事でミスをして上司に叱責された場合でも、「今回のミスは反省すべきだが、自分には成長する力がある」と考え、同じミスを繰り返さないように努力できるのです。
感情のコントロールができて冷静さを保てる
感情をコントロールする能力は、怒りに任せて衝動的な行動に走るのではなく、冷静に状況を判断し、適切な行動を選択するために不可欠です。冷静さを保つことで、怒りを建設的なエネルギーへと変えられるのです。
怒りを感じると、人は感情的になり、冷静な判断ができなくなることがあります。その結果、あとで後悔するような言動をしてしまったり、事態をさらに悪化させてしまうことも少なくありません。
しかし、感情をコントロールできる人は、怒りを感じても、まずは一度冷静になって状況を分析することができます。怒りの感情に振り回されて、周りの人に当たり散らしてしまったり、怒りの感情を解消するために衝動的な行動を取ってしまったりしないのです。
たとえば、会議で自分の意見が否定されたとき、感情をコントロールできる人は、一旦落ち着いて相手の意見を聞き、自分の意見を冷静に説明することができます。そして、建設的な議論を通じて、より良い結論を導き出せるのです。
ストレス耐性が高く、適切に発散できる
ストレス耐性の高さは、怒りを感じる状況に直面しても、心身のバランスを保ち、冷静さを維持するために不可欠です。また、適切な感情の発散は、怒りを溜め込んで爆発させるのではなく、建設的な行動につなげるために重要となります。
ストレス耐性が高いと、多少の困難や不快な出来事があっても冷静に対処します。怒りを感じたとしても、その感情をただ抑え込むのではなく、適切な方法で発散できるのです。これにより怒りを正しいエネルギーに変えることができます。
怒りを原動力にすることのメリットとデメリット
怒りを原動力にすることにもメリットとデメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
【メリット】前向きな行動ができて成長する
怒りを感じるとき、人は現状に対する強い不満や、変えたいという強烈な欲求を抱きます。この感情をうまく利用することで、現状を打破しようと、これまで以上に積極的に行動するエネルギーに変えることができるのです。
たとえば、自分の能力を正当に評価されていないと感じる怒りは、「見返してやる」という強い動機付けとなり、スキルアップのための学習や、より良い環境を求めて行動を起こす原動力になります。
怒りは、単に不満を抱えるだけでなく、具体的な行動を促すための強力な動機付けとなり、成長を大きく加速させることができるのです。
【メリット】人間関係が円滑になる
怒りを原動力にするということは、怒りの感情をコントロールすることになります。このコントロールできる能力こそが、より良いコミュニケーションを築くための土台となり、結果として人間関係をより円滑にするのです。
怒りをただ爆発させるのではなく、冷静に自分の考えを相手に伝えられるので、誤解を解いたり、より深く理解できるようになります。また、イライラをコントロールすることにもつながり、余分なトラブルを未然に防ぐこともできます。
このように、怒りを原動力にするための感情のコントロール能力が、人間関係も良好に保てるようになるのです。
【デメリット】燃え尽きて無気力になってしまうことがある
怒りという強い感情を過度に利用し続けると、怒りのエネルギーが消えたときに、無気力になってしまうことがあります。目標を達成したときや、何らかの理由で怒りがなくなってしまうと、「自分はなにをやっているのだろう」「なんか疲れたな」などと思うようになってしまうのです。
怒りは、強いエネルギーを生み出す一方で、過度なストレスも伴います。この強い感情を常に抱えながら行動し続けると、心身ともに大きな負担がかかり、疲弊します。すると突然、燃料切れの状態になってしまうのです。
【デメリット】怒りをコントロールするのは難しい
怒りは強い感情であるため、一度爆発してしまうと冷静さを失い、衝動的な行動に出てしまいがちです。このコントロールの難しさが、怒りを原動力にする上での大きな障壁となります。
怒りを原動力にするためには、怒りの感情をコントロールするスキルを身につけることが不可欠です。しかし、怒りは本能的な感情なので、理性で完全にコントロールすることは難しいのです。
怒りを原動力にする方法
ここからは、怒りを原動力にする方法を紹介します。
- 怒りを昇華させる
- 自分の目的を明確にする
- 怒りの感情をコントロールする
- アンガーマネジメントを身につける
それぞれ詳しく見ていきましょう。
怒りを昇華させる
怒りを昇華させるというのは、怒りのエネルギーを別の形に変えて発散するということです。悔しさをバネにして行動する、「絶対に見返してやる」という思いで努力するなど、怒りを建設的な行動に変えていきます。
青色発光ダイオードでノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏も、「怒りがすべてのモチベーションだった」といいます。子どもの頃、貧しくて悔しい思いをした人が、怒りをバネにしてスポーツに取り組み、成功をおさめたという例も少なくはありません。
怒りは目標を達成するための行動を強く促します。怒りを感じたら、怒りに任せて衝動的に動くのではなく、自分の望む目標を明確にすることがポイント。そして、怒りを個人的な攻撃ではなく、もっと大きな世界に向けて放つことが大切です。
自分の目的を明確にする
怒りを原動力にするために大切なのは、自分が何を達成したいのか、どのような目標を持っているのかを明確にすることです。ここが定まっていないと、怒りをただ発散するだけになってしまいます。
仕事で納得のいかない評価をされたとき、目指すのは仕事の成果を上げることです。その評価をした相手に攻撃することは建設的ではありません。怒りのエネルギーを仕事に向けられれば、原動力にすることができます。
怒りの感情が湧き上がってきたときは、怒りに我を忘れてしまわないように、自分の目標は何かということを自分に問いかけるようにしましょう。
怒りの感情をコントロールする
怒りを原動力にするためには、感情をコントロールする能力が必要です。しかし、これは簡単にできることではありません。コントロールをしようとして、怒りを抑えて溜め込んでしまうと、恨みや憎しみのような強い感情に変わっていく可能性もあります。
うまく怒りをコントロールするためには、まず自分の感情を理解する必要があります。どのような状況で怒りを感じやすいのか、怒りを感じたときにどのような反応をするのかを自己分析しましょう。
次に、怒りを感じたときには、深呼吸をしたり、その場から一時的に離れたりするなど、冷静になるための自分なりの対処法を見つけましょう。
また、怒りの原因となった出来事や人物に対して、客観的な視点で考えることも効果的です。なぜそのようなことが起きたのか、相手はどのような意図で行動したのかを冷静に分析することで、感情的な反応を抑えることができます。
これらを意識しながら、少しずつ怒りをコントロールしていきましょう。
アンガーマネジメントを身につける
アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。アンガーマネジメントを身につけることで、怒りを適切に表現し、建設的な行動につなげることができるようになります。
アンガーマネジメントを身につければ、怒らないようにするのではなく、「怒るべきことに怒り」、「怒る必要のないことには怒らない」と区別できるようになるのです。
アンガーマネジメントの方法としては、怒りを感じたときに、その強さを点数化したり、怒りの原因を分析したりすることが挙げられます。また、自分の怒りのパターンを理解し、怒りを感じやすい状況を事前に予測することも重要になります。
書籍や講座などでアンガーマネジメントを学ぶと、怒りを原動力にしやすくなります。
怒りを原動力に変えて結果を出すにはアウトプットを重視しよう
怒りを原動力に変えることができたら、目標に向かって努力できるようになります。その努力を結果につなげるには、アウトプットを重視することが大切です。仕事や勉強をアウトプット中心にすると、計り知れない能力を発揮することも可能なのです。
樺沢紫苑著『学びを結果に変えるアウトプット大全』では、「結果が出るアウトプット術」を紹介しています。怒りを原動力に変えて行動するなら、ぜひこの本を読んで、効率の良いアウトプットを使って相乗的に成果を出していきましょう。
