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フリーランスの仕事とは? メリット・デメリットや具体的な職種を詳しく解説

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働き方が多様化し、フリーランスや副業など、さまざまな働き方が選べるようになってきました。しかし、フリーランスがどのような働き方かよくわからないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、フリーランスの仕事やメリット・デメリットを詳しく説明しています。フリーランスになるために必要なこともまとめています。フリーランスについて知り、これからの選択肢を広げていくための参考にしてくださいね。

フリーランスとは? 個人事業主・フリーター・法人との違い

フリーランスという言葉はよく聞くものの、正確なところはわからないという人もいるでしょう。ここでは、フリーランスとはどういうものなのか、フリーターや個人事業主など、意味が似ている言葉との違いを説明します。

組織に属さず、個人のスキルで仕事を請け負うのがフリーランス

フリーランスとは、特定の組織に属さず、独立して個人で自由に契約を交わして報酬を得る働き方のことを言います。法令上の用語ではないため定義はさまざまですが、実店舗を持たず、従業人もいない個人が、自身の経験やスキルを活用して収入を得ます。

一般に、自宅の一部での小規模な事業・コワーキングスペース・ネット上の店舗は実店舗としません。一方で農林漁業従事者はフリーランスではないとされています。また、同居の家族は一緒に働いていても従業員とみなさないことになっています。

企業などの組織に属さずに個人で仕事を受けているならフリーランスであるといえるでしょう。フリーランスは仕事の獲得から納税まで全て自分でわなければなりません。ただし、仕事内容は自由に決めることができます。

フリーターは企業に雇用されて給与をもらう働き方

フリーターはフリーアルバイターの略称です。アルバイトやパートタイムなどの雇用形態で企業に属して給与をもらう人のことをいいます。正社員以外で企業から給与をもらっている人はフリーターだといえます。

厚生労働省ではフリーターの定義を、「15~34歳の若年者(学生及び主婦を除く)のうち、勤め先における呼称がアルバイト又はパートである者」としています。

フリーランスは事業者で、フリーターは非正規労働者ということになりますが、働き方が多様化しているので境界線は曖昧になってきています。

フリーターも自由度は高い働き方ではありますが、収入は低くなりがちです。責任が重くないので精神的には楽ですが、スキルが身に付かず将来性はあまりありません。ニートもフリーターと似たような印象がありますが、ニートは無職の人を指します。フリーターとニートは収入の有無という違いがあります。

SOHOは小さなオフィスや自宅で仕事をする働き方

SOHOとは、Small Office/Home Officeの略称で、小さなオフィスや自宅を仕事場にする働き方のことです。また、その仕事場や物件のことも指します。

フリーランスと大きな違いはありませんが、SOHOはオフィスを構えて仕事をするのでカフェやワーキングスペースで働くことはありません。「働く場所」が重要です。

フリーランスでもありSOHOでもある人もいます。フリーランスであっても、企業などに常駐して働く場合はSOHOとは言えないでしょう。

また、不動産業界では物件のことを指します。「SOHO物件」は事務所として使用できる賃貸物件のことです。一般のオフィスとは契約形態や制約が異なっています。

フリーランスは働き方、個人事業主は「税法上の区分」

フリーランスと個人事業主の違いがわからないという人も多いのではないでしょうか。フリーランスは企業に属さず個人のスキルで収入を得るという「働き方」ですが、個人事業主は「税法上の区分」です。開業届を出した人は、法律上「個人事業主」になります。

個人事業主になると青色申告特別控除を受けられます。簡単にいうと、税金を安くすることができるのです。

個人事業主になるには、会社を設立せずに個人で事業を行っている人が税務署で手続きをする必要があります。税務署に開業届を提出し、同時に青色申告の申請も行うとよいでしょう。費用はかかりません。

反対に、開業届を出さなくてもフリーランスにはなれます。フリーランスも個人事業主も組織に属さず個人で仕事を請け負って報酬を得るという点では同じです。

組織である法人は個人事業主とは支払う税金が変わる

法人と個人事業主とでは支払う税金が変わります。事業の規模によっては、個人事業主よりも法人化したほうが節税になる場合もあります。

ただ、いくら利益が出たら法人化した方がよいという明確なラインありません。個人の税額は人それぞれなので、一概には言えないのです。年間の利益が600万円を超えたあたりで税理士に相談してみることをおすすめします。

もちろん、節税など気にせず、いきなり法人設立することも可能です。法人になれば社会的信頼度も高くなるでしょう。ただ、法人の場合は赤字であっても税金を支払わなくてはなりません。また経理が複雑化するので、税理士にお願いする必要があるでしょう。

法人化の手続きには費用が必要になります。提出しなければならない書類も多く、会社設立が完了するまでには2週間前後の期間が必要となるでしょう。

働き方の多様化によりフリーランスは増加傾向に

近年、フリーランス人口は増加傾向にあります。背景には、働き方の多様化・副業解禁・リモートワークの普及・フリーランス向けのサービスの普及などがあげられます。

2019年から順次施行されている「働き方改革関連法」では、国が働き方の多様化を推進しています。従来の終身雇用制や年功序列といった考え方が見直されてきました。

また、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改訂により副業を解禁する企業が増えてきたこと、リモートワークが普及して多くの職種がオンラインで行えるようになったことも理由の一つでしょう。

ネットで仕事を受注できやすくなったり、コワーキングスペースの増加などでリモートワークがしやすい環境が増えてきたりと、フリーランスとして働く環境が整ってきたことも考えられます。

このような背景により、今後もフリーランスを選ぶ人が増えていくと予想できるでしょう。

フリーランスとして働くことのメリット

自由度の高いフリーランス。ここでは、フリーランスのメリットをご紹介します。

自分の実力次第で高収入を得られる

フリーランスは仕事量・仕事内容・報酬額を自分で決められるので、実力次第では高収入を得ることが可能です。収入の上限は会社員よりも高くなるでしょう。高いスキルや経験を身につけていれば、他者と差別化することにもつながり、交渉次第では会社員では考えられないような高い報酬を受け取ることもあります。

会社員の給与は毎月ほぼ一定ですが、フリーランスは働いた分だけ報酬につながります。特別なスキルがなくても、経験を積んでいけば徐々に仕事が増え、会社員の給与を超える収入に達することもあるでしょう。

自由な働き方ができる

組織に属さないので、誰からも支持されることなく働き方を自由に選択できるというメリットがあります。仕事を受けるかどうかはその都度自分で決められるため、苦手な仕事は断ることも可能。自分のキャリアプランに必要な仕事を選べば、自分の強みを発揮する働き方に繋げることができるでしょう。

今の仕事の幅を広げたり、新しい仕事を始めたり、仕事内容の方向性を好きなように変えていけるのもメリットといえるでしょう。

フリーランスといっても仕事内容はさまざまなので、すべてのフリーランスが自由にやっているわけではありませんが、組織に属している場合と比べたら自由度は高いでしょう。

さまざまなライフステージに対応できる

結婚・出産・介護など、個々のライフステージに合わせた働き方が可能です。オンラインでできる仕事なら、子育てや介護をしながらでも在宅で働くことができます。パートナーの転勤があっても、場所を問わずに働ける仕事なら問題ありません。

会社員であれば退職してしまったらキャリアが途切れてしまいますが、個人のスキルで働くフリーランスは仕事を自分で調整できるのでライフステージが変化しても働き続けることができるのです。

また、定年退職後にフリーランスの仕事を始める人もいます。仕事ができる状態であれば、年齢に関係なく長く働くことができます。人生100年と言われるこの時代に、収入を得る方法を持てるので将来への不安が少なくなります。

人間関係で悩むことが少ない

フリーランスは個人で働くので、苦手な上司の顔色を伺うことはありません。また、仕事も自由に選べるので、合わない人との仕事は断ることも可能です。

誰とも関わらずに仕事をするのは無理ですし、職種によってはコミュニケーションが重要になってくることもあるのでまったくないとは言えませんが、嫌な人から離れることは会社員に比べたら容易です。人間関係のストレスは激減するでしょう。気の合う人とだけ仕事がしていけることはフリーランスの大きなメリットと言えるでしょう。

場所を問わずに働くことができる

働く場所を自分で決められるので、仕事内容によっては完全在宅も可能です。気分転換にカフェやコワーキングスペースを利用するのも自由。満員電車に揺られることもありません。

働く時間も自分で調整できるので、子育てや介護をしながら、スキマ時間に仕事をすることもできますし、パソコン一台で完結できる仕事なら、旅をしながら働くことも可能です。

住む場所についても、通勤に便利なところである必要はないため、自分の気に入った土地で暮らすことができます。田舎移住をして新鮮な空気と鳥の声に囲まれてのんびりした生活もできますし、朝が弱い人は、遅めの時間に起床しても大丈夫。理想のライフスタイルに仕事を合わせることができるのです。

休日を自分で決められる

自分で仕事の調整ができるので、休日も自分の都合に合わせて決められます。平日に旅行に行ったり、子どもの行事に参加したりするのも気兼ねなくできるでしょう。収入に影響はしますが、週休4日にしてゆったり過ごしたり、休みを減らしてしっかり稼いだりという判断も自由にできます。長期休暇を取るための業務量の調整もしやすい環境です。

フリーランスにもデメリットはある

自由度の高いフリーランスですが、メリットばかりではありません。ここでは、フリーランスのデメリットを確認していきましょう。

収入が安定しない

つねに仕事があるという保証はなく、収入が安定しないことはデメリットといえるでしょう。当然ながら、固定給や最低賃金などがないので、仕事がなければ収入がありません。

また、体調により仕事が困難になることもあるでしょう。会社員であれば有給がありますが、フリーランスは休めば収入に影響します

社会保険料の自己負担額が増える

会社員は社会保険料を会社が半分負担してくれますが、フリーランスは自分で加入しなければなりません。結果的に会社員のときと比べて負担額が増えてしまうことがあります

また、フリーランスが加入できる社会保険のうち、国民健康保険は扶養制度が使えません。扶養する家族が2人いれば、自分と合わせて3人分支払うことになります。出産手当金や傷病手当金の支給もありません。
国民年金は年金の受取額が少なくなるなど、制度面での負担は大きくなりやすいため、会社員よりも売上を大きくすることが大切だといえます。

孤独になりがち

自由であることは魅力ですが、とくに自宅などで一人で働く環境の人は孤独になりがちです。一日中誰とも話さなかったなんてこともあるでしょう。

悩みを相談する相手がいないのはつらいもの。コワーキングスペースの活用や、フリーランス向けのコミュニティに参加するなどしてフリーランス仲間をみつけるとよいでしょう。

社会的な信用を得にくい

フリーランス人口は増えているものの、社会的信用はまだ低い傾向があります。クレジットカードや住宅ローンなどの審査は通りにくいかもしれません。場所によっては、賃貸契約も難しくなります。

今は会社員だけれど近々個人事業主として開業しようと思っているなら、会社員であるうちに契約しておいた方が良いでしょう。

フリーランスの仕事には何がある?

フリーランスでできる仕事は数多く存在しますが、ここではその一部を紹介していきます。

プログラマー

プログラマーは、コンピュータ言語を使用してシステムやアプリケーションを作る仕事です。システムエンジニア(SE)が設計した仕様書をもとに、システムが作動するようにプログラミングを行います。わかりやすく、メンテナンスがしやすいコードを書く必要があります。また、うまく作動しないときなどにバグを見つけるとこも重要な仕事です。

フリーランスのプログラマーの年収は600〜720万円だといわれていますが、使用言語やクライアントによって大きく変動します。ただし、独立直後からこの年収を得られるわけではありません。

エンジニア

エンジニアといってもさまざまな種類があります。システム開発全般を担うシステムエンジニア、Webサイトなどの設計・開発・運用・保守をするwebエンジニア、サーバー構築やネットワーク管理などを担当するインフラエンジニアなどです。

IT技術が進んだ現代社会を陰で支えています。フリーランスのエンジニアの年収は700〜1000万円ほど。企業に属するよりもフリーランスの方が稼ぎやすいと言われています。

Webライター・編集者

Webメディアの記事を制作するWebライターは、パソコン一台でできて始めやすい仕事です。専門的な知識や資格を活かし、副業として始める人もいます。ほかにも、取材をした記事を書く取材ライターやKindle本を書くライターなど、媒体はさまざまです。

ライターの収入は、スキルによって大きく差があるのが現状で、300万円~1000万円と幅があります。

コンテンツ全体の進行管理と仕上がりを担うのが編集者。ライターに仕事を発注したり、原稿チェックや公開作業、進行管理をしたりします。年収は人によって差が大きいようです。

ブロガー・アフィリエイター

副業からでも手軽にはじめやすいブロガーやアフィリエーター。軌道に乗ったらフリーランスとして独立する人も多くいます。サイト・ブログ・SNS等に広告を載せ、その商品が売れることで報酬を得る仕事です。

SEOの知識・コピーライティングのスキル・ブランディング戦略など、マーケティングスキルが必要となるでしょう。幅広い知識を得られるので、Webマーケターに転身することも可能です。収入は0の人もいれば、億を稼ぐ人もいます。

Webマーケター

Webを使ったマーケティング戦略を考えるのがWebマーケターです。インターネットが普及し、顧客の購買行動がオンラインにシフトしたことにより、Webの特性を理解して活かすことで会社の利益を生み出します。

自社サイト・オウンドメディアなどのマーケティング全般に関わり、Webサイト構築やSNS運用などで効率的に多くの商品やサービスが売れる仕組みを作ります。Web上の顧客がサービスを認知して購入するまでを設計するので、企画力が必要。広告宣伝や、WebやSNSの特性を理解したり、データ分析をして企画や戦略の効果を調べたりします。

フリーランスのWebマーケターの年収は400万程度とされていますが、企業と利益分配の仕事をすることで、1000万円以上稼ぐ人もいます。

データアナリスト

データアナリストとは、収集した情報を分析する仕事です。分析することで仮説を立て、クライアントの悩みや課題を解決する提案をします。データ分析は客観的な視点が必要になるため、客観的でありさらに論理的に物事を考えられる人に向いています。

また、クライアントのニーズを的確に理解したり、分析結果をわかりやすく説明したりするのでコミュニケーション能力も求められるでしょう。

データアナリストになるのに資格は必要ありませんが、持っていると仕事を獲得しやすいものはあります。OSS-DB技術者認定試験・統計検定・オラクルマスターなどです。

データアナリストは不足状態だと言われているので、将来的にも重宝される仕事となるでしょう。年収は500〜700万円程度。高いスキルがあれば年収1000万円も可能です。

イラストレーター

イラストレーターはイラストを制作する仕事です。クライアントの意向に沿ったイラストを制作します。挿絵・ロゴ・イメージキャラクター・図解など案件はさまざま。依頼はデジタルデータが多いので、IllustratorやPhotoshopなどのソフトを使えるようにしておく必要があります。

クライアントの仕事ではなく、アーティストのように描きたいものを描き、個展や展示会を開催する人もいます。年収は370万程度。平均年収と比べると低い傾向があります。

デザイナー

デザイナーは商品やサービスを使いやすくしたり、わかりやすくしたりする仕事です。様々な分野で活躍することができ、Webサイトのデザインならwebデザイナー、パンフレット・広告・商品パッケージをデザインするのはグラフィックデザイナーとなります。

Webデザイナーは文字どおりwebサイトをデザインし、グラフィックデザイナーは印刷物をデザインするという違いがあります。

Webデザイナーは、クライアントから依頼されたwebサイトのデザイン・コーディングを行い、使い勝手だけでなく魅力が伝わるサイトを制作していきます。フリーランスで活動している場合は、スキルによって仕事内容が変わります。

フリーランスのwebデザイナーの年収は300〜400万円、同じくフリーランスのグラフィックデザイナーの年収は700〜800万円だといわれています。

カメラマン

カメラマンはクライアントの依頼に沿った画像を提供する仕事です。アマチュアとして活動し、フリーランスに移行する人が多いと言われています。商品や食材などの撮影から、報道現場での撮影まで業種はさまざまです。

SNSなどで写真を公開し、集客に繋げるカメラマンも増えているようです。自分の得意分野を持つとよいでしょう。年収は人によってさまざまです。

以前は商業写真を撮影するのはカメラマン、アートとしての写真を撮影するのは写真家やフォトグラファーと呼び分けていましたが、近年はフォトグラファーと呼ぶ傾向にあるようです。

YouTuber

YouTuberとは、YouTubeに動画を投稿し、視聴されたことによって発生する広告収益を得る人のことです。収益化には登録者数の制限があり、運に左右されるところもあるので安定しているとは言えないでしょう。知名度が上がり、人気になれば芸能人のような活躍が可能です。近年ではYouTuberとして活動する芸能人も増えています。

YouTuberではなく、動画制作を仕事にする動画クリエイターという仕事もあります。動画クリエイターは、クライアントの依頼に沿って撮影や編集を行うのが主な業務です。商品やサービスの紹介・CMやプロモーション・ミュージックビデオ・YouTube・企業向け動画などジャンルはさまざまです。

動画クリエイターは、映像やアートが好きで、パソコンでの長時間の作業が苦ではない人が向いているでしょう。また映像制作は、案件によっては多くの人が関わるため、コミュニケーション能力も求められます。

YouTuberの年収は人によって差がありますが、動画クリエーターの年収は300〜600万円だと言われています。

コンサルタント

コンサルタントとは、企業の業績改善を促すための戦略を立てる仕事です。限られた期間で高いアウトプットを求められるので、求められる知識やスキルが多いといえます。

さまざまな業界での活躍が期待でき、ITコンサルタントや戦略コンサルタントなど幅広い領域で求められています。それぞれ細分化された分野で、それぞれの専門性を持つコンサルタントがいます。

コンサルタントに必要な資格はありませんが、公認会計士・社会保険労務士・ITコーディネータなどの資格があれば仕事獲得に有利に働く可能性があります。コミュニケーション能力が高く、物事を論理的に考えることができる人はコンサルタントに向いているでしょう。

専門分野や領域によって報酬に違いがありますが、ITコンサルタントの年収は1200〜1800万円、戦略コンサルタントは年収1200〜1500万円です。

美容師

フリーランスの美容師は、他の人が経営するサロンを間借りしたり、複数の美容師でサロンをレンタルするシェアサロンを使ったりして活動しています。

美容師は仕事が忙しいイメージがあるかもしれませんが、フリーランスだと自由度は高く、働いた分だけ報酬を得ることができます。

フリーランスの美容師の顧客は、サロンのファンではなく、美容師個人のファンです。カウンセリングからスタイリングまで一人で対応するので、しっかりと顧客に向き合うことができます。そのぶん、顧客を増やすためにも技術的なスキルが重要です

年収は480万円前後が多いといわれています。

ネイリスト

ネイリストでフリーランスになる場合、働き方はさまざまです。
店舗や自宅で開業するだけでなく、美容室などのサロンの一角を借りる面貸し、ネイルサロンと契約を結ぶ業務委託、顧客の家に出向いて施術をする訪問型があります。

フリーランスになることで、細々とした業務は増えますが、自分の都合に合った働き方をすることができます。サロンの方針に従わなくてもよいため、自身の個性を最大限に発揮することができます。また好みの素材を使用した施術が可能になります。

事業が軌道に乗れば、年収600〜1000万円も可能だと言われています。

フリーランスになるために必要な準備は?

フリーランスになるにはどうしたらよいのでしょうか。詳しく説明していきます。

健康保険と年金を切り替える

会社を辞めてフリーランスになる場合は、社会保険の切り替えが必要です。会社員は厚生年金と健康保険に加入していますが、フリーランスになると国民年金と国民健康保険に加入することになります。

退職後2年間は会社の健康保険に継続して加入することも可能。国民健康保険と比べてどちらが安いかは、役所か全国健康保険協会に問い合わせるとよいでしょう。

継続する場合は、退職後20日以内に申請する必要があるので、忘れないように早めに手続きを済ませておきましょう。職種によっては、国民健康保険組合に加入するという方法もあります。

開業届と青色申告承認申請を準備する

開業届は、フリーランスになったからといって必ず提出すべきものではありません。しかし、節税効果の高い青色申告を利用するためには、開業届が必須です。

開業届とは、「こういう事業をやります」ということを国に通知するもの。基本は開業後1ヶ月以内に提出します。期限が過ぎていたり、事業が軌道に乗っていなかったりしていても必ず出しましょう。

提出先は、拠点とする所在地を管轄する税務署です。持参・郵送どちらも可能。管轄する税務省がわからない場合は国税庁のHPで調べることができます。また、開業届の用紙もHPからダウンロード可能です。直接税務署に行って、「開業届を出したい」と伝え、その場で記入しても問題ありません。

青色申告承認書は「青色申告をはじめたい」と宣言する書類です。国税庁のHPからダウンロードするか、直接税務署に行ってもらうこともできます。提出は税務署に直接提出するか郵送で提出します。

青色申告承認申請書の記入で重要なのは、「複式簿記」を選択すること。これをしないと、控除額が低くなってしまいます。青色申告では最大65万円の控除を受けられますが、複式簿記にしないと控除額が10万円になってしまうのです。

仕事するのに必要なものをそろえる

フリーランスになると、すべて自分で準備する必要があります。仕事に必要な物もそろえておきましょう。パソコンやインターネット環境だけでなく、名刺・印鑑・封筒などの備品も必要であれば揃える必要があります。

このとき、仕事のために購入したものの領収書やレシートは保存しておきましょう。開業前であっても、まだ会社を辞めていなくても、開業前に使った仕事関連の経費は「開業準備費用」として確定申告に反映できるからです。

このため、名刺が必要な人は開業前に作るとよいでしょう。費用は経費にできますし、開業後にバタバタしてうっかり作り忘れてしまうと、大事なチャンスを逃す可能性もあるからです。

会社員からフリーランスへの転身を考えている人は、フリーランスになると信用が著しく下がるので、退職前にクレジットカードを作っておきましょう。引越しの予定がある人も、退職前に契約しておくと安心です。

フリーランスの仕事を選ぶときに注意すること

フリーランスの仕事を選ぶときに注意してほしいことをまとめました。

興味を持てる仕事を選ぶ

初めのうちはそれほど仕事を選べないかもしれませんが、長く続けていくためには自分が興味を持てる仕事を選ぶことが大切です。興味が持てない仕事だと、続けられない可能性も高くなるからです。興味がある仕事なら身につきやすく、スキルアップも苦ではないでしょう。

フリーランスという働き方はよいけれど、とくにやりたい仕事がないという人もいるかもしれません。その場合は、嫌ではない仕事を選ぶという方法もあります。フリーランスは人間関係のストレスが少なく、働く場所も時間も自分の自由にできます。

それだけで十分だと思えるならば、どうしてもやりたいと思う仕事ではなくてもやっていけるのではないでしょうか。続けていくうちにスキルが身について楽しくなるかもしれません。

フリーランスといっても職種はさまざま。働き方も自由に選べます。自分が続けていけそうな仕事を選ぶとよいでしょう。

スキルを使える仕事を選ぶ

フリーランスでは実績が重要になります。自分のスキルや経験を活かせる仕事なら、軌道に乗せやすいでしょう。たとえば、金融業界で働いた経験があるならライターとして金融の記事を書くことが容易ですし、マーケティングの経験があればWebマーケターとして活躍することが可能です。

また、自分ではそれほどのスキルや経験がないと思っていても、実は気づいてないだけかもしれません。仕事の経験のみではなく、趣味や今までの生活を振り返って自分の棚卸しをしてみましょう。作文が得意だったのならライターがむいているかもしれませんし、絵を描くのが好きだったのならイラストレーターやデザイナーに挑戦してみるのもよいでしょう。

どんなに些細なこととでも、自分の持っているスキルや経験を見つけて仕事につなげていくとうまくいく可能性が高まります。

フリーランスとして初めての仕事を得るには

フリーランスとして独立した直後は仕事を獲得するのが難しいかもしれません。ここでは、初めての仕事を得るためのヒントをご紹介していきます。

知人に紹介してもらう

フリーランスになると、仕事の獲得も自分で行わなければなりません。もし実績が乏しい状態であれば、企業からいきなり仕事を獲得するのは難しいでしょう。

知人や友人など、これまでの人脈を活用してみましょう。「仕事を探している」「フリーランスでこういう仕事をしている」と周りに伝えておきましょう。自分がフリーランスでどのような仕事をしているかを少しでも多くの人の知ってもらうことが大切です。すると、知人の知人など、予想外のところから仕事の依頼をもらえることがあります。

フリーランス向けのコミュニティなどに参加して人脈を広げるという方法もあります。フリーランスになると、あまり人と会わなくなってしまうことが多いので、積極的に参加するとよいでしょう。

企業から受注する

実績やスキルがあれば、企業に直接営業をかけてもよいでしょう。求人サイトでもフリーランスとして働ける仕事を募集していることがあります。たとえ募集が正社員だったとしても、「フリーランスとしてこのような仕事ができますが、ご依頼いただける仕事はありませんか」と問い合わせてみてもよいでしょう。そこで仕事が獲得できるかもしれませんし、できなかったとしても、後日依頼が来ることもあります。

また、以前働いていた会社とのつながりを利用するのもよいでしょう。技術や経験が必要な仕事なら仕事が獲得しやすいでしょう。一緒に働いたことがあるならスキルもわかってもらえているので、相手も依頼しやすいかもしれません。

クラウドソーシングサイトを利用する

クラウドソーシングサイトとは、仕事を発注したい企業と受注したい個人を結びつける、マッチングプラットフォームです。

クラウドソーシングサイトには多くの仕事が存在しているので、利用すれば比較的仕事を受注しやすい傾向にあります。手数料がかかるうえ単価もそれほど高くないものが多いですが、経験を積んで実績を増やすには最適です。

クラウドソーシングサイトにもいろいろ種類があるので、使いやすいものを利用するとよいでしょう。扱う職種は増えてきているので、新しい仕事に挑戦したい場合も応募しやすいのでおすすめです。

手軽に応募できるため、競争率は高め。毎日マメにチェックして、希望の仕事の募集がないかを確認するようにしましょう。案件をこなし実績や経験を積むことができたら、企業に営業をかけることも可能です。

フリーランスとして安定して仕事を得るには

フリーランスのデメリットは収入が不安定なこと。ここでは、安定して仕事を獲得するための方法を説明していきます。

SNSなどで自分をアピールする

SNSで仕事内容を発信して自分をアピールし、仕事獲得につなげることも可能です。近年は、SNSの発信内容を見て依頼をする企業も増えているからです。とくにクリエイティブ系の仕事をしている人は、SNSがポートフォリオのような役割をはたしてくれるでしょう。

SNS運用の仕事をしているなら、運用のコツを発信することで仕事を依頼されることも。仕事をお願いしたいけれど、どこに依頼したらいいのかわからないという企業も多いようです。

このように、SNSでの発信活動はフリーランスにとって重要なものとなっています。反対にマイナスな発信をしていると、企業側に「お願いしようと思ったけれど、やめておこう」と思われてしまう可能性もあるので注意しましょう。

相手に「また仕事をしたい」と思わせる

フリーランスにとって人脈は大切です。「また一緒に仕事をしたい」と思ってもらえれば、次の仕事を依頼してもらえるでしょう。そのためには、期待以上の仕事をすることが大切です。仕事の質を上げ、クライアントの課題を見つけて提案してみるとよいでしょう。簡単なことではないかもしれませんが、依頼された以上のことをすると相手の印象にも残り、何かと重宝されます。

また、人柄も重要になってきますので、コミュニケーションにも手を抜かないようにしたいもの。返信は早めを心がけるとよいでしょう。

良い印象を持ってもらえれば、そのクライアントの仕事がなくなってしまったとしても、別のクライアントを紹介してもらえることもあります。この仕事ならこの人!というような強みがあれば仕事を獲得しやすくなるでしょう。

営業力を磨く

フリーランスが仕事を獲得するためには営業も必要になります。自分の利益を損なわないような契約につなげる交渉力も重要になってくるでしょう。営業で断られても落ち込まないような強い精神力もあるとさらに稼ぎやすくなります。

しかし、どうしても営業が苦手な人もいるかもしれません。その場合は、クラウドソーシングサイトを活用したり、コミュニティなどに所属して人脈を広げたりしていくとよいでしょう。コツコツと仕事をこなし、経験を積むことで自信がつき、自分で仕事をとりにいけるようになることもあります。他人を頼ってばかりではいけませんが、人脈を広げれば、紹介してもらえることもあります。

高いスキルを身につけても、仕事がなれば収入は得られません。知識を蓄え、スキルを磨くことも大切ですが、稼ごうと思うなら営業力を身につけていくことが非常に重要になってきます。

人脈を大切にする

個人で働くフリーランスは、横のつながりが希薄になりがちです。コミュニティや交流会などに積極的に参加してみることをおすすめします。知識や情報をもらえたり、人脈を作ったりできます。どの人も同じような孤独や悩みを抱えていることが多いので、同じ業界で働いている人とは打ち解け合いやすいでしょう。オンラインでも悪くはありませんが、オフ会などで実際に顔を合わせた方が記憶にも残りやすい傾向にあります。

横のつながりができたら、悩んだときや手伝ってもらいたいときに頼ることができます。また、そのような存在がいてくれるだけで心の支えとなるでしょう。

また、異業種との交流もおすすめです。違う業種にいると、自分のスキルが重宝されることがあります。同業者の中では自分より高いスキルを持つ人がたくさんいるのに、他の業種の中では自分のスキルが高いと評価されるのです。たとえば、デザインの仕事の経験があるけれどあまり仕事を獲得できなかった人が、Webライターの中に入ったら、デザイン力に驚かれるようなことが起こります。

さまざまな職種を見られるのもフリーランスのメリットと言えるかもしれません。

ポートフォリオを整える

自分の名前で働くフリーランスは、自分の価値を知ってもらうことが大切です。スキルや実績をまとめたポートフォリオを作成し、いつでも使えるように最新の状態に整えておきましょう。

Web上で作品や実績を公開する人が多いようです。ポートフォリオ専用のサイトもあるので利用してもよいでしょう。SNSなどでも公開しておくことで、それを見た企業から仕事の依頼が来ることもあります。

案件に応募するときにもポートフォリオは欠かせません。最初のうちは掲載する実績が少なくて困るかもしれませんが、それでもポートフォリオがあるのとないのとでは違います。可能ならばフリーランスの先輩などのポートフォリオを見てみるとよいでしょう。

フリーランスの注意点

フリーランスとして働くときの注意点をみていきましょう。

契約書を交わさないと思わぬトラブルに遭ってしまうかも

契約書はしっかり確認し、必ず交わしておきましょう。口約束だけだと、トラブルになったときに対処できなくなってしまいます。法律上は契約書がなくても契約が成立することがほとんど。口約束だけでも、メールでのやりとりでも、お互いの認識が一致していれば契約は成立します。

ただ、契約書がなければ証拠が残りません。報酬の未払いや減額があってもこちらが不利な状況になってしまう可能性があります。また、修正や業務の追加などで報酬を変更したくてもできなくなってしまうことも。

手間かもしれませんが、会社員のように守ってくれる組織はありません。自分の身を守るためにも、契約書は必ず交わしておきましょう。トラブルを防止して、安心して仕事を進めていきたいですね。

確定申告は忘れずに行う

フリーランスは税金も自分で納めなくてはなりません。大変ですが、確定申告は忘れずに、必ず行うようにしましょう

確定申告とは、1月1日から12月31日までに発生した所得から納税額を確定させることです。確定申告を行わないと脱税となり、厳しい罰則が科されます。必ず忘れないように申告しましょう。

確定申告の申請期日は2月16日〜3月15日まで。申請時には明らかな不備がない以外、内容のチェックはされません。

初めての申告はわからないことばかりで大変かもしれません。そんなときは税務署の人に相談すると、無料で相談に乗ってくれます。また、税務署に税理士が待機している日があります。こちらも無料なので、税理士に相談したいことがある人は最寄りの税務署に問い合わせてみるとよいでしょう。

まとめ

フリーランスとはどういうものか、どのような仕事があるのかを説明してきました。フリーランスに興味があるなら、思い切って挑戦してみてもよいかもしれません。いきなり会社を辞めなくても、初めは副業から始めていくのも選択のひとつ。個人の力で稼げるスキルを身につけておくことは、将来への不安を減らすことにもつながります。決して楽ではありませんが、やりがいと充実感を得られる可能性もあるでしょう。

働き方の多様化やネット環境が整ったことにより、フリーランスという働き方を選ぶ人も増えてきました。フリーランスは仕事だけでなく営業から経理まですべて自分でやらなくてはならず、質問をできる人も近くにいない場合が多いのも事実です。

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