2025年6月9日に発売された書籍『ユニークな行動を取れる人がいつも考えていること』は、「前例にとらわれない行動」や「意外性のある選択」をどうすれば実践できるのかを解説した一冊です。
著者の池田貴将さんは、早稲田大学在学中に新規ビジネスの立ち上げに携わったり、セミナーを受けるために英語が不得意ながらもオーストラリアへ渡ったりと、常に型破りなチャレンジを続けてきました。
本記事では、池田さんがこれまでにどのようなユニークな行動を取ってきたのか、過去の生き方やこれからの生活で意識すべきポイントなどについて、お話を伺いました。
目次
予備校講師への憧れから始まった「ユニークな人生」

— 池田さんがこれまでの人生で経験した、ユニークなエピソードを教えてください!
ユニークかどうかはわからないですけど、自分でも他の人とは違う行動をしていたなと思うのは、高校3年生から大学生の時期ですね。
私は群馬県の沼田という街で育ったのですが、地域全体が車社会ということもあって、働いている大人の姿がほとんど見えませんでした。
周囲に親や先生くらいしか大人がいないなかで、一番楽しそうだったのが、私が通っていた予備校のDVD授業に映る、東京在住の先生だったんですよね。
画面のなかで「なんて楽しそうに授業をやっているんだろう」と思って、この先生から学びたい!という思いから、受験浪人で東京に出ることにしたんです。
— 予備校の先生から学ぶために東京に行くって、すごい行動力ですね。周囲の反対はなかったのですか?
学校や塾の先生からは「地元でいいだろう」とか「塾も割引するからうちで受けたらいい」とか言われていたんですけど、「俺はあの先生に会いたいんだ!」という気持ちが強かったので、東京に行くことにしました。
その後は予備校を経て、早稲田大学の商学部に合格して、そのまま東京で大学生活を過ごすことになります。
— 大学ではどのように過ごしていましたか?
実は合格した早稲田大学の商学部は、自分の第一希望ではなかったんです。
そういうこともあって、「このまま普通に4年通ったとしても、何も変わらないんじゃないか」と思ったので、入学当初から「4年後どうするのか」を決めるために行動していました。
サークルには1つも入らずに、早稲田OBの人が主催している企業の社長の講演会などに参加していましたね。
同級生からは「なんでサークル入らないの?」と言われましたけど、「将来どうなっていたいのかが決まっていないのに、なぜ入るサークルが決められるんだ」みたいに思っていました。笑
— その後、どのように将来を決めていったのでしょうか?
大学では、本当にいろいろ考えが変わったと思います。
公認会計士を目指して辞めたり、商学部で学んだ内容が本当に使えるのかを確かめるために、地元の塾にアルバイトに行ったり……
2年生のときには「コンサルティングができるようになりたい」と思ったので、大学を休学して、コンサルティング会社で修行したこともありました。結局「向いていないな」と思って辞めちゃいましたけどね。
— いろいろチャレンジするものの、うまくいかなかったんですね……。
当時はすごく方向性に悩んでいましたね。でもその後、たまたま友人から誘われたセミナーで、「セミナー講師」という仕事があることを知りました。
誘われたのは3日間のセミナーだったんですけど、3日後には「自分は人の目がキラキラすることに関わりたいんだ!」ということがわかったんです。
自分は何年も悩んでいたのに、たった3日で気づかせる仕事ってなに?というところから、自分もセミナー講師になりたいと思って、勉強を始めました。
79万円のセミナーか就職活動か。人生を変えた選択

— そのまま、セミナー講師になるための勉強を続けていたんですか?
はい。最初は目標達成とかモチベーションとかの分野に興味があって、勉強を続けていたんですよね。
そのなかで、大学4年生のときに、コーチングの分野で世界No.1と呼ばれている「アンソニー・ロビンズ」のセミナーを知りました。
セミナーの価格は6日間79万円で、場所はオーストラリア。開催時期を考えると、日本の大企業の就活はすべて諦める必要がありました。当時は「就職するのか、セミナーに行くのか」をずっと考えていましたね。
— すごく高額なセミナーですし、普通なら就職を選びますよね。
そうですね。でも最終的に「安定と成功、どっちが欲しいの?」と自分に問いかけた時に、「成功したい」という答えが出たので、「もう就職はいいから行こう」って決めました。
— その結果はいかがでしたか?
結果的にセミナーを受けたことが、自分の人生を変えるきっかけとなりました。
世界一のコーチから教わったということもあって、当時の自分の実力よりも、はるかに自信が上回る状態になりましたね。笑
もともと40歳とか50歳になったら人材教育の会社をやりたいと思っていたのですが、自信がついたことで「もう始めていいんじゃないの」と感じて、就職せずに大学在学中から自分で事業を始めることにしたんです。
— すごく型破りな選択ですね!
どのような事業を始めたのでしょうか?
最初は自分でセミナーを始めるところからスタートしました。最初は人脈を総動員して、1万5,000円のセミナーに15人ほど来てくれたんですけど、そこからは泣かず飛ばずで。
実績もノウハウもお金もなかったので、知り合いの家の空きスペースに住まわせてもらいながら、スーツを着てひたすらセミナーをやるみたいな状態でしたね。
そこからは割愛しますが、少しずつ口コミで評判が広まっていって、今に至るという形です。
いまも色々チャレンジはしていますが、当時が一番突拍子もない行動ばかりをしていたと思いますね。
自分自身のなかにある「良い声」に耳を傾けることが、ユニークな生き方を始める第一歩

— 池田さんのようにユニークな生き方を実現していくには、どのようなことを意識すればいいですか?
そもそも私は、ユニークさというのは、誰しもが持っているものだと思っています。
そのため、基本的には自分自身に素直になっていくことが、ユニークに生きていくうえでの鍵になりますね。
「ユニークになろう!」と思うと、ついつい誰かのコピーをしようとして失敗する可能性が高いので、まずは自分と向き合うことが大切です。
— 自分自身に素直になるコツはありますか?
自分自身のなかにある、「自分を良くしたいという声」に耳を傾けてみてください。
行動したあとに自分が元気になる、誇らしく感じる、好きになるなど、ポジティブな感情になったものを記録して、自分のパターンにしていくことが大事です。
例えば「休日はダラダラしたい」という声があったとして、実際にダラダラしたときに「よし!今日は3回も寝たぞ」みたいな達成感を覚えることって基本的にないですよね。
終わったあとに後悔するのであれば、それはノイズなので耳を傾ける必要はありません。
— 行動したあとの感情を確認して、記録していくことが大事なんですね。
僕が重要だと思ってるのは、自分のユニークさに基づいて生きてるほうが、充実感があるということなんです。
ユニークさ=自分にとっては当たり前のことなのに、それを遠慮して周りに合わせようとしていると、批判は受けませんがハッピーではなくなっていってしまいます。そして、どんどん自分のユニークさに気付けなくなってしまうんですよね。
いきなり今の環境でユニークさを使おうとすると合わない可能性も高いですが、自分のユニークさが使える仕事もたくさんあります。
まずは自分のなかの声に耳を傾けることが、最終的には人生を変えることにつながると考えてみてください。


逆引き辞典として使える、悩むたびに自分のユニークさが増す一冊
— 最後に、今回の書籍『ユニークな行動を取れる人がいつも考えていること』のPRポイントを教えてください。
本書はよくある自己啓発書ではなく、「ユニークなチャレンジをしている人は、なぜそうなれてるの?」という、後ろにある背景やカラクリが具体的にわかるような一冊です。「ユニークになるには◯◯しましょう」という行動方法を伝えているわけではありません。
私が学んだコーチングの理論や行動心理学に加えて、実在するユニークな人物の行動や思考パターンをもとに、その原理と方法を解説しています。
やはりみんな同じ人間なので、もちろん面倒くさいものもあるし、怖いものだってあります。
みんな嫌な気持ちになることはあるけど、それを気合で解決しようとすると潰れてしまうので、成功している人の背景を知ることが大切です。
もし自分がユニークに行動していくうえで悩むことがあったら、逆引き辞典のような形で読んでみてください。
自分が悩むたびに、自分のユニークさが増していく、そんな一冊になれば幸いです。
聞き手/ライター :ワカジツ